2017年3月2日発売
幽霊潜水艦を巡る攻防の後、独立に揺れる沖縄州で、宗像逍は亡友・磯良幸彦と縁のある人権擁護団体「シギラ」メンバーの風子を訪ねる。しかし前園隆司と名乗る男が率いる謎の武装集団に、彼女はさらわれてしまう。前園は、宗像が属するシー・ノマッド(海洋漂泊民)集団「オボツカグラ」上層部のブレーン的存在であった。本当に前園は味方なのか?疑心を抱きつつも、那覇で敵対するシー・ノマッド集団「ティアマット」の刺客に襲われた宗像は、前園を頼りグアムへ脱出する。そこでも執拗に命を狙われるが、安曇レイラの助力も得て危機を逃れた宗像は、“タンガロア”が造られた真の目的を前園から聞かされる。それは、アレソップの向こう側=カチャウ・ペイディの真実だけでなく、宗像がこの世に生まれた意義をも問うものだった。世界最深部に潜り、この宇宙の境界をも越えようとする宗像…その行動を阻止すべく、ティアマットがハワイ島沖に立ちふさがる。そして宗像を支えるオボツカグラは、宿敵との決戦に挑む。二つの世界が迎えるのは支配か、融合か。人類は、深い海の底で未来に直面する!!
1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ15歳の少年エディは享楽的な毎日を送っていた。戦争に行く気はないし、兵役を逃れる手段もある。ブルジョワと呼ばれるエディと仲間たちが夢中なのは、“スウィング(ジャズ)”だ。敵性音楽だが、なじみのカフェに行けば、お望みの音に浸ることができる。ここでは歌い踊り、全身が痺れるような音と、天才的な即興に驚嘆することがすべて。ゲシュタポの手入れからの脱走もお手のものだ。だが、そんな永遠に思える日々にも戦争が不穏な影を色濃く落としはじめた…。一人の少年の目を通し、戦争の狂気と滑稽さ、人間の本質を容赦なく抉り出す。権力と暴力に蹂躙されながらも、“未来”を掴みとろうと闘う人々の姿を、全編にちりばめられたジャズのナンバーとともに描きあげる、魂を震わせる物語。
「たとえ最後の一兵となっても、われらは義弘様を薩摩へ連れ帰ります。義弘様あっての島津家です。ここで殿を殺させるようなことがあれば島津は滅んでしまいます…」群雄ひしめく九州統一戦線(伊東家、大友家、龍造寺家との戦い)から、秀吉への抗戦、文禄・慶長の役、運命の関ヶ原敵中突破。戦国で無類の強さを示し、家臣に心底慕われていた戦国最強の男の激戦譜を描く。
“氷の星”が眠る地を探して、アイルランドへと辿りついた星の守り人たち。かつての故郷に足を踏み入れたドイルは、愛する者を失った痛ましい過去に向き合いながらも、人狼ライリーへの欲望とも愛ともつかぬ感情に頭を悩ませていた。やがて、幸運の星が誕生した伝説の“ガラス島”を目指す一行は、自分たちが守護者として選ばれた本当の理由に気付かされることになる。彼らは闇の女王ネレイザを倒し、運命を変えることができるのか?愛と魔法に彩られた究極のラブファンタジー最終章!