2017年12月21日発売
「部長の発言、訴えてもいいんですよ」。「殿山缶詰」の若手社員、飯尾、佐山、多賀井の3人は、日頃の鬱憤を晴らそうと「裁判」「慰謝料」などの言葉をちらつかせ、部長の久保見を謝らせることに成功する。これをきっかけに社内では部下が上司を訴える事態が頻発。容認できない課長の楠木、寺石たちは、弁護士をバックにつけ反撃を開始した。そんな中、会社が買収されるかもしれない事件が起こって…。実用ビジネスノベル!
大学生の那由多は、祖父の形見のカメラに導かれるように、人外が跋扈する別世界『華舞鬼町』に迷い込み、狭間堂と名乗る青年と出会う。祖父のカメラには不思議な力があったのだ。ある日、西新井大師の風鈴祭りに出かけた那由多は、友人と共に異界に迷い込んでしまう…。他に「渋谷駅で出会った不思議な老人」「桜の名所飛鳥山公園の季節外れの花見の謎」等。早くも大人気、東京の名所で起こる妖しくレトロな謎とき物語。
時は幕末。西洋式兵術の導入を進めていた秋月藩執政・臼井亘理は、ある夜、尊攘派により妻もろとも斬殺された。だが藩の裁きは臼井家に対し徹底して冷酷なものだった。息子の六郎は復讐を固く誓うが、“仇討禁止令”の発布により、武士の世では美風とされた仇討ちが禁じられてしまう。生き方に迷い上京した六郎は、剣客・山岡鉄舟に弟子入りするがー。時代にあらがい、信念を貫いた“最後の武士”の生き様が胸に迫る歴史長篇。
エジプト発掘調査のハイライト、王家の墓に埋葬されていた石棺の中にあったのは、死後数ヵ月のミイラ状死体だった!そして、考古学者の峰は何者かの襲撃を受ける。危うく難を逃れたが講演先のパリへ向かう飛行機が砂漠に墜落し、徒歩でオアシスを目指すことになった。同行者は美貌のベリーダンサー・シャリファ、粗暴で残酷なアフマド。何かを思い詰めている技術者の永井、飛行機オタクのエリック、不気味な呪術師。誰もが謎を抱え、次々と危険なカードを切ってくるーやがて一行は分裂し、巻き込まれた戦闘の中で峰は、永井の過去と真実の使命を知る。果たして「サハラの薔薇」とは何なのか。それが未来にもたらすものは!?
警視庁捜査一課の郷謙治は、刑事でありながら、警視庁剣道部で研鑽を積む剣士。豊島区池袋で3件の連続放火・殺人事件が発生し、郷は捜査に駆り出されることになる。放火現場はいずれも社会保険労務士の関係各所で、焼死したのは労務士の小田原誠だった。相棒の竹入とともに小田原の過去を洗う郷は、小学校時代の「いじめ」に注目するが…。郷の見立ては果たして事件の本線なのか。気鋭の著者が挑む、書き下ろし警察小説。
作家だった実の父と死別し、母親の再婚とともに引っ越しを経験した小学6年生の優真。ある日、なじめずにいた義父の海外赴任が決まり、移住先が決まるまでのいっときを大好きな叔父と暮らすことになる。しかし、叔父に連れられて訪れたその家は、“神隠し”の伝承がある森に建っていた。その家で過ごす最初の夜、何かが家の中を徘徊している気配を感じると、不気味な出来事が次々と優真に降りかかりー。
宗田真響の視点で描く、「最終巻」その後の物語。冬休み明け、泉水子と深行の関係が強まったことを知った真響は「チーム姫神」として不安を抱く。折しも大がかりなスケート教室が開催されるが、そこに現れたのは真響の従兄弟克巳だった。彼は、自分こそ真響に最もふさわしい相手だと宣言、彼女に手を差し伸べるのだが…!?(他短編三本収録)
時間や場所を問わず、京大構内で営業を始める「三号館」は、謎を持つ人しかたどり着けないという不思議なバー。妖艶な女マスターは、どんな悩みや謎もすっきり解決してくれるという。四つ葉のクローバータクシー、鴨川の川床、京都水族館、祇園祭…街歩きサークルの遠近倫人は、身近で起こった不思議な出来事の謎を「三号館」に持ち込んでみるが…。季節感溢れる古都で起こる不思議と恋。学生たちのほっこり京都ミステリー。
離婚に傷つきながら娘と二人暮らす、寧。年下の恋人のいるスタイリスト、万起子。口をきかなくなった娘を抱え、スーパーで働く美香。ハイブランドに勤めるみどり。夫を癌で亡くした崇子の店には、晩ごはんを目当てにワケアりの女性が集まってくる。仕事の愚痴、子育てへの不安、熟年再婚の惑い。惑い続ける女性たちの「バツイチ倶楽部」が始まった!つらいことも多いけれど、仲間とごはんがあれば大丈夫。心あたたまる家族と友情の物語。
東京。スターを夢見、全てを失ったこの街で、年を経てもなお美しい男、森田透はたゆたうように生きている。愛憎を越え結ばれたトップスターの今西良は、罪を償うために塀の中だ。彼を想いつつも、長年の理解者でパトロンの島津正彦とともに暮らす。作家として名を馳せる彼との関係は、「愛」ではなく「情」の筈だった。しかし島津がガンに侵され、愛欲の日々が始まって…。時代を切り拓いた天才作家の、遺作にして衝撃の傑作。
ポーツマス講和会議を前に、小村寿太郎は戦略を練りあぐねていた。そんな折、ロシアと接触していたユダヤ富豪、ジョエルが崖から転落。居合わせた美術史講師・石正広は、瀕死のジョエルからパリに電報を打つよう頼まれる。「きみの同胞の命がかかっている」-。ジョエルの屋敷には、一枚の北斎の贋作があった。一方、贋作を描いた日本人画家・塩田はパリで窮地に陥っていた。歴史を変えた一枚の贋作。知的美術ミステリ。
神奈川県警初の心理職特別捜査官に選ばれた真田夏希は、知人に紹介された男性に会うため横浜駅付近の飲食店に向かった。婚活に失敗続きの夏希は、織田信和と名乗る男性に、好印象を抱く。だが、そんな甘い雰囲気を激しい炸裂音が打ち消してしまう。みなとみらい地区で爆発事件が発生したのだ。翌日、捜査本部に招集され、爆発事件の捜査を命じられる夏希。初の事件で戸惑いを覚える夏希の前に現れたのは、意外な相棒だった。
注目の2.5次元舞台『オメガスマッシュ』初日の幕が上がった。役者同期の水口が主役としてスポットライトを浴びる一方、僕はオーディションに落ちた敗者として客席からあいつを見上げていた。その上演中、キャストの1人が忽然と姿を消してしまう不可解な事件が発生する。僕は消えた役者の行方を追うが、そこには、役者であるがゆえの苦悩と真相が潜んでいて…。舞台に青春を捧げる若者たちの、夢と現実が交錯する3つの事件。
思わぬきっかけから、初恋の告白を撮ったドキュメント映画を中学の文化祭で上映することにした雄也たち。10年後、あのときの『初恋シネマ』をもう一度見たいという仲間からの頼みで、雄也は所在不明の映像を探し始める。中途半端に終わった恋の告白や自身の青春と向き合うため、胸に秘めていた初恋相手と再会したとき、何かが変わっていく。誰の胸にも訪れる初恋の嵐と後悔日誌から、大人への扉は開くのか、青春感動ストーリー。
暗闇の中、赤い怪物として目覚めたプロ棋士を目指す塚田は、「青の軍勢」と戦えと突然命じられる。周囲には、やはり怪物と化した恋人や友人たちが、塚田が将となった「赤の軍勢」の駒として転生していた。将棋のようなルールのもと、特殊能力を駆使し、知恵と駆け引きで敵の王将を狙う「赤VS青」、異形同士の七番勝負が始まった。異次元空間で繰り広げられる壮絶な“対局”の行方は?衝撃のバトルエンターテインメント開戦。
不幸な生い立ちから悪事に手を染めるも、親切な絵草紙屋の主人に拾われ店番として更生した千七。物語を楽しむささやかな生活を送っていたある時、茶立女のおゆきと運命的な恋に落ちた!だが直後、おゆきに懸想する御家人崩れの久蔵が、ある裏仕事で入った大金で彼女を落籍してしまった。救出に向かった千七は、諍いの末に久蔵を殺してしまう…。追われる身となった二人の逃避行の行方は?著者新境地の時代恋物語、開幕!
怪物同士の戦いは、力が倍増する昇格を経て、新たなステージに突入した。希望なき破壊ゲームと化す中、赤軍の王将・塚田は、現実世界でも将棋の敵である、奥本率いる青軍との最終決戦に臨んでゆく。恋人・理紗への思い、奨励会での競争と葛藤、探検部との冒険旅行…去来する現実世界での出来事は、この死闘とどう関係しているのか。そして、なぜ戦いの舞台が軍艦島でなければならないのか?慟哭の真相が明らかになる決着編。
兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。人間だけではなく幽霊も常連客という不思議な店で、それなりに楽しく働いている海里だが、近頃気になる事があった。誰かの気配と視線を感じるのだ。気のせいと割り切って、後輩の李英と芝居を観に行った帰り、海里は「シネ」という言葉とともに突き飛ばされる。その犯人は、視線の主である「重い女」の幽霊、フミで…。癒し系お料理青春小説第9弾!
小2担任の鈴木千香は、トラブル続きの翔太に悩んでいた。問題児に詳しい丸先生と出会い、千香はもっと別の接し方があると気づく。子育てに悩む翔太の両親に、丸先生は「発達障害って面白いのよ」と告げた。「大切なのは、原因、行動、結果の3つ。子どもがどんなプラスを得たか、観察して記録すること」。丸先生の言葉を実践した両親と千香は、少しずつ穏やかになる翔太を見て安堵するー。子どもとの接し方を学べる成長物語。