2017年1月発売
荻窪で暮らす劇団員の真希はバイト仲間に片想い中。彼には彼女がいるのに想いを断ち切れない。八幡山で同棲中の絵梨は彼に暴力を振るわれているが、今の生活を手放せない。二子玉川の高級マンションに住む専業主婦の芙美は夫の不倫に苦しんでいる。同じ道沿いに暮らしているのに、恋愛も悩みも人生もみんな違っていて…。幸せへ遠回りしてしまう女性たちの六つの物語。
薄幸の美女りん子に救いを求められた四〇代の作家よう子。心を閉ざしたままのりん子をもてあましていた時、アメリカからやって来た女性の禅マスターに導かれて坐禅をすることに。二人の内面が交差し、失われた恋や、家族の死、コンプレックス、若さへの執着…女の悩みが露呈していく。心には煩悩が渦巻くばかり。足の痺れの先に、光は見えるのか。
総務省消防庁情報局の藤倉克己は、秘密諜報員である。米国CIAとの会合後、祖父のワシントン土産に養毛剤を購入。だが帰りの機内で、いきなり美女に濃厚なサービスを受け、空港で屈強な男に襲撃される。狙いが養毛剤と踏んだ藤倉は、その調査に着手する。だが、次々と魔手が迫り、やがて、謎のロシア美女と恐るべき効能が明らかに…。熱さ伝わるエロス&サスペンス!
商家に押し込み、金品を奪った上に皆殺しー上方を荒らし回った凶賊・蓑虫の鬼三次一味が捕縛された。しかし、その残党が江戸に集結しつつあるという。北町奉行の兄・忠之から合力を請われた忠吾郎は、「相州屋」の面々と一味の炙り出しに乗り出すが、その矢先に悲惨な押し込みが…。怒れる忠吾郎は、凶賊たちに裁きの鉄槌を下すべく、一か八かの罠を仕掛ける!
万能薬で財を成した薬種問屋“讃岐屋”の皆殺しが永尋になり十一年が経った。ある日、戻り舟の二ツ森伝次郎は窩主買から押収した盗品の中に、偶然、讃岐屋の根付を発見、悔恨の情を蘇らせる。引退直前まで追ったが捕縛できなかったのだ。ついに解決の糸口を掴んだかに思えたその矢先、根付を持ち込んだ盗人が惨殺された!?伝次郎は、あの日の雪辱を果たせるのか。
十二歳の信太郎は心が苦しかった。長屋に正吉と父親の弁蔵が越してきた途端、大人達が父子を嫌悪する側と同情する側に分かれたのだ。誰よりものろまに見える弁蔵が、世間体を気にせず我が道を歩くのが大いに気に喰わないらしい。自分の母も二人を毛嫌いするが、信太郎は正吉に興味を抱く。一方、正吉は大人達の仕打ちを意に介さずー真の優しさを問いかける感動作。
ギルデアとの和平交渉が決裂、アトーリスの諜報員ステランは、仲間内に裏切り者がいるとの情報を得て捜査を行う。一方、戦火を逃れてフォーディル村に身を寄せていたリーヴたちは、父の戦死の報を聞き悲しみに暮れていた。迫りくるギルデアの脅威。フィーンの預言者が謳った英雄はどこに?アトーリス王国が極秘に開発する恐るべき兵器とは?風雲急を告げるシリーズ第二弾。
「逃げ切って」。贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃がす。告発するのは自分だというのにー。正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前に踏み出そうとする“変化”。本屋大賞受賞作家が、人の心が織りなす人生の機微や不確かさを、精緻にすくいあげる。正幸のその後とともに、予想外の展開が待つ連作形式の感動作。
流行作家のマンションに集まった、同級生男女たちの思惑は?閉店してしまった地方書店。出版社の若手営業マンは割り切れなかった…。大学の同好会で熱心に絵画制作に打ち込む彼女。同学年の僕は彼女の情熱に…。学園祭で催された降霊会。何か企みがあるのではないか…。路線バスの降車ボタンをめぐる乗客同士の謎の競争。勝者は誰だ?逆行性健忘症で警察に保護された男には、二人の妻がいた!?六編のどんでん返しが、あなたを離さない。
亡き妻の墓参の帰途、四人の若侍に襲われた初老の武士を助けた南町奉行所与力の結城半蔵。奥州上関藩の留守居役遠藤頼母と名乗った初老の武士は「拙者は不忠者」という言葉を残し意識を失った。駆けつけてきた上関藩士らに遠藤を託し、その場を立ち去った半蔵だったが、その背後には尾行者の影がー。上関藩内に燻る内紛の火種を嗅ぎ付けた半蔵は、密かに探索を開始する。時代小説の名手が放つ、シリーズ第一弾。
長政は戦国時代屈指の軍略家“竹中半兵衛(重治)”を家臣団に加える説得のため彼と3日間生活するが、彼には壮絶な過去と重要な秘密が隠されていた…ネットで350万人を熱中させた歴史ファンタジー、第2弾がついに登場!
“この頃、お江戸に流行るもの 地震、大水、船幽霊”本所、深川に貼られた怪文書の探索に出た隼新八郎。時同じく伊達藩の御用船が海賊に襲撃される。船上に幽鬼のごとき女を縛り、鬼火が舞っていたという海賊船。怪文書に込められた怨嗟、海賊船の正体とは?水路の町「江戸」に蠢く陰謀と新八郎の闘いは!?
落ち目になったカリスマシェフのイタリアン、職人の結束の綻びに揺れるオーダーシャツテーラー、強引な買収危機に瀕した老舗ホテルー。“高級”で売る業種をターゲットにした気鋭ファンドのボス藤浪と新人古武士は、「人生を豊かにする贅沢」のみを買う。だが、窮地の企業を救う彼らの前に因縁の男が立ちはだかる。
新興宗教団体にかかわる事件で警視庁が緊張に包まれる中、都内近郊ではスズメバチが人を襲う事故が連続して発生。中には、高速道路を走る車内に蜂が放たれるという悪質な事例も。平穏な日常を脅かす小さな「兵器」に、窓際警部補・須藤友三と動物大好き新米巡査・薄圭子の「警視庁いきもの係」コンビが立ち向かう。
医薬品検査組織「日医検」の向井智が失踪した。イチマル製薬のジェネリック医薬品成分の改鼠データとともに。その動きを察知した警察は、特別潜入捜査班“UST”を緊急招集する。製薬メーカーとその裏に蠢く巨大な権力と金。特別捜査官たちの命をかけた“非合法”潜入捜査が始まる!
この短編ミステリがすごい!本格ミステリ作家クラブ厳選、冒頭からラストまで一気に読ませる傑作アンソロジー。選ばれたミステリの匠は、麻耶雄嵩、中田永一、滝田務雄、里見蘭、小島達矢、岸田るり子、鳥飼否宇、乾くるみ、乾緑郎、七河迦南、戸川安宣の11人。スリリングな読書体験をぜひ!
死亡事故を起こした元自動車販売会社の営業マン、不倫相手のために犯罪寸前のOL、過去の恋愛を隠し続ける老人…。京都西陣のシェアハウスに住む“ワケあり”住人たちに救いの手をさしのべるのは、就活中の女子大生・有村志穂。ズケズケと住人たちの心に踏み込む志穂のお節介は、吉と出るか凶と出るかー。
魚之進を襲った同心・丸川重三郎は謎の自死を遂げる。重三郎自害の裏事情を知っているかの如く、南町奉行・筒井和泉守は抜け荷捜査の強化を部下たちに速やかに指示した。兄の死の真相に近づく魚之進の行く手を、珍料理を巡る難事件が阻む。大人気の食捕物帖、美味しさ垂涎面白さ最高潮!