2017年9月26日発売
「現実がありきたりだったり、悲しかったりしたときは、面白い作り話を聞かせて」というママと、ママを毎日違う名前で呼ぶほら吹きパパ、小学校を自主引退したぼく、アネハヅルの“マドモアゼル・ツケタシ”。ぼくら家族は、パーティー三昧の日々の日々のてっぺんから、笑いながら、泣きながら、高く高く跳びあがり、そして、ひらりと着地する。まるで、ニーナ・シモンが歌う“ミスター・ボージャングル”みたいに。せつなくも笑える純愛悲劇。デビュー作にして、フランスで50万部超えの大ベストセラー!
東京グランド・バレエ団の創立15周年記念公演の演目が「ジゼル」に決定し、如月花音は準主役のミルタに抜擢される。このバレエ団では15年前、ジゼル役のプリマ・姫宮真由美が代役の紅林嶺衣奈を襲った末に死亡する事件が起き、「ジゼル」はタブーとなっていた。そんな矢先、目撃された真由美の亡霊。公演の準備を進める中、配役の変更で団員の間には不協和音が生じ、不可解な事件が相次いで…。これはすべて真由美の“呪い”なのか?『ジゼル』の封印を解いた時、悲劇的な死を遂げたプリマの想いが甦るー!!
2016年10月、新米弁護士・成歩堂龍一のもとに助手の真宵が依頼人ー尾根紡優子を連れてくる。彼女は2001年に起きた事件から逃れるため、タイムトラベルしたと主張する。やがて明らかになる、優子が被告とされた15年前の密室殺人事件。25年間無敗の検事・狩魔豪と敏腕弁護士・御剣信が激突したその裁判は、被告逃亡のため判決が凍結されていた。時空を超え、成歩堂が手にする真実とは?「逆転裁判」15周年記念ノヴェライズ。
妻か、妻の友人か。過去へ跳び、人生を選べ。何度も。平凡な暮らしとはいえ、幸せな家庭を築いた男。しかし、妻子とのやり取りに行き詰まりを感じて出奔してしまう。たどり着いたドヤ街で小さな白い錠剤を見つけた男は、遺書を書き、それを飲む。ネタになるならよし。よしんば死んでも構わないと考えて。目覚めるとそこは10年前、結婚前の世界だった。人生を選べる幸せを、男は噛み締めていたのだが…。芥川賞、島清恋愛文学賞作家と旅する永遠なる10年。書き下ろし長篇。
過疎化が進む故郷を復活させるため、市長選に立候補することになったアゲハ。裏公約をしたことで、男ばかりの後援会に火が付いた。ところが、ライバルたちのあり得ない反撃で、静かな町は狂乱へ突入する。驚愕の公選法違反、まさかの再選挙をのりこえて、梅の里を守るため、アゲハは故郷の市長になれるのか?嫁不足、高齢者との絆、産業振興、そしてアゲハの恋の行方…混乱の選挙戦をとおして、アゲハが見つけた答えとは?第二回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞受賞者がおくる青春選挙ノベル!
21世紀中葉、世界は分裂し、“新しい中世”が到来する。怪物ソローキンによる予言的書物。“タリバン”襲来後、世界の大国は消滅し、数十もの小国に分裂する。そこに現れたのは、巨人や小人、獣の頭を持つ人間が生活する新たな中世的世界。テルルの釘を頭に打ち込み、願望の世界に浸る人々。帝国と王国、民主と共産、テンプル騎士団とイスラム世界…。散文、詩文、戯曲、日記、童話、書簡など、さまざまな文体で描かれる50の世界。
ヴェトナム戦争末期、プロパガンダを練るエリート青年。18世紀、南部アフリカで植民地の拡大に携わる白人の男。ふたりに取りつく妄想と狂気を、驚くべき力業で描き取る。人間心理に鋭いメスを入れ、数々の傑作を生みだしたノーベル賞作家J.M.クッツェー。そのすべては、ここからはじまる。