2016年6月21日発売
人工知能を持つ最上級の美しい女“ひと型擬體”を手にいれた現代の青髭公を描く表題作の他、またいとこの姉妹と過ごした12歳の夏の夜のひとときを回想する『石蹴り』、病に倒れた旧友を見舞い「記憶」の意味について語り合う『手摺りを伝って』など、9篇を収録。
僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない…。物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは?そして合作の行方は?書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!
生殖による人口増加が限りなくゼロに近づく中、いまだに子供が産まれている地、チベット・ナクチュ。子供たちの脳波測定のためその地を再訪したハギリは、子供が生まれる理由にある仮説を立てていた。講談社タイガの誇る「Wシリーズ」第三作! 聖地。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下、長い眠りについていた試料の収められた遺跡は、まさに人類の聖地だった。 ハギリはヴォッシュらと、調査のためその峻厳な地を再訪する。ウォーカロン・メーカHIXの研究員に招かれた帰り、トラブルに足止めされたハギリは、聖地以外の遺跡の存在を知らされる。 小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。 プロローグ 第1章 月下の人々 Sublunary people 第2章 月下の営み Sublunary working 第3章 月下の理智 Sublunary intellect 第4章 月下の眠り Sublunary sleep エピローグ
幕末前夜の長崎。日本でただ一人、シーボルトに愛された楠本瀧。間宮林蔵との出会い、鳴滝塾の医師達、娘として生まれるオランダおいね…それらをめぐる人々の百花繚乱の物語は、やがて日本を揺るがすシーボルト事件へ流れていく。