2017年4月19日発売
倉沢みちるは葉山で生まれ育った純粋でひたむきな女の子。高3の夏、老舗ホテルの御曹司の蓮見優斗と恋に落ちるが、花火大会の夜、行き違いから悲しい別れを迎える。5年後、再会した二人は急速に惹かれ合う。好きな人と過ごし、好きな小説を書き、人生で初めて幸せに身を委ねたみちるだったが、それは束の間の“幸福”だった……。人は、どこまで愛を貫けるのか。何度も引き裂かれながら、二人が“青い鳥”を探す現代の純愛小説。 倉沢みちるは湘南の葉山で生まれ育った、純粋でひたむきな女の子。不器用でおとなしく見られるが、実は誰よりも芯が強い。高3の夏に、中学の同級生の蓮見優斗と海で遭遇する。葉山の老舗ホテルの御曹司で、男女問わず人気者の優斗は、地味なみちるにとって雲の上の存在だったが、海で共に時間を過ごすうちに付き合うことに。だが、葉山の花火大会の夜、行き違いから出会えなかった二人は、そのまま優斗が留学してしまったために悲しい別れを迎える。 傷ついたみちるは、その秋に妹に誘われて応募した「小説オリオン」新人賞を史上最年少で受賞。目立たない存在だったみちるが、一躍ベストセラー作家として脚光を浴びることに。本人はいたってマイペースだったが、妹との間に決定的な溝が生じてしまった上に、小さなパン屋を営んでいた両親は、突然転がり込んできた大金に目が眩み、徐々に人生を狂わせていく。 あの高3のひと夏の眩しい恋愛から5年後、優斗が日本に帰国。葉山で再会したみちると優斗は、急速に惹かれ合う。好きな人と過ごし、好きな小説を書き、人生で初めて幸せに身を委ねたみちるだったが、それは束の間の“幸福”だった……。 人は、どこまで愛を貫けるのか。本当の幸せとは何か。何度も引き裂かれながら、愛し合う二人が“青い鳥”を探す現代の純愛小説。
えせ占い師のサイコは、無機質なモノしか愛せないエリの家で居候する。ある日サイコが帰宅すると、エリは恋人の”地蔵”と別れると泣いていて(「超不自然主義」)。その日暮らしの岩崎は、パチンコで大勝ちする。その様子を見ていた風俗嬢・アッコが声をかける。他、書き下ろし短篇「東京回遊」を収録。 「超不自然主義」…「あなた、一年後に死ぬわよ」と占い師に言われてから二年。サイコはまだ生きている。その日がきっかけとなり、何も分からないまま占い師の仕事をしているサイコ。そして友人のエリは無機質のモノしか愛せない女。今は旦那と別れるといってうちひしがれている。その旦那とは、人間ではなく地蔵なのだ。こじらせてしまっている二人の女の行き着く先はどこなのか。 「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」…その日暮らしをしている岩崎はある日、パチンコ大勝ちした。そんな岩崎に「お祝いに抜いてあげようか」と声をかけてきた女がいた。女は風俗嬢のアッコ。二人は一緒に住むようになるが、まともに愛し合っていられたのは束の間。二人の愛は奈落の底へ転げ落ちていく。 「東京回遊」…夫との生活に不満を持つ恵は、出会い系サイトで知り合った男に会うために東京へ向かった。だが、男とは思ったようにはいかず、飛び乗ったタクシーであてのない放浪をはじめる。結婚前女優になることを夢見ていた恵は、気のいい運転手との会話のなかだけで大女優になった自分を演じる。 超不自然主義 東京回遊 ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら