2016年9月2日発売
天下は豊臣から徳川へ。度重なる不運の末、あえなく伊賀を追い出され、京でぼんくらな日々を送る“ニート忍者”風太郎。その運命は一個の「ひょうたん」との出会いを経て、大きくうねり始める。時代の波に呑みこまれる風太郎の行く先に漂う、ふたたびの戦乱の気配。めくるめく奇想の忍び絵巻は、大坂の陣へと突入する!
和議成立ののち、平穏な日々が戻ったのも束の間、血なまぐさい因縁が風太郎を追い立てる。やがて訪れる最後の大決戦。燃え盛る大坂城目指し、だましだまされ、斬っては斬られ、忍びたちの命を懸けた死闘が始まる。崩れ落ちる天守閣、無情の別離、託された希望。圧巻のクライマックス。万城目学、時代小説でもお構いなし!
いったいどうすれば、あの男にこれ以上惹かれずにいられるのだろう 銀座の老舗真珠店に勤務する32歳の真奈。 女性上司に敵視されつつも仕事は充実し、私生活では年下の恋人と半同棲生活を送っていた。 ただ、出張先のタヒチで彼女を待っていたのは、元彼との再会だった──。 抑えようとしてもなお、2人の男の間で揺れる心。 生命力あふれるタヒチという土地の力が真奈をかえてゆくのか。 珠玉の恋愛長編を、ブルボンヌさんが解説。 心と軀(からだ)のリミッターが外れる……
江戸っ子に大人気のらくだの見世物。駿太郎にせがまれて、小籐次もおりょうやお夕一家とともに見物に出向いた。そのらくだが二頭、何者かに盗まれたうえに身代金を要求された!興行主に泣きつかれた小籐次はらくだ探しに奔走するが、思いがけず己の“老い”に直面する事態となる。新たな局面を迎える、好評シリーズ第6弾!
気鋭の特捜検事、冨永真一。宇宙開発の最前線に飛び込んだ若き女性研究者・八反田遙。ある汚職事件と、親友の失踪が二人をつなぐ。そして炙り出される、戦後政治の闇と巨悪の存在。正義を貫こうとする者を襲う運命とは!?雄渾な構想と圧倒的熱量で頁を捲る手が止まらない!真山仁の超弩級謀略小説を文庫化。
日本橋・白木屋の土地は自分のものだと、老婆が鏡三郎に訴え出た。とはいえ証拠の書類は焼失したという。だが、背後には怪しい浪人が軍師として付いている様子だ。その浪人、柴田帯刀は凄腕の剣の遣い手のうえ、やけに金回りもいい。果たして柴田の正体は、そして白木屋の土地は本当に老婆のものなのか?人気シリーズ第8弾。
不思議なモノ、コトが生息するこよみ村。村長の娘・湯木奈央とボーイフレンドの溝江麒麟は今日も怪事件に首を突っ込む。こよみ村中学の女王・麗華の陥落、「予言暦」盗難事件、湯木家の天敵・三人の大叔母が村の古屋敷で暮し始めるお話。怖いけれど愛しい、そんな「予言村」の世界にようこそ。シリーズ第三弾。
大企業のサラリーマンから、憧れの私立探偵に転身を果たした仁木順平。事務所で暇をもてあましていた彼の前に、真っ白な猫を抱いた桜色のワンピースの可愛らしい少女が迷いこんでくる。探偵助手志願の美少女・安梨沙とコンビを組んだ仁木のもとに様々な事件の調査が舞い込む。心あたたまる七つの物語。
イジメが嫌で高校に行かなくなった岡本瑛太。そんなとき、父親は自分の店である鍵屋の仕事を手伝わせた。意外とこの仕事に向いていた彼は、父親が亡くなった後、家業を継いだ。借金付きで…。ある日、近所に大手の鍵チェーンが出来て、経営が苦しくなったところに、やばい人とのトラブルから、とんでもないことをするハメに…。何をやってもついてない真面目男に、未来はあるのか?
津川雪彦警部補五十八歳。通称パー課こと捜査八課のいなせでダンディなスチャラカ刑事が、本庁の女性刑事たちも交えて、あわや下ネタなケシカラン事件に立ち向かう。世田谷の高級住宅街で起こった窃盗団がらみのハレンチ案件は、現職大臣の孫の誘拐事件をなしくずしに解決。かと思いきや四十数年前の薬物事件にまで広がりを見せた!?抱腹絶倒、痛快淫乱、著者独壇場の警察官能小説登場!
かつて「日没のない国」と謳われた神聖ローマ帝国だが、度重なる戦争で領土を失い、衰退しつつあった。オーストリアと名を変えた帝国を治めるハプスブルグ家の第三皇子に嫁いできた美しく聡明な王女ゾフィー。思い描く帝国の復興とは裏腹に、伝統と格式が重く彼女にのしかかる。しかし、ナポレオンの息子フランツとの出会いが…。変革の波が押し寄せる十九世紀の欧州を舞台に描く史劇。
因縁の敵手、久世家剣術指南役・横山佐十郎から音無黙兵衛に届いた果たし状。修行を経て他を寄せ付けぬ強さを身につけた男との闘いを前にして、伊之助は黙兵衛の身を案じる。そんな伊之助に黙兵衛は己の出自、なぜ今まで「無言」だったのかを旧知の人間を介して知らせるが…。己の生きる意味を切先に託した者同士の一戦。紙一重の攻防が始まる!大人気「無言殺剣」シリーズ第六弾。
なんで俺、死んじまったんだ!?突然現れた小娘と黒猫に雷を落とされた、公安刑事の江神一輝。統子とクロスケと名乗るコンビは天からの“お迎え係”で、雷を操ることができるという。しかし一輝に落とした雷は手違いで、うっかり強めで殺してしまったらしい…。そんな折、頼まれ屋をやっている一輝の弟からヘルプが。一輝を死なせちゃったおわびに、ちびっこたちは事件解決に乗り出す。
本草学を修め、研究の傍ら、戯作を書くなど幅広く活躍する平賀源内。元は讃岐藩士だが、家督を妹婿に譲り、江戸へ出て、神田の長屋で自由気侭に暮らしている。ある日、源内の名を騙った粗悪な櫛や簪が出回り、それを買った女たちから、苦情が殺到した。憤慨した源内は、同じ長屋に住む岡っ引きの娘や大工たちの協力を得て、真相を解明するため奔走するが、犯人が見つからず…。
夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることにー。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作が待望の文庫化!
“警察が治安を守り、教師を教育に専念させる”学校内警察制度。アメリカや韓国に次ぎ、日本初のスクールポリス・嶋田隆平が赤嶺中学にやってきた。嶋田は独自の職務理念を貫き波乱を起こしながら、セクハラ、ネット晒し、ストーカーなど学内に潜む問題を次々と暴いてー。
この路地を曲がったら、そこはもう、すこし不思議な世界の入口ーー。どこかなつかしい気配が漂う架空の町・明日町の「こんぺいとう商店街」に、人気作家たちが個性あふれるお店を開店する、ほっこりおいしいアンソロジー。ポプラ文庫の人気シリーズ第3弾が文庫オリジナルで登場です! 今回、お店を開く作家は全部で7人。人気のベテランから注目の若手まで、読みごたえのある物語が揃っています! 大島真寿美「カフェ スルス〜一年後〜」/越谷オサム「ブティックかずさ」/青谷真未「エステ・イン・アズサ/秋山浩司「明日の湯」/島本理生「ドイツ料理屋『アイスバイン』」/加藤千恵「多肉植物専門店『グリーンライフrei』」/彩瀬まる「赤城ミート」
「萱草の花をあしらった簪」を借りにきた美しい女ー本店の主、清五郎となにやら関係を持つ女らしい。お庸が疼く気持ちを抑えながらも、機知を働かせ要望に応えようと奮闘する「萱草の簪」。手代の松之助に忍び寄る影、隠された過去がお庸を巻き込む「秋時雨の矢立」など。貸し物屋・湊屋出店を舞台に、口は悪いが情に厚い、店主お庸の活躍を描く五編。文庫書き下ろし。