2015年7月30日発売
剣道少女たちの「武士道」シリーズ、6年ぶりの最新刊。 高校生活インターハイを描く『武士道エイティーン』のラストから2年。大学生になった二人だが、香織は剣道推薦で大学に進学。数々のタイトルを獲得し、ゆくゆくは警察官になろうと考えていたが、女性で助教になるのは難しい。教員になる道を考えるがいかんせん、頭がよくない。一方の早苗は、すっぱり剣道からは足を洗ったものの、日舞から剣道に転向しただけに、日本文化が大好きで、長谷田大学の文学部史学科で日本史を専攻する。だが、留学生との文化や歴史認識の違いから、早苗の中に、次第に外国人に対する苦手意識が芽生える。 そんななか、桐谷道場の師範・桐谷玄明が倒れ、にわかに後継者問題が。本来次ぐべき、早苗の夫・充也その「資格」があるのは彼ひとりだが、警官を辞めるなと玄明にきつく止められてしまう。道場が誰よりも好きな香織は、後継者としての資格を得るべく、充也から特訓を受けることになる。 そこに、日本文化に興味津々のアメリカ人、ジェフが桐谷道場に入門してくる。母校で職員をしながら、道場で充也の手伝う早苗は、苦手な外国人との生活に戸惑いを隠せない。そして、早苗は道場の中学生、大野悠太のことでも気を揉んでいた。 悠太は帰国子女の同級生・宮永創に地区大会でボロ負け、香織の教えである「武士道」についてもケチをつけられ、すっかり稽古をする気を失くしていた。 話を聞いた香織は、悠太に特訓をつけるが、連日の稽古で疲労困憊の香織に、早苗は、堪らず香織を止めに入る。「……だったら、お前が悠太に稽古をつけてやれ」と言われ、渋々道着に袖を通す早苗。悠太は早苗との稽古、そして同時用を守ろうと必死に戦う香織の背中を見て次第に自信を取り戻していく。はたして、香織は道場を継ぐことができるか。そして、悠太は、宮永に勝つことができるのか。この勝負、如何にーー。
人が“恋に落ちる”瞬間とはどこにあるのだろう?時間も場所も場合もなく、唐突にそれは訪れる。鉄壁のクール女子大生が描く想い、天才美少女に空いた心の穴、果てはツチノコハートフルストーリー!?三組の男女に訪れる瑞々しく眩しい一瞬を、三人のプロデューサーと共に描き出す、文野はじめ初の短編集。
西暦2061年、ウェアラブル機器と高度な人工知能「カミサマ」によって緩やかな情報管理が行われる時代。「僕」は先生から頼まれたお遣いで、ウェアラブル機器を持っていない少女、サラガネ・サラサと出会う。近未来の一夏を舞台に、過去と未来、サイエンスフィクションと甘酸っぱい恋が交錯する青春小説。