2017年10月6日発売
東京五輪プレマラソンで、自爆テロが発生。現場では新開発の人工血液が輸血に使われ、消防士の向井圭吾も多くの人命を救った。しかし同日、人工血液が開発された病院で圭吾の妹が急死する。医師らの説明に納得いかず死の真相を追い始めた矢先、輸血された患者たちも圭吾の前で次々と変死していくーー。胸に迫る、慟哭必至の医療ミステリ。
介護士の彩はある日、余命三ヶ月の末期がんに冒された資産家老人・雄吉の介護に訪れる。雄吉に見初められた彩は、高級マンションの譲渡を条件に男女の関係を結び、残された日々に心身を捧げる。しかし奇跡的に雄吉のがんが消えたことを知った彩は、バッグの中からある物を取り出しー。心の奥に潜む“欲”が交錯する傑作サスペンス。
自動車販売会社で働く石田真人は、社内結婚の妻・紗栄子と平穏な日々を送っていた。しかし同じタワーマンションに住む玲子と出会い、人生が狂い始める。社長から支店勤務を命じられ、妻の莫大な借金が発覚。さらに本社の不正疑惑をリークしたと疑われーー。果たして石田の周りで何が起こっているのか?幾重にも張られた“罠”の目的とは。
高校三年の冬、自殺した青年が遺した日記には女教師との愛欲、妹の同級生との交歓、喫茶店店員との恋愛遊戯が綴られていた。半信半疑の妹がその登場人物に会いにいくと、彼女らは殺人、事故など次々、酸鼻な事件に遭遇していた。市内で毎年大晦日の夜に起こる女性殺害事件と関連は?そして、つねに現場に出現し語りかける謎の男〈計測機〉とは誰か。
元刑事で今は人材派遣会社の調査員として働く星村真一はある日、厄介な交渉役を頼まれた。銀座のクラブへ派遣した女が自殺し、クラブ側から損害賠償を要求されているという。早速、自殺の真相を探る星村だが、接触したホステスが何者かに射殺され、自身も襲われてしまうーー。何故、女は非業の死を遂げたのか?人間の欲と業を炙り出した傑作長篇。
警視庁の犯罪情報管理システムが、何者かに破壊される。さらに、同一犯らしき人物から大手企業幹部たちに脅迫状が届く。姿見せぬ犯人に捜査が混乱する中、公安部の寒川警部補は新米エリート刑事の丹野と組むことに。自らの足と勘に頼る寒川の捜査方法に、反発する丹野だったが……。世代もキャリアも異なる二人が、巨悪に挑む緊迫のミステリー。
2011年3月11日、巨大地震発生。志願し被災地に赴いたベテラン記者・大嶽が遭遇したのは、想像を絶する惨状だった。行方不明の新人記者捜索という特命を受け、記者の誇りと存在意義を賭けた日々が始まる。そんなある日、地元で尊敬される男が凶悪事件と関わりがある可能性に気づき……。読む者すべての胸を打ち、揺さぶる衝撃のミステリ!
両国の稲荷長屋で金貸しを営むおたつ婆は、口は悪いが情に厚く、困っている人を見過ごせない性分。ある日、常連客の弥之助が身投げを図ろうとした女を連れてくる。訳も訊かず寝食を与えるおたつに、女は自身の過去を語り始めるが……。誰の身の上にもある秘め事。それらを清算すべく、おたつと長屋の仲間達が奮闘する書き下ろしシリーズ第一弾。