2016年5月13日発売
国籍を持たない不法移民ー通称『ベイグラント』と呼ばれる社会的弱者。主人公ライルに持ち込まれたのは度重なるベイグラントの暴走事件だった。時を同じくして、クリアトと冷戦状態にあるヘクト連合王国からコスタス少佐が入国。少佐の目的はヘクトを耶切りクリアトに密入国したテロリスト・ヴォルフの殺害だった。2つの事件を追う人魔調停局。だが、その背後には恐るべき陰謀が隠されていて……!?新相棒カエデと共に、ライルはクリアトの街を疾走する。デビュー作『MONSTER DAYS』から2年半の沈黙を経て、傑作ファンタジー、遂に続編開幕。
吸血鬼が闇に紛れて跋扈する現代、東京。ある日、私立清蘭女子高等学校で奇妙な集団溺死事件が発生する。吸血鬼の犯行と断定した警察は、あるヴァンパイアハンターに捜査協力を依頼する。その男は、人間と吸血鬼の混血“ダンピール”の息子を持つ、高野麻績だった。彼は事件を追う、息子のために、そしてかつて想いを向けてきたあるヴァンパイアを探すために。謎と思惑、そして親子の絆が交錯するーヴァンパイアミステリー&アクション、開宴。
世界から軍隊が消えて10年。しかし戦争は武力から諜報戦に形を変えていた。両親を惨殺され一人生き残った海棠鋭利、幼い頃兄と生き別れた御津見珀は、戸籍を剥奪されたスパイ集団、特別公安五係・通称“サクラ”にスカウトされる。桜のように潔く散る、それが彼らの流儀。舞台・映画化の人気シリーズ原作。
時は黒船来航に揺れる徳川家定の治世。奥州、野笛藩一の美女、今井一期は貧する国許を救うため、野笛出身の座敷童子を連れ戻すべく、大奥へ奉公に上がる。出没する“枕絵の妖怪”や人が死ぬ際に泣く妖怪“泣きジジさま”に翻弄されながらイチゴが知った座敷童子の正体は?温かい涙と笑みがおとずれる癒やし時代小説。
五人兄弟の長男をとつぜん亡くした夏目家の通夜に、長男の婚約者を名乗るおばさん妊婦が現れた。親代わりに五人を育てた伯父夫婦の苦肉の策は、どんな頼まれごとでも「いいよ」と引き受ける末っ子・伊代太との無茶ぶりすぎる結婚!圧倒的人気「猫弁」シリーズ著者真骨頂、涙と感動のラストがあなたを待つ。
深刻な麦の不作に苦しむアルデシュは、背後に接する大国ニザマに嗾けられ、今まさに一ノ谷に戦端を開こうとしていた。高い塔のマツリカは、アルデシュの穀倉を回復する奇策を見出し、戦争を回避せんとする。しかし、敵は彼女の“言葉”を封じるため、利き腕の左手を狙う。キリヒトはマツリカの“言葉”を守れるのか?
海峡地域の動乱を期するニザマ宰相ミツクビの策謀に対し、マツリカは三国和睦会議の実現に動く。列座するは、宦官宰相の専横を忍んできたニザマ帝、アルデシュ軍幕僚、一ノ谷の代表団。和議は成るのか。そして、マツリカの左手を縛めた傀儡師は追い詰められるのか?超大作完結編。第45回メフィスト賞受賞作。
甲斐の虎・武田信玄が毒を盛られる。武田軍の若虎・真田幸村は、昏睡状態の信玄を目覚めさせるため、猿飛佐助とともに各武将の下へ下手人探しの旅へ。しかしその間にも関ヶ原が迫りつつあった…。人気沸騰のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲーム・ノベルがついに文庫化!4ヵ月連続刊行第1弾!
「お金がないなら、知恵を出すのよ!」赤字ローカル線の再生を託されたのは、地元出身の新幹線カリスマ・アテンダント篠宮亜佐美、31歳。沿線住民やファンを巻きこむ企画をくり出し、体あたりで頑張る姿に社内も活気づく。しかし不穏な事件が相次いで亜佐美たちは頭をかかえることに。逆転の手はあるのか?
人身事故を起こしたと出頭してきた女。どこか他人事のような供述を繰り返す間に、事故車は修理に出され、痕跡を残すタイヤは転売されようとしていた。女の自宅からは大金が。事故は事件となり、エリート警察官や芸能界との関係が炙り出される中、意外すぎる真犯人像が浮上。警察が警察を追う、迫真のリアリティ!
聊異斎と捨吉に逃げられ、半四郎を我が手に引き込む画策を続ける田沼意次。浅間山噴火の報を聞き、服部半蔵を焚き付ける松平定信。聊異斎と捨吉が潜むのは噴煙が舞い山鬼の出没する浅間山麓であった。かの地で二人の命が狙われていると知った半四郎は、妖刀・鬼鍛刀を携え運命の地に急ぐ。
伊達勢大軍による味方討ちで、神保隊三百余名は全滅。伊達の権勢に遠慮した家康側は、事件を闇に葬る。真相を知り、娘婿神保長三郎の無念を思うお勝は、ひそかに一計を案じて洛中の街頭に立つー武士の悲哀を描きつづけた時代小説の名手が、大坂夏の陣を題材に豊臣・徳川の交代劇を活写した傑作歴史小説集。
「犯罪だって一般の消費者選択理論と同じ」連続殺人事件の特捜本部に乗り込んだ行動経済学者の捜査に、誰もがあっけに取られた。被害女性たちの自宅から足跡や血痕が発見されたのに、解決の糸口すら見つからない難事件の容疑者を、経済学で独自に割り出したというのだ。まったく新しい知的警察小説の快作!
大石静が描く,究極の「禁断の愛」とは!? 6年前、不幸な無差別殺人に巻き込まれ夫を失った青木文(あおきあや・45歳)は、幸せを諦めきった乾いた日々を送っていた。亡き夫と一緒に営んでいた海沿いのカレー食堂「ドライブイン・コントレール」を、忘れ形見の友樹(5歳)と生きるために営んでいる。亡き夫の母である姑と中学時代からの親友、殺人事件の担当刑事・佐々岡らに助けられほそぼそと暮らしている。店名は飛行機雲の英訳。夫との幸せな思い出でもあり、夫から最後のメールで送られてきた写真も飛行機雲、という不幸の象徴でもある。 そんなある日、ハプニングにより、長部瞭司という暗い影を抱えた失声症のトラックドライバーと出会う。会った瞬間から、どうしようもなく惹かれ合う二人。それまで無彩色だった文の毎日は、彼と会い、恋に堕ちることで彩りを取り戻していく。瞭司もこの出逢いから生きる希望を取り戻し、声も取り戻していく。炎のように愛し合う二人。 しかし、その幸せも長くは続かない。瞭司が衝撃のあまり声まで失ってしまった原因とは・・・・。そして、文が抱えている夫の隠された真実とは・・・。 物語は、ある女性の出現により,思わぬ方向に展開していく・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 世の中の多くの女性が待ち望んでいた、大人のための本格的な濃密恋愛ドラマを完全小説化。 「人生で起きたことは、すべて宙ぶらりん・・・・どうしていいか、わからない。だから,明日は恐ろしく不安で、わたしはひとり・・・・」 「あなたじゃない、あたしが欲しいのは・・・・」 「・・・・・今でもわたしのこと、好きよね・・・・・・好きよね・・・・・・好きよね・・・・・」 「・・・・・・女として,希望を持ったのが間違いだったの・・・・・・」 などなど、大石静さんならではの心に刺さる台詞が溢れています。 狂おしいほど切ない、大石静ワールド。ドラマはもちろん見逃せませんが、台詞すべてを収録したこの文庫は、まさに極上の大人の恋愛小説です。