2017年3月18日発売
結婚13年目で待望の第一子・栞が生まれた日から、その夫婦は男女の関係を断った。 やがて夫の正幸と決別することを選んだ絹子は、栞を守るため母親としての自分を頑ななまでに貫こうとする。 しかし、絹子のもとを離れ24歳になった栞は、〈あの日〉の出来事に縛られ続け、 恋人の智嗣と実の父親である正幸を重ね合わせている自分に気が付いてしまう。 家族であり、女同士でもある、母と娘。 小説デビュー作『最低。』で若い女性から圧倒的な支持を集めた著者が、 実体験を基につづった、母子二代にわたる性と愛の物語。
出版社
KADOKAWAジャンル
700年の間平和を維持していた「オルタンシア王国」。一領国であったカメリア公国の突然の反乱により、王国は戦乱の渦へと巻きこまれる。 若き領主として戦いに身を投じていた主人公は、やがてオルタンシアの隠された真実へと導かれていくーー。 戦乱の世で、様々な運命に翻弄される騎士たちのストーリーが描かれた、歴史を紐解く戦記RPG! セガゲームス/f4samuraiが贈る大人気アプリゲームの公式ノベライズが登場! 作中登場キャラの限定SSR特典URL付き!
チェーン系巨大ホテル「ウェイ・イン」に泊まったニール・ダブルは、謎めいた赤毛の女から、世界各地のホテル内各所に掲げられた抽象画の写真を撮って集めていると聞かさた。その抽象画は巨大な1枚の画をバラバラにして額に入れられているため、組み合わせると模様が続きになる筈だという。ある晩、眠れず部屋を出たニールが廊下を歩くと、いつまで経っても端に行き着かず……クリストファー・プリースト絶賛の、J・G・バラード『ハイ・ライズ』とスティーヴン・キング『シャイニング』に捧ぐ、巨大建築幻想SF。
逆説の論理の魔術師チェスタトンを代表する名シリーズの第二集。トリックの凄みでは、名作揃いの巨匠チェスタトン作品のなかでもトップクラスに位置する「通路の人影」、仮装舞踏会を舞台に神父の心理試験反対論を織りまぜた「機械のあやまち」など、いずれ劣らぬ名作12編を収録。とても名探偵とは思えない外見のブラウン神父が明かす奇妙な事件の真相は、読む者の度肝を抜く! 解説=巽昌章
第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性がスパイとしてナチスの捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制される。その手記には、親友である女性飛行士マディの戦場での日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか? さまざまな謎が最後まで読者を翻弄する傑作ミステリ。訳者あとがき=吉澤康子
ころび伴天連(バテレン)の父と武士の娘である母を持ち、虚無をまとう孤高の剣士・眠狂四郎。彼は時に老中・水野忠邦の側頭役から依頼を受け、時に旅で訪れた土地で謎と遭遇して、数々の難事件を解決する名探偵でもあった。密室状態にある大名屋敷の湯殿で、奥女中が相次いで不可解な死を遂げる「湯殿の謎」。寝室で花嫁の首が刎(は)ねられ、代りに罪人の首が継ぎ合せられていた「花嫁首」。時代小説の大家が生み出した異色の名探偵が奇怪な事件に挑む、珠玉の21編を収録する。解説=末國善己 「雛の首」 「禁苑の怪」 「悪魔祭」 「千両箱異聞」 「切腹心中」 「皇后悪夢像」 「湯殿の謎」 「疑惑の棺」 「妖異碓氷峠」 「家康騒動」 「毒と虚無僧」 「謎の春雪」 「からくり門」 「芳香異変」 「髑髏屋敷」 「狂い部屋」 「恋慕幽霊」 「美女放心」 「消えた兇器」 「花嫁首」 「悪女仇討」
「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女、メアリアンに導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。訳者あとがき=三辺律子
風の邪神イタカを退け、ふたたび時空往還機に乗り探索の旅へと出立したド・マリニーとモリーンが、ボレアに帰還した。そこへタイタス・クロウからメッセージが入る。「クトゥルー邪神群、決起のとき迫る!」地球を、そして全宇宙を救うため、ド・マリニーは善なる旧神たちの棲み処、いずこともわからぬ〈エリシア〉へと旅立つのだが……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉堂々完結! 解説=鵺沼滑奴
結婚を機にコペンハーゲンに移住したマイケル。なれないデンマークの文化に溶け込もうと、アンデルセンの作品にふれてみた。するとそこには、子どもの頃に知っていた童話とは違う、シニカルな世界がひろがっていた。 アンデルセンの生き方に興味をもったマイケルは、日記や手紙を手がかりにして、アンデルセンを追体験するヨーロッパ縦断の旅に出る。そこで待ち受けていたものとは……。 世界で最も愛される童話作家の知られざる心情を丹念に追った旅行記。『英国一家、日本を食べる』で大ブレークしたマイケル・ブースのデビュー作。 コペンハーゲン ドイツ フィレンツェ ローマ ナポリ マルタ アテネ コンスタンティノープル ドナウ川 エピローグ 訳者あとがき
萌えゲーの枠を超えた伝説の萌えゲー、完全小説化! 永遠に終わり続ける世界で、自給自足のハーレム生活をーー 「この顔も、この声も、この涙も、俺は忘れる。 だけど、約束だけは覚えていられるはずだ。祈りだから。 記憶を失っても祈り続けることは、きっとできるから」 目覚めると、そこは温泉宿を思わせる寮舎。俺のほかには4人の見知らぬ女の子。全員、記憶喪失。 周囲には青い山々と美しい海……そして、空の果てまでのびる用途不明の建築物。 「3ヶ月後、迎えにくる」という謎のメモを見つけた俺たちは、誰もいないこの場所で、自給自足の生活を始めることにーー。 『萌えゲーアワード』シナリオ賞受賞、驚愕の世界観で描かれる「はるくる」の衝撃と感動を、ぜひ! イラスト:師走ほりお 笹井さじ