2016年10月14日発売
雨の中、惨劇は起きた。現場に残された紙片には“ドッグフードの刑”の文字。最悪の猟奇殺人は刑事・沢村の予想通り連続する。“私刑執行者”、蛙男の衝撃の過去と心の闇が襲い来る、知られざるもうひとつの「ミュージアム」小説版、悪魔の“Another Side”。絶賛漫画作品の、ホラーの名手による書下ろし驚愕ノベライズ。
寡黙で実直な夫・蔵太と共に平穏に暮らす澪の前に、一度だけ契りをかわした幼馴染みの笙平が現れた。藩内抗争に巻き込まれ咎を受け逃亡した笙平を匿う澪に、朴念仁であるはずの夫は意外な優しさを見せる。武士の妻が持つべき義と交錯する想いに、二人の男の狭間でもがく澪。日本人の心性を問う傑作時代小説。
江戸の大川で、若い女性が両手両脚を切断、惨殺される「達磨美女」事件が勃発。貧乏浪人の由比三四郎は、妻の依頼で、暗殺された花火師の娘おゆきの用心棒となった。その直後から、彼らの元に次々と難敵が現れる。三四郎は「秘剣・氷柱折り」で、究極の黒幕退治に挑むのだがー。人情と剣戟が交錯する、連作長編小説。
天国行きは、生前の善行と、笑った回数で決まる。病に倒れ、この世とあの世の狭間でそう聞かされた修治は、息子の陽一郎に会うために天国行きを諦めて一週間この世に戻る。陽一郎に笑いのコツを伝え、人生を笑顔で満ちたものにするー姿を小学生に変えた修治は、転校生として陽一郎と再会した。
宝永大地震に富士山噴火。復興の祈りで賑わうお伊勢参りの要所・石部宿で、百姓衆の諍いを収めた旅の浪人徳田新之助は、圧政を敷く代官との交渉役を引き受けることになるが。使い手の男前若侍と、色事好きのお節介な爺さん。ひょんな縁から行き会った三人の正体とは?痛快世直し道中記開幕!
会社経営者の妻子を狙った誘拐事件が、東京、横浜、松江で立て続けに発生。いずれも人質は解放されたが、犯人は高額の身代金をまんまと手中に。容疑者が浮かばず迷宮入りも囁かれる中、十津川警部は三つの事件に奇妙な共通点を見出す。真相を追って、十津川は長野新幹線「安中榛名」へ。名推理に唸る傑作長編!
若き警察官の”正義”が、「軍艦島」内に波紋を広げる。わずかな土地に五千人以上が暮らす、通称「軍艦島」と呼ばれる炭鉱の島で、昭和三十四年少女の遺体が見つかった。島に赴任したばかりの警察官・荒巻は少女の事故死を疑い、独自に捜査を開始。島の掟を前に、捜査は難航するが、予期せぬ人物の協力によって、有力な証拠にたどりつくーー。吉川英治文学賞受賞作 プロローグ 第一章 桟橋 第二章 発端 第三章 不穏 第四章 後悔 第五章 証拠
もう誰も信用できない? 疑心暗鬼になる「軍艦島」のなかで、ひとつの正義を貫くことはできるのかーー。若き警察官・荒巻の”許されざる捜査”は、「全島一家族」を標榜する島に波紋を広げる。八年前にも小女が水死しており、裏には信じがたい事実が秘されていた。密室ともいうべき島でつながる二つの不審死。その謎を解く鍵は、満月の夜にあった。著者の新境地に達するハードボイルドの最高峰。吉川英治文学賞受賞作 第六章 逮捕 第七章 容疑者 第八章 疑惑 第九章 捜査 第十章 協力者 第十一章 満月 第十二章 犯行 第十三章 情報 エピローグ
南町奉行所内与力・隼新八郎は、女中だったお鯉の家からの帰路、辻斬りの現場に遭遇する。殺されたのは本石町鶴丸屋の当主・清兵衛だった。新八郎はすぐに下手人の探索を始めるが、今度は成子坂で首なし死体が見つかった。二つの殺しは、やがて大奥へと結びついていくが。人気シリーズの記念碑的第一作。
人生をぶらぶら楽しく生きたいと思っているるり子は、音大卒の30代女子。恋人の宗介からは「ぶらこ」と呼ばれ、2年前から同居している。怠惰でゆるやかな幸福に満ちた二人の生活。だが、自宅でピアノを教えるぶらこは、最近、生徒の一人、暁生のことが気になって仕方ない。宗介という人がいるのにー。
気象庁と民間気象会社の予報の食い違いから、少女集団遭難という前代未聞の悲劇が発生する。天候が急変した山中に少女と共に失踪した官僚は、同僚の水鏡瑞希に謎の書類を預けていた。新進の民間気象会社の驚異的な予報的中率のからくりとは?人命さえ軽んじる霞が関の巨悪に、文科省ヒラ職員が立ち向かう!
生まれてすぐに山に捨てられ、面作師のもとで育った太良と甘楽。山の神様や天狗たちに見守られ師匠の面を売り歩いているが、店には「妖面」と呼ばれる特殊な面があった。本当に必要とする人だけが手にするその面にはある恐ろしい力が。人の心のもろさと強さを描く気鋭の時代ファンタジー!
取り調べ中に容疑者が自殺、青梅警察署水根駐在所へと降格された元刑事・江波敦史。奥多摩の穏やかな暮らしにも慣れ、自分を取り戻していた。そんなある日、御前山でいなくなったペット犬捜しを頼まれた彼は、山で何者かが仕掛けた罠を発見。それは隣県で発生した殺人事件の証拠だった。シリーズ第2弾!
重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断し轢かれた主婦の黒い噂、事故の記憶がない轢き逃げ犯…。警察捜査で見逃された7件の自動車事故の真相を損害保険査定員・滋野隆幸が“原調(原因調査)”で暴く!元損害保険会社勤務だった著者だから書けたリアルな“交通事故ミステリー”。
日本最大の暴力団、菱口組系の組長が姿を消した。殺されているのは確実だが警察には届けられない。調査を依頼された元ヤクザの探偵・矢能。容疑者は動機充分のヤクザ達。内部犯行か抗争か。だが同じ頃、失踪に関わる一人の主婦も行方不明になっていることが発覚する。最も危険な探偵の、物騒な推理が始まる。
三人悪のひとり、椎名は母方の実家の別邸で催される春のお茶会に参加。庭からの眺めに飽き足らず、こっそり宴を抜け出し伯父とロープウェイで桜の山へ入った。山間で美しい女に声をかける伯父。聞けば女は、桜の中に何かを探しに来たが、それが何か分からないという。見えないけれど、確実に「ある」ものとは。