2017年発売
運動会、合唱祭、学芸会、遠足、大切な日に限って発作が。おかげで学校にちょっと馴染めない。勉強も運動も不得意だ。こんな私でもおとなになれるかな?悩める中高生におくる青春小説。
「あたしには生きる価値なんてない」容疑者として札幌に送り届けた少女の言葉が気になった亀山薫は、彼女が犯罪に走った理由を調べ始める。しかし、何者かに襲われ、雪原に置き去りにされてしまった!薫を追ってきた右京は事件を追ううちに、十年前に起きた殺人事件に端を発する悲劇に直面する。
刹那にリアルを感じる美しい妹・杏と、規律正しく行動する聡明な姉の理有。二人が「共有」する家族をめぐる「秘密」とは?姉妹にしか分かりえない濃密な共感と狂おしいほどの反感。スピード感と才気あふれる筆致がもたらす衝撃のラスト!
黒田みつ子、もうすぐ33歳。一人で生きていくことに、なんの抵抗もない。だって、私の脳内には、完璧な答えを教えてくれる「A」がいるんだから。私やっぱり、あの人のこと好きなのかな。でも、いつもと違う行動をして、何かが決定的に変わってしまうのがこわいんだー。感情が揺れ動かないように、「おひとりさま」を満喫する、みつ子の圧倒的な日常に、共感必至!同世代の気持ちを描き続けてきた、綿矢りさの真骨頂。初の新聞連載。
父に音楽を反対され、家出したミュージシャンの兄ジン。父の想いを受け、歯医者を目指す浪人生の弟ヒデ。メジャーの世界で挫折したジンは、仲間と共に音楽の魅力に引き寄せられている弟を見て、才能を確信する。二つの夢の間で苦悩するヒデに、ジンはある提案をして…。
国際的犯罪組織のリーダー、レイブンを追うマーク・リュウの警護を託された特命係の杉下右京と冠城亘。レイブンは七年前、在英日本大使館の参事官の屋敷で起きた集団毒殺事件に関わっていた。唯一無事だった令嬢の瑛里佳も誘拐され行方不明になっている。そんな折、瑛里佳の姿とともに九億円の身代金を要求する動画がレイブンから届く。「拒否すれば、大勢の人々の見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」-国に見捨てられた少女を救い、卑劣なテロを阻止するべく正義を賭けた闘いが始まる。「相棒」史上最大の危機の先に映画とは異なる結末が待ち受ける!
騙した奴から奪い取れ! コンゲーム小説 蟹江静子は、老人ホームに入るために貯めた1千万円を、遠藤を首領とする詐欺グループに騙し取られてしまった。それを知った八原みちるは、蟹江に金を取り返そうと提案する。みちるは、以前悪人をターゲットにして金を奪っていったた詐欺師だった。 昔の仲間を集めて動き出したみちるが、遠藤に持ちかけるのは投資事業。バイオ発電に金を出させて、遠藤の分も奪おうと言うのだ。そこに、みちるを昔から追う警視庁の染田刑事が身辺を嗅ぎ回ってきた。さらに、謎の女性“河原崎聖子”が登場! 一体勝つのは誰なのか。 ミステリー界の奇才による、書き下ろしコンゲーム小説!
事件・事故現場を専門とする清掃会社で働く桃子は、現場に遺された想いに感応する特殊能力の持ち主だ。しかし、肝心である事件の真相まではわからないという半端な能力のため、常に同僚達の協力が必要だった。そんなある日、桃子は死んだ父親の想いに触れ、完全な能力「素敵なサムシング」を手にする。その能力を利用し、清掃業務に加え「失せ物探し」のサービスをはじめたクリーニング宝船は業績絶好調。役者志望の重男にもテレビ出演のチャンスが訪れる!しかし、桃子と会社を襲う危機が着実に迫っていた。笑って泣ける新感覚ミステリ、シリーズ堂々完結。
思い出の「食」を捜していただけなかったら、私はずっと過去ばかりを追いかけてしまっていたと思いますー。京都東本願寺近くの鴨川食堂には、今日も人生の迷い人が訪れる。司法試験合格を目指して上京する日の朝に飲んだ味噌汁、大事な約束と一緒に贈られたおにぎり、道ならぬ恋の思い出となった豚のしょうが焼き、酸っぱくないお祖母ちゃんちの冷やし中華、弱小野球チームに食堂のおっちゃんが振る舞ってくれたから揚げ、幼い息子と最後に食べたマカロニグラタン。板前の父と探偵の娘がお迎えする、看板のない食堂にようこそ。美味しいミステリー第四弾!
組ご法度の覚醒剤取引に手を出した若頭が名古屋・栄で爆殺された。背後には、バハマリークスに端を発する国際金融の闇がー。英国のEU離脱、アメリカ大統領選と、意外な結果に終わった“国家簒奪”の波は、どこに向かうのか。日中韓のマフィア勢力図が激変するなか、公安のエース・青山望は国家の敵を追う。絶好調シリーズ第9弾。
だれもが憧れる街、銀座。そこには恋も、挫折も、野心も、生きがいもある。なにかを期待するから、この街に男も女も引き寄せられ、なにかが起こるから、人生は彩られていく。銀座は、何気ない日常の中の特別な舞台ー。「銀座百点」で好評連載された33のショートストーリーに、撮り下ろしの写真を多数収録。宝石箱のような一冊。
高校入学を控えた草食系男子の悠太は、アクシデントに見舞われ1979年にタイムスリップ。父の剛志郎として高校に入学するハメに。しかしそこはヤンキーどもが跋扈する、超底辺校だったー!コワくて愉快な仲間との出会い。ヤンキー女子の恋。70年代テイスト満載、あの時代を知る人も知らない人も爆笑感涙の青春小説。
ほの明かり久慈行灯の製作指南と、手代の浩介の婿入りが決まったことを報告するため、小籐次は久慈屋の面々と水戸に向け旅立った。だが密かに主の座を狙っていた古参の番頭・泉蔵が激しく反発し、一行を襲おうと画策する。一方、金座に押し込んだ賊が水戸街道に逃げ込んだという。たび重なる危難に小籐次はどう立ち向かうのか。
「どうした?噛まれたか」「はい」文四郎はためらわずその指を口にふくむと、傷口を強く吸った。無言で頭を下げ、小走りに家へ戻るふくー。海坂藩普組牧家の跡取り・文四郎は、15歳の初夏を迎えていた。淡い恋、友情、突然一家を襲う悲運と忍苦。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士の姿を描いた、傑作長篇小説。
不遇感を抱えながら、一心に剣の稽古にはげむ文四郎。18歳の秋、神社の奉納試合でついに興津新之丞を破り、思いがけない人物より秘剣を伝授される。前途に光が射しはじめるなか、妻をめとり城勤めに精をだす日々。そこへ江戸にいるお福さまの消息が届くー。時代を越えて読み継がれる、藤沢文学の金字塔。
渋谷の居酒屋でバイトをする女子大生・詩乃は、閉店作業中に四十歳独身の女性店長とともに業務用冷蔵庫に閉じ込められてしまう。当初は偶然の事故かと思われたが、なぜか冷蔵庫内の温度が徐々に下がっていく。誰かが扉の外で操作しているのか。いったい誰が、何のために…。命の危機を感じた二人は、犯人の心当たりを探すためにそれぞれの秘密を明かしていくがー。「極限」シリーズ第二弾。
本能寺の変で信長さまがーこれはピンチか、はたまたチャンスか!?天正十年(一五八二)六月、驚天動地の事態に右往左往する信長の息子・信孝、家臣・滝川一益と堀久太郎、敵将・安国寺恵瓊、側室・おなべ…思わぬ出来事に接したときほど、人間の本性はさらけ出されてしまうもの。大きな岐路を前にとまどう男たち、女たちを温かい視点で描いた、共感たっぷりの連作短編集。
直心影流の達人坂崎磐音の嫡子空也は十六歳で武者修行の旅に出た。向かったのは他国者を受け入れない“異国”薩摩。そこに待ち受けるのは精霊棲まう山嶺と、国境を支配する無法集団の外城衆徒。空也は名を捨て、己に無言の行を課して薩摩国境を目指す。出会い、試練、宿敵との戦い…若武者の成長を描いた著者渾身の青春時代小説が登場。