2016年8月19日発売
今さら淀川と祐雨子の関係が気になってしまうこずえ。折悪しくテストの時期になり、しばらく鍵屋への出入りを禁じられてしまう。そんなある日、こずえが通う高校で鍵が絡んだ事件が起きる。淀川のおかげで事件が解決し、テストも終わり、鍵屋への出入りも解禁になったーのに、なぜか淀川がこずえに対してよそよそしい。そこへ、祐雨子を狙うストーカーが現れて…?
誰よりも一所懸命だったせいで、バスケ部内で疎まれてしまった郁は、もうバスケはしないと決意して、知り合いのいない高校に進学した。だが中学時代の郁のプレイを知るバスケ部部長が勧誘してきて!?
京都祇園のお茶屋兼置屋、「鈴乃家」のひとり息子で、市内の高校に通う小野貴史。ある日、自宅の物置部屋で足をすべらせ、目覚めるとなぜかそこは幕末の京都だったー。当時の「鈴乃家」には、小野小町の再来といわれるほどの人気舞妓がいたはずなのだが、実際には廃業の危機に瀕していた。このままでは貴史が生まれないことになってしまう!?タイムスリップ幕末異聞!
1932年、喜劇王チャップリンが来日した。歓迎ムードの裏でひそかに練られる暗殺計画。彼の命を救うため、安吉一家が動き出す! 仁義を重んじる伝説の夜盗たちの痛快ピカレスクロマン。(解説/水谷 豊)
女に学問はいらないという風潮が残る明治初期、医学の道を志した女性がいた。日本最初の女医・荻野吟子である。夫に膿淋をうつされた屈辱と痛みから、同じ悩みをもつ女性を救うべく、かたくなな偏見と障害を乗り越え、医師の資格を取得し、医院を開業。やがて、婦人問題に取り組む社会活動にも参加していく。数奇な運命に満ちた愛と苦悩の生涯を医師出身の著者が、情熱と共感をもって描く評伝小説。
千鶴は冴えない大学二年生。ある日、父から「双子の嗣美が怪我をした」という突然の連絡が。駆けつけた先は、なんと映画の撮影現場だった。そこで美作という女性スタントマンに出会った千鶴は、成り行きでスタント・チームに所属することになるー。幼い頃の火事の記憶、母親との葛藤、姉妹の確執を乗りこえて成長していく、一人の女性の物語。共感と感動と癒しの青春×家族×お仕事小説!
水野忠政の娘お大は十四歳で岡崎城主松平広忠に嫁ぎ、嫡男竹千代を産む。だが、実家が織田方に寝返ったため、離縁され、幼い息子と生き別れた。久松俊勝と再婚後、竹千代が、今川義元方へ人質に出されることを知る。わが子の無事を祈るお大は、命がけの行動に…。戦なき世を願う母と、その願いを果たすため天下人家康となった息子。知恵を尽くして戦乱の世を生き抜いた女の波瀾万丈の生涯。
元和元年(1615年)、押し寄せる20数万の徳川の大軍。大阪城“真田丸"で、十勇士に告げた。「この幸村に、生命をもらいたい」……滅びゆく者に栄光を。伝奇ロマンの傑作、全3巻完結!(解説/高橋敏夫)
サニーの父は警察官だったが、突然、拳銃で自殺した。自分は警察の内部情報を犯罪組織に売る内通者だった、という遺書を残して。気落ちした母も後を追うように亡くなり、サニーは薬物におぼれ…そして今、刑務所にいる。あらゆる収監者が、サニーには心を開き、秘密を打ち明けるのだ、まるで懺悔をするように。サニーの父の死の真相を知る者がそれを明かしたときー凄絶な復讐劇の幕が開く!
警戒厳重な刑務所から脱獄し、父を陥れ自分を騙した者どもを次々と殺していくサニー。一方、オスロ警察のベテラン警部シモンは、このところ続く殺人が実は連続殺人で、そこには隠された規則性があることに気づく。また、犯罪組織側も、サニーを消すため追い始めた。警察と犯罪組織、双方に追われながらサニーは復讐を完遂できるのかー。現在の北欧ミステリーを牽引するネスボの渾身作!
『不思議の国』『鏡の国』『子ども部屋』アリス3作を収録! 妖精姉弟が活躍する長篇『シルヴィーとブルーノ 正・続』(抄)など、不可思議でナンセンスなキャロル・ワールドの精髄。(解説/鴻巣友季子)
母や夫に気に入られるようにと生きてきたポピー。熱烈な恋の末に結婚したはずなのに、夫との間には隙間風が吹いている。だが、自らの人生を生きること、自分から愛することの大切さに気付くと……。
同窓会の幹事、久保健一、40歳。谷口香織、藤井哲也、青木久美子ほか、出席の返事をくれたみんなに会えるのを楽しみにしていたのに、時間になっても誰も来ない。みんな、どうしたんだろう。そのころ“みんな”は、のっぴきならない事態に直面していた。ある者は逃げ、ある者は窮地に立たされ、決断を迫られていたのだった。人生の分かれ道にいるあなたの背中を力強く押してくれる、人生応援小説。
中国きってのユーモア作家が描く現代中国の素顔! 「潘金蓮」とは? 『水滸伝』『金瓶梅』に登場する、通説では架空とされている女性。 『水滸伝』では、炊餅(蒸し饅頭)売り・武大の妻として登場。 絶世の美女だが性欲・物欲・向上心が強く、 夫を殺して情夫との淫蕩にふける典型的な悪女・淫婦である。 『金瓶梅』では副主人公として描かれ、彼女の名の頭文字が 作品の題名の一文字目として使われている。 本作は、范氷々(ファン・ビンビン) 主演で、 9月に中国で公開予定の映画『私は李雪蓮』の原作です! 本作のヒロイン、李雪蓮は、一介の農村婦人でありながら、 権力にも世俗的な成功者にもまったく臆することなく、 自分が納得いかないことには決して巻かれず、 理不尽な夫や地域の権力者たちに立ち向かう。 あの手この手で彼女を懐柔しようとしたり丸め込もうと する自分の利益しか考えないせこい役人たちの思惑を しっかり見抜き、 自分は、「潘金蓮じゃない」と言って、 自分の足でしっかり生きていくそのたくましさに、 読者は思わず喝采を浴びせたくなる。 独りっ子政策の行き詰まりや、保身に走る役人たちの 滑稽さなど、現代中国の抱える問題点をユーモラスに描く、 劉震雲の傑作長編小説、ついに翻訳なる! 前作『盗みは人のためならず』も併せてお読みください。