2017年10月26日発売
県立青嵐高校サッカー部の武井遼介は、2年に進級してもAチーム入りが叶わず、Bチームでもがいていた。県3部リーグ優勝を目標に戦う中、遼介はチームのエース・上崎響と試合中に口論となり、衝突してしまう。上崎は、サッカーに対して迷いを抱えていた。インターハイでは、スタンドで応援役にまわる遼介らBチームの部員たち。Aチームのために声を嗄らし、練習を重ねた応援歌を熱唱するが、遼介の胸には、このままでは終われない、という気持ちが強くなっていきーー。
関東某所、切り立った河岸に建つシェアハウス「スツールハウス」。若者たちがひととき、腰かけるように住み、旅立って行く場所。新築時からの住人で、「スツールハウスの主」と呼ばれる女性、鶴屋素子。彼女がいた様々な時期に、ハウスのいろんな場所で生まれた、様々な謎。それらが解かれたとき、彼女の衝撃の秘密が明かされる…。「戻りたいあの頃」があるあなたへ贈りたい、胸がぎゅっと切なくなる青春ミステリ。
胸があまく苦しくときめく、そんな恋を、していますーー7組の男女が織りなす胸キュンなストーリーが話題のWEB発コミック『青春カフェテリア』。読むと恋がしたくなる、原作とリンクする珠玉の短編小説集が登場!
人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説 奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。 結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。 夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。 一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。 隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 著者の藤岡陽子さんは、長年看護師として働き、人の生と死を常に見つめ続けてきた方です。今回、この本の執筆にあたり、実際に京都の丹後地方で僻地医療に奮闘されている医師の方を取材し、物語に厚みとリアリティと熱が注入されました。 33歳、夫に棄てられ故郷に戻り、看護師として働き始める女性。その母親を一番近くで支える10歳の涼介。父親の入院をきっかけに出会った、孤独と寂しさを抱える35歳の医師。そして、人生をあきらめ、死を待っている72歳の女性。この4人が出会い、物語を動かしていきます。 誰もが心に傷を抱え、辛いことや悲しい思いを乗り越えて、生きていく。この物語は、それぞれの成長譚であると同時に、もっともっと根本的な、生きること、死にゆくことに思いを巡らせるきっかけを与えてくれます。人のすべて。人生のすべてを温かく、小さな小さな希望ととらえることができるようになる、そんな一冊です。 満天のゴール 目次 1│ 帰郷 5 2│ 不穏 29 3│ 暗転 46 4│ 覚悟 67 5│ 決意 93 6│ 後悔 119 7│ 葛藤 138 8│ 宿命 156 9│ 過去 177 10│ 告白 190 11│ 別離 206 12│ 傷跡 224 13│ 思慕 241 14│ 真情 267 15│ 永遠 278 16│ 星空 289
詩人で絵本作家の笹原、画家の石黒、40代後半の美しい珠代という名の女性の三角関係を描く長篇小説です。笹原は編集者に紹介され石黒と出会います。二人はたまたま中学の同級生であると分かり距離が縮まっていきます。石黒は愛想は極めて悪いが憎めない魅力的な男です。一冊の絵本を一緒に仕上げますが、その後、石黒は突然仕事をすべてやめてしまった。石黒は若年性アルツハイマーを病んでいるのでした。そして、ナックルボールを投げることだけに異常に執着します。ナックルボールを仲立ちにして、マドンナたる珠代に出会った二人は、まったく違ったように仲良くなのでした。笹原はじりじりしながら友人と珠代の間を行き来しますが、ある日石黒は失踪してしまい、笹原と珠代は必死で石黒を探し始めるのでした。中年男女三人に遅れてやってきた青春を描く、さわやかで感動的なドラマです。
「探偵さん、その話、よければ僕に話してくれませんか?」舞台はドイツ。探偵カールがクリスマスの夜に出会った、謎の男とは…?心温まる聖夜の奇跡。伊坂作品のエッセンスすべてが凝縮された、心温まる物語。かつての子どもたちへ、これからの大人たちへ。