2015年発売
7年前に別れた恋人が、ある日突然、あぐりの部屋を訪ねてきた…(「お茶が熱くてのめません」)。終わった恋の苦さを描いた表題作ほか、別れたあとにも続く男女の不思議な関係と、それぞれが抱く微妙な感情を巧みに描いた珠玉の5篇。巻末に著者インタビューを収録。
東京のデパートの宝石展で、「志摩の女王」という真珠の宝塔が盗み出された。盗み出した泥棒は、アドバルーンで大空へと逃げてゆく。そして今度は、「灰色の巨人」と名乗る怪人が、「にじの宝冠」を盗み出す。次々と起こる怪事件に少年探偵団が挑む。
沈没船の引き上げにあたった潜水夫たち。暗い海底で船体を調べていた彼らの目の前に飛び込んできたのは、鉄でできた怪物だった。ひょんなことから賢吉少年に託された鉄の小箱の秘密とは!?地上にまではいあがり小箱をつけねらう怪物に、明智探偵が挑む。
年下の恋人・章司と暮らす和実は、異端の画家エゴン・シーレの作品「哀しみの女」に強く惹きつけられる。描かれていたのはシーレのモデルで愛人だったヴァリー。この女性の人生に、和実は自分の運命を重ね合わせていく。大人の女の愛を描いた恋愛小説。
国家試験に合格し、新米医師としての生活をスタートさせた高村伸夫。地下の研究室で実験に明け暮れる日々が続いた。大学院で博士の学位を取得するまでの生活が綿密な記述と迫真の筆致で描かれている。自伝的大河小説第3弾。
『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』で知られる中江裕司監督の最新映画『真夏の夜の夢』の原点を描いた書き下ろし。精霊(キジムン)マジルーが400年以上の時を超えて、世界中を飛び周り、なんとシェイクスピアとも出会ってしまう!精霊と人間が織り成す奇想天外物語。
いまインターネットで話題騒然の「3分で読める800字の怪談」シリーズ第二弾。一度読んだら二度と忘れられない(!?)怖い話、不思議な話、奇妙な話、せつない話…三度の飯より怪談が大好物の書き手たちが腕を競った中から、特に評価の高かった作品ばかり全108編を一巻に厳選収録。
少年探偵団の名コンビ・井上くんとノロちゃん。ある日ふたりは、珍しい「移動映画館」に惹かれてそのあとをついていくが「魔法博士」と名乗る黄金の姿をした盗賊とその手下に捕らえられてしまう。彼らの目的は、何と名探偵・明智小五郎を盗み出すことだった。
井上くんとノロちゃんが銀座通りを歩いていると、「ウワン…ウワン…」という、教会の鐘のような音とともに銀座の夜空いっぱいに巨大な顔が広がった。それはとてつもない事件の前触れだった。明智探偵の美しい少女助手、マユミの身に危険が迫る。
ふたりの少女・ルミとミドリは公園で不思議な老人と男の子に出会う。男の子は、精巧に作られた腹話術の人形だった。すっかり人形に魅せられたルミは、ミドリの止めるのも聞かず、老人の家へついていってしまう。ルミがそこで見た恐ろしいものとは…。
名探偵・明智によって刑務所へ送られたはずの四十面相が、いつのまにか脱獄していた。次なる標的はレンブラントの名画。四十面相が口にする「きめんじょう」という言葉にはどんな恐ろしい秘密があるのか。小林少年の切り札、ポケット小僧の大活躍が始まる。
恋に憧れているのに、恋がこわいー。妹の婚約者に心惹かれる、オクテな姉の心情を描いた表題作(「うすうす知ってた」)ほか、男女が織りなす微妙な心模様を描く、傑作恋愛短篇集。巻末には本書のための著者インタビューを収録。
高校時代、やけに男を魅きつけた尾高裕美に。東京で生まれ育った美貌の同級生の吉岡暁子に。海外生活をしてきた同僚のエイミーに…。そのおさえても湧き上がる黒い嫉妬の感情に飲まれていく男女を鋭い筆さばきで描いた、切なくも残酷な傑作短編集。
好評の「てのひら怪談」シリーズから飛び出した、800文字の新たな文学宇宙!和漢の古典文学から、夏目漱石、泉鏡花らの文豪たち、さらには村上春樹、京極夏彦ら平成の人気作家にいたるまでー総勢100名にのぼる小説家、詩人、エッセイストの手になる妖しく不思議で奇妙な物語のカケラを蒐めた、極小にして極上のアンソロジー。
わたしは彼らと違うのだ。いかにむなしくても、それはどうしようもないことだー。殿さまには殿さまの悩みがあって、些細な物事にも思いを馳せる(『殿さまの日』)。“ショートショートの神様”が、斬新な切り口によって描き出す傑作時代小説集第一弾。
「きもだめしの会」を開いた少年探偵団。ひとだまが出るという噂の不気味な森に入った7人の少年たちは、そこであるおそろしいものと遭遇する。少年たちが見たのは、宙に浮かんだ銀色に光る首だった。不気味に光る怪物が、少年たちに迫る。
誘拐事件や宝石泥棒を引き起こしたロボット、鉄人Qをチンピラ別働隊のポケット小僧が大追跡。ついに突きとめたアジトの西洋館に小林少年とともに忍び込むが、待っていたのは恐ろしい魔の森だった…。鉄人Qの正体の正体は一体?名探偵明智小五郎の推理が光る…。
鉄仮面の男が西洋館から「星の宝冠」を盗もうとしているとの知らせをうけて、名探偵明智小五郎が駆けつける。ところが、うしろから何者かにおそわれ、気がつくと、そこは窓のないふしぎな小部屋。ついに明智探偵が捕らわれの身に?恐怖王との知恵の闘いが始まる。
身近に起きた命の煌きを活写した感動の私小説。重い病に冒されながらも、気高き優しさを失わぬ「優しい子よ」、名プロデューサーとの心の交流と喪失を描いた「テレビの虚空」「故郷」、生まれる我が子への想いを綴った「誕生」、感涙の全四篇。