2017年6月2日発売
白百合の化身のような彼女は戸惑った。 愛のない結婚なのに、体が燃えるから。 リリーは勤務先のパーティーでデイモンと出会って恋に落ちた。 だが大富豪の彼は企業買収の仕事を最優先する人間だと思い知り、 自分のほうから身を引いたのだった。 3カ月後、セレブの誕生日パーティーでリリーはデイモンと再会し、 洗練されたタキシード姿の彼から驚くべき提案を聞かされる。 なんと結婚してほしいというのだ! 余命1年と宣告された叔父の財産を相続するためには、 一刻も早く結婚して子供をもうけなければならないという。 リリーは承諾したーーただし、ベッドは共にしない条件で。 「ええ、いいわ。わたしはもうあなたの子供を身ごもっているから 大富豪のデイモンに突然求婚されて3日後、白いドレスを着て式を挙げたリリー。ホテルの豪華なハネムーン・スイートで結婚初夜を迎えたとき、ベッドをともにしないという約束がありながら熱い想いに苛まれ……。レイチェル・ベイリーの自信作をお見逃しなく!
エバはため息をついた。亡き両親から譲り受けたホテルは破産寸前。加えて、妊娠していることがわかったのだ。もちろんうれしいけれど、ただでさえ生活が苦しいのに、ひとりでちゃんと育てられるかしら?悩むエバの前に、かつて情熱の一夜をともにした男性が現れる。魅惑的な声と黒い瞳を持つ大富豪キャル。彼は冷たくエバに言った。「結婚しよう。きみは金、ぼくは花嫁を手に入れる」どうしても妻が必要な事情のあるキャルは、さらにエバの足下を見るような交換条件を提示してきた。ホテルへの高額の融資だ。ああ、彼に愛されないことを承知で結婚しなければならないなんて…。
児童養護施設で育ったグレイスは、18歳でイギリスからイタリアへ渡り、名家の御曹司ドナート・ヴィトーリアに見そめられ、19の時に結婚した。財力、名声、容貌、知力、すべてに最高のものを備えたドナートが、どうしてわたしのような何もないおずおずした少女を妻に?それでも彼は熱愛してくれた。夢のような1年が過ぎ、グレイスは身ごもった。玉のような男の子パオロに恵まれたころは、幸せの絶頂だった。しかし、その大切な赤ちゃんに突然の死が襲いかかる。悲しみのどん底に落ちたグレイスの心の傷が癒える間もなく、夫ドナートの裏切りが発覚して…。
フランコが瀕死の重傷ですって!? レクシーは別居中の夫の父親から連絡を受け、凍りついた。 フランコの家を出てから3年半。離婚を考えていた矢先だった。 すぐにイタリアの病院へ向かったレクシーは、 変わり果てた姿の夫と対面し、しばらく付きそうことを約束する。 だが翌日、フランコが彼の親友の妹といるところを目撃し、 レクシーの胸にかつての苦い記憶が甦った。 彼女とフランコが親密にしている1枚の写真──それこそが、 別居に至った原因だったのだ。レクシーは、立ち去ろうとするが、 怒りに燃えたフランコが、点滴を引き抜き追ってきて……。 ミシェル・リードらしい大富豪夫妻のドラマチックな再生の物語をお贈りします。愛し合っているふたりを試すかのように、次々と予想外の試練が襲いかかり……。邪悪な脇役に要注目です!
ギリシアの孤島で古い城に閉じ込められ、 父の暴力に耐えながらも、自立する日を夢見ていたセレーネ。 17歳のとき、あるパーティで彼女は生まれて初めての恋をした。 父のビジネスの仇敵、億万長者ステファン・ジアカスに。 セレーネの語る夢に真剣に耳を傾け、彼はこう言ってくれた。 「5年後に会おう、セレーネ」 彼女はその言葉だけを心の支えに、島から出る計画を進めてきた。 そして決行の日。美しく成長したセレーネは、まだ知らなかった。 ステファンがじつは悪名高きプレイボーイであるうえに、 彼と父との間には、ビジネス以上に深い因縁があるということを。 S・モーガンの作品には純粋で無垢な女性が多く登場しますが、そのなかでも今作のヒロイン、セレーネは断トツではないでしょうか。彼女には幸せになってほしいと誰もが願わずにはいられません。
「手切れ金は払う。だから父とは別れてくれ」社長の御曹司ライルから蔑むような目で見られ、そう一方的に告げられて、ケルサは思わず彼の頬を叩いていた。私を社長の愛人だと決めつけるなんて、酷いわ!だがじつはケルサ自身、なぜ入社早々に気に入られ、社長秘書に抜擢されたのか不可解に思ってもいたのだ。ほどなくして社長が亡くなり、遺産の半分をケルサに遺したことがわかると、ライルの疑念はますます深まったようだった。今度は私を金目当ての女だと罵倒するのかしら?意外にも彼は切なげな表情で、驚くべき真相を口にした。
アボリジニにルーツを持つ作家が、オーストラリア現代文学に切り拓いた新たな地平。 生と死、人と鯨、文明と土着のあわいで紡がれた言葉、唄、踊り。ふたつの異なる世界を軽やかに行き来した先住民(ヌンガル)の少年が見つけた希望は、歴史の痛ましい「現実」の彼方で煌めきつづける。 19世紀前半の植民初期、「友好的なフロンティア」と呼ばれたオーストラリア南西部の海辺で、先住民と入植者が育んだ幸福な友情とやがて訪れた悲しい対立の物語。 米国の捕鯨船も来航する入植地にヨーロッパ人が現れたころに生まれたヌンガルの少年ボビーは、幼くして一族の死者と交信するする特別な踊り「死びとの踊り」の導き手であると同時に、持ち前の好奇心から入植者の社会に入り込み、白人たちの言葉と文字を獲得していた。先住民と入植者のあいだの緊張が高まり、ついに衝突しそうなとき、ボビーは白人たちに「死びとの踊り」を披露し、互いを排除しあうのではない融和の道を探ろうとするが……?