2017年2月16日発売
人間の価値は人間からはみ出した回数で決まる。僕が人間であることをはみ出したのは、それが初めてだった。僕が人間をはみ出した瞬間、笑いのカイブツが生まれた時ー他を圧倒する質と量、そして“人間関係不得意”で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ、27歳、童貞、無職。その熱狂的な道行きが、いま紐解かれる。「ケータイ大喜利」でレジェンドの称号を獲得。「オールナイトニッポン」「伊集院光 深夜の馬鹿力」「バカサイ」「ファミ通」「週刊少年ジャンプ」など数々の雑誌やラジオで、圧倒的な採用回数を誇るようになるがー。伝説のハガキ職人による青春私小説。
キッド・ラビットが昏睡から目覚めると辺りには人っ子ひとりーというか、兎っ子一匹いなかった。そう、ぼくたちは人間じゃない。兎だ。人間たちはまだ気づいていないけど、兎社会を脅かす大事件が勃発した。死者が甦り生者を襲ってむしゃむしゃ喰っているんだ。いまや森は屍兎どもの天下で、この兎史上最悪の事件を終わらせるには、死の山に棲む人喰い熊を狩らなければいけないという魔女ラビットのお告げなんだが…いったいなんてこった!『ジョニー・ザ・ラビット』から2年3カ月後の世界を描く、スラップスティック兎ゾンビ小説。
母が他界した五年後に、独り暮らしの父が亡くなった。納骨を済ませ子供たちは実家に集まり、ぽつりぽつりと両親の想い出話をする。遺品整理を始めたところ、父は意外なものを遺していた。そして初めて父の家族に対する想いを知るのであった(「月の庭」より)。大切な人の死や老いに直面したとき、生きている今、何をすべきか…。前向きに生きるその先には、救いの光が見えてくる。“人生の閉じ方”を描く「家族小説」第八弾!
親友のばんちゃんが死んだ。以来、俺は口を閉ざすようになった。そんな態度がうざいという裏掲示板の書き込みをきっかけに、刃のような言葉が飛び交う。あの夜、ばんちゃんに対して俺が密かに計画していたことは、誰も知らないー。トンとあだ名をつけて蔑んでいた男の子。あたしのことが好きだったらしい。中二の冬、突如この世からいなくなった。中学を卒業して10年、夜の街で働くあたしは壊れそうになる「心」の守り方を、かつてトンから教わったー。表裏一体の二編から立ち上がる、未熟な魂のあやうさときらめき。
ある年の8月。日本・韓国・台湾の高校生32名が、国際交流の研修で台湾にある孤島に集まった。研修5日目の夜、生徒たちのスマホに“王様”を名乗る人物から謎のメールが送られてくる…そして、再び地獄のゲームが始まった!生徒たちの間には、やがて民族間での疑心暗鬼が募り、対立が広がるー大人気サバイバルホラーシリーズ、2冊同時刊行!
地獄のメールが届いてから6日。研修のために台湾の孤島に集まった32名の日本・韓国・台湾の高校生は、20名にまで減った。新たな命令は、「坂本秋雄は誰か1人を殺せ。従わない場合は恋人の小松崎美佳に罰を与える」。王様は残った20名の中にいるのか!?それともーエブリスタ発、大人気サバイバルホラーシリーズ、2冊同時刊行!
幼馴染の御厨陽一が経営する「キッチン・ミクリヤ」で、正社員として働き始めた桜木まどか。ドSな天才シェフ・百瀬克哉にいじられながらも、“魔法のように人を幸せにする料理”をお客様に届けていたある日、金髪の白人男性が店を訪れる。男性は、どうやら克哉に興味がある様子。克哉のほうも、普段通り仕事をしながらもどこか落ち着かない。数日後、白人男性と克哉がレストランで会っている場面に、まどかは遭遇する…。エブリスタ発、大人気キャラクター小説第二弾!
妻と娘を東京に残し、新潟で単身赴任生活を始めてから八カ月。月に一度の帰京のため新幹線に乗った江上達郎は、隣の席に座った本橋みずきに心を奪われる。離れて生活しているためか、家に戻ると妻・淑恵との性生活も楽しめるようになっていた江上だが、赴任先でのみずきとの逢瀬が、慎ましやかな妻との夜にもさらに彩りを与えていく。実力派による傑作エロス。
奔放な若いクラブホステスとのセックスを楽しみながらも、亡くなった知人が面倒を見ていた淑やかな熟女に恋い焦がれる還暦近い男の姿を描く「雪の肌」。自宅マンションの地下で何者かに強姦された主婦が、被虐の奴隷と化していく「トランクルームの女」など、第一線の人気作家による書き下ろし官能アンソロジー。
往診帰り、梅香る浅草寺境内で怪我をした老爺を救った桂千鶴。その老爺平蔵は手相をみる評判の掃除人で、意に添わぬ占いに激した若者に手を上げられたのだった。今後を案じる千鶴に、平蔵はかつて大店の主だった頃に美人局に引っ掛かった過去を打ち明ける。一方、大番入りを果たした千鶴の想い人、菊池求馬に縁談が浮上。千鶴の心は千々に乱れる。累計九十万部突破の超人気シリーズ、注目の第十一弾!
南町与力結城半蔵の屋敷で娘の佐奈子に飾り結びを教えているおゆみを明神下の伝兵衛長屋に送り届けた下男の卯之吉。だがそこには、暗がりに潜み刀の鯉口を切ろうとする若い武士の姿があった。その報せを受けた半蔵は卯之吉を長屋に張り込ませたが、その矢先、二人の浪人が現れて白昼堂々刀を振り回し…。長屋を襲う者たちの目的とは何なのか、そして事の背後に隠された真実とは!?時代小説の名手が放つ、好評シリーズ第二弾。
芝永井町で鳩尾を一突きされた骸が見つかった。手口からヤクザ者の仕業と知れたものの身元が割れず苛立つ南町奉行所の面々。しかし遊興命の放蕩同心、八巻卯之吉は持ち前の好奇心と洞察力で骸の正体を見破る。さらに、下手人と思しき渡世人が何者かに殺されたことも発覚。二つの事件を結ぶのは天下の台所、大坂と睨んだ卯之吉は勇躍、船で上方入りし、新町遊郭へと乗り込む。累計五十八万部突破の大人気シリーズ。
辻斬りを行っていた大身旗本池端家の嫡男縫之助を成敗し、首と引き換えに大金をせしめた左門は気侭な日々を過ごしていた。一方、嫡男を討たれた池端家では正室の満流が、実家の父である西丸留守居水島大膳正に、仇討ちを依頼。ある思惑を胸に娘の願いを聞き入れた大膳正は、腹心に縫之助殺害の下手人を捜し出し始末するよう命じるー。究極の無頼漢、三日日左門の活躍を描く、人気シリーズ第七弾!