2016年11月26日発売
私立大学で教授を務める私が、病死した妻の葬儀を終えて帰宅した夜の10時過ぎ、自宅のインターホンが鳴った。「奥様、ご在宅でしょうか?」。インターホンのディスプレイに映る女性の姿に見覚えはなく、私が外に出たときには、女の姿は消えていた。あの女は誰だったのか。そんな思いに囚われながら、私は大学の総長選挙に深く関わっていく。やがて近所のゴミ集積場で身元不明の死体が発見され、私の身の回りで起こる不審な出来事と、混沌とした選挙戦のつながりまで見えてきてー。不気味すぎる近隣トラブルが大学総長選挙の闇へとつながる戦慄のサスペンス。
選考委員の評価が真っ二つに割れた、第23回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作! 世界から見捨てられた人々が集まってくる混沌の街・イタギリ。希望のない街に住む少年は、明日の見えない生活の中、ささやかな希望を見いだす。その希望は、道ばたでスケッチをするシズクという儚げな少女への淡い想い。次第にふたりは惹かれ合うが、絶望の街は、そんなふたりの恋を許すことはなかった……選考委員の綾辻行人氏をして「ボロボロ泣いた」と言わしめた、凄絶にして美しいエンディングは見物! 独特の世界観と美学に彩られた新しいホラー小説にして究極の恋愛小説!! かつてこんなにも激しく、こんなにも切ない恋があっただろうかーー衝撃の受賞作に絶賛の声! 【綾辻行人氏(作家・日本ホラー小説大賞選考委員)】 クライマックスから結末に至る凄絶なシークエンスを読むうち、どうしても涙が止まらなくなった。こういうのを「ボロ泣き」というのだなあ、と思った。ミステリやホラーの新人賞の原稿を読んで、こんなに泣いたのは初めてだった。--傑作である。 【長谷敏司氏(作家)】 泥沼のような絶望を掻き分けて、見つけたロマンスの尊さに、少年はまだ気づいていないかもしれない。それは、我々この物語を読む者だけに、発見できる輝きかもしれないのだ。 【redjuice氏(イラストレーター)】 美しいと言うにはあまりにも血と死臭に彩られ過ぎた、壊れたボーイミーツガール。 それでもなお、美しい情景を思い描かずにはいられませんでした。
ジャンプホラー小説大賞受賞者デビュー作! 都内某所に存在するJKお散歩デートクラブ〈あずらえる〉には隠された裏オプションがあった…。衝撃のサイコサスペンスが幕をあける…!
漆黒の肌を持って生まれたために母から拒絶された少女。成人した彼女は、去った恋人を追って旅に出て、様々な人々と出会う。ノーベル文学賞受賞作家が現代を舞台に描いた贖罪と生まれ直しの物語