2017年10月29日発売
ポンド氏の逆説ポンド氏の逆説
温厚で小柄な紳士ポンド氏には、穏当な筋のとおった談話の最中に奇妙な発言をまじえる癖があった。二人の意見が完全に一致したために片方がもう一人を殺した。背が高すぎるが故に目立たない……など、辻褄の合わないポンド氏の発言が明らかにする不可思議な事件の真相。巨匠自らが逆説集と銘打った、珠玉の短編集。「黙示録の三人の騎者」「博士の意見が一致する時」など全八編を収録。
絞首台の謎絞首台の謎
不気味なまでに精巧な絞首台の模型。この面妖な贈り物を端に発して、霧深いロンドンに奇怪な事件が続発する。喉を掻き切られた死者を運転席に乗せて疾駆するリムジン、十七世紀に実在した絞首刑吏〈ジャック・ケッチ〉の名前を差出人にして届く殺人予告、そして霧のなかから現れる幻の街〈破滅街〉--悪夢の如き一連の怪事件に、予審判事アンリ・バンコランが挑む。横溢する怪奇趣味と鮮烈な幕切れが忘れがたい余韻を残す長編推理。
ピーター卿の事件簿ピーター卿の事件簿
ミステリの女王セイヤーズが創造したピーター・ウィムジイ卿は、従僕を連れた優雅な貴族探偵として世に出たのち、作家ハリエット・ヴェインとの大恋愛を経て人間として大きく成長し、古今の名探偵の中でも屈指の魅力的な人物となった。本書はそのピーター卿の活躍する中短編から「鏡の映像」「盗まれた胃袋」「銅の指を持つ男の悲惨な話」「不和の種、小さな村のメロドラマ」等、絶妙な話術が冴える7編の秀作を選んだ短編集である。
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