2017年1月16日発売
笑いあり涙あり、「猫弁」著者の新たな傑作 弁当屋の看板娘、おたふく顔の原之内菊子には特殊な能力がある。その顔を見た者は皆、”自分語り”が止まらなくなってしまうのだ。 弱小編プロ「三巴企画」の戸部社長は、菊子の力に惚れ込み、インタビュアーとして採用する。ただ頷いているだけで次々に特ダネを取ってくる菊子だが、ヤクザの組長の取材をしたことから、とんでもない事件に巻き込まれてしまいーー!? 大ヒット作『のぼうの城』『超高速!参勤交代』などを生んだ城戸賞でデビューし、累計40万部を超える『猫弁』シリーズで熱烈なファンをもつ大山淳子の新たなる傑作。 笑って、ほっこり癒されて、最後はホロッと涙が出る。前代未聞の”おしゃべり小説”! 【編集担当からのおすすめ情報】 コテコテ関西人の戸部社長、東大卒で文学オタクの桐谷くんという「三巴企画」の仲間のほか、個性的で愛すべきサブキャラクター達のやりとりが最高に楽しい! 『にんじん』『ライ麦畑でつかまえて』『赤毛のアン』など、名作があちこちに登場するのも本好きにはたまらない魅力です。
脚本界の名匠、入魂のエンタテインメント巨編 「年上の女が憧れなんスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 周囲の大事な人が次々と死んでいったことから、死神と呼ばれてきた人妻、斎(いつき)。冷え切った夫との生活に倦んでいた時、しなやかでいて荒々しい筋骨と濃密な体臭をまとった男・志田に出会う。 思いがけず落ちた年下男との恋、そして第三の男の登場。天国とはかくやと酔いしれる斎。しかしその恋と性愛が巻き起こしたさざなみは、次第に大波となって、裕福な病院長一家に集う女たちを巻き込んでいくーー。その果てに惨劇と憎悪の宴が幕を開けた! 氾濫する美意識と諧謔で描く、生と性、死と詩のジェットコースター・ロマンス小説。週刊文春連載で読者を唖然とさせた作品が大幅改稿のうえ満を持して登場! 第一章万引き青年 「年上の女が憧れなんっスよ。駄目ですか。ラブしてくれませんか」 第二章病棟の魔女 「わたしたち親子の絆は誰が断ち切ろうとしたって、ぶっちぎれやしない」 第三章天国へ行きたい 「奥さん、天国に行こう。おれたちもあっちの世界へ行こう」 第四章喪服の似合う女 「わたしは愛する人を食い殺してしまう死神なのよ」 第五章黄金のペンダント 「こっちのオッパイは潮のもの、こっちのオッパイはおれのもの」 第六章血の婚礼 「結婚しても、もうぼくは誰ともセックスはしない」 第七章超常現象 「恐ろしいばかりの因縁の符号。これは尋常のことではございません」 第八章棺の中の天国 「お殺しになるんなら、斎じゃありませんの。全ての元凶はあの死神女なんですから」 第九章万引き青年ら天上に達す 「あんまりじゃないの。これが霊力の正体だとでも言うの」
「不謹慎」「不健全」「奇怪」「退廃的」…世紀末、すべては賛辞の裏返し。その悪徳とスキャンダルで時代の寵児となった作家オスカー・ワイルドと、イギリス画壇に彗星のごとく現れた夭折の天才画家、ビアズリーの愛憎を描く。
コーヒー陶と和食器の店「小蔵屋」の敷地に、山車蔵を移転する話が持ち上がった。祭りの音が響く真夏の紅雲町で、草は町全体に関わるある重大な事実に気づくー日常の奥に覗く闇にドキリとする、シリーズ第5弾。
犯人は、水底から現れて、水底へ消えて行った。ある大雨の夜に殺された冴えない中年男。不倫相手の妄想女、残された妻子、そして男の家族の苦い思い出となった、キャンプでの出来事…。事件の周縁をなぞるような捜査は、決して暴いてはならない秘密をつきとめる。女たちの心の奥底にうずまく毒感情が、少しずつ溢れ、歪み、凶器となって、人の命を奪うまでを描いた、イヤミスの衝撃作!
熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、戊辰戦争によって傷ついた会津若松城を見上げ、学問を用いてこの国を豊かにすることを誓う。やがて欧州各国の法律を学び帰国した多久馬は、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。多久馬は岩倉具視や伊藤博文などの理解者と憲法草案の研究を進めるが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する…。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!!