2018年10月16日発売
2014年に発表された短編推理小説の中から、最も優れた12作品を選出。本書はそのうち、Acrobaticな作風の6編を収録。 「座敷童と兎と亀と」(加納朋子) 「死は朝、羽ばたく」(下村敦史) 「不可触」(両角長彦) 「ゆるキャラはなぜ殺される」(東川篤哉) 「ゴブリンシャークの目」(若竹七海) 「カレーの女神様」(葉真中 顕)
酒とケンカに明け暮れる28歳の猫田は、留置場で知り合った男に誘われ、千葉県の館山を訪れる。そこは『南総里見八犬伝』ゆかりの地で、猫田は、里見家忠臣の末裔だと告げられる。さらに深夜、宿の駐車場を横切る蒸気機関車を目撃。近くには、戦時中、陸軍鉄道連隊が置かれていたが。謎が謎を呼ぶ傑作長編推理。
大晦日、王子稲荷に現れた狐火。正月を迎え、三ケ日を過ぎた頃、王子稲荷近くで殺しが起こった。神主と巫女は、女が斬り殺されるのをたしかに見たのだという。探索のため現地に赴いた新八郎だが、肝心の女の亡骸が見つからない。不可思議な事件に、狐の仕業という噂まで広まるが……。南町奉行所内与力、隼新八郎が挑む怪事件。表題作を始め、人の世の情けと理、表と裏を活写する七篇。大人気シリーズ、堂々の第九弾。 王子稲荷の女 寒紅梅 里神楽の殺人 柳と蛙 夕顔観音堂 あやかし舟 虫売りの男
元刑事、警察学校校長を最後に退官した小早川の再就職先は三宿女子大学。「刑事政策演習ゼミ」、別名「継続捜査ゼミ」を担当し、5人の女子大生と挑む課題は、公訴時効廃止後の未解決の殺人等重要事案。逃走経路すらわからない15年前の老夫婦殺人事件だった。警察小説の名手が贈る、新たなる捜査が始まる!
人と人との物理的接触が極めて希薄な高度情報化社会。清潔で完璧なはずの日常で起きた連続殺人事件が十四歳の少女達を覚醒させる。世界のすべてだと思っていた端末が“鎖”だと気づいたとき、牧野葉月は初めて友達と繋がる。真実を求める少女達を殺人鬼が狙う。“忌避すべき狼”の正体とは?シリーズ第一弾。
昭和初期、落語の世界に入った八雲は、同期入門の落語の天才・助六と、固い友情で結ばれる。八雲は助六の芸に憧れ、嫉妬し、追いつこうともがき、芸者・みよ吉にも支えられ、成長していく。やがて、助六とみよ吉とが結ばれるが、ふたりは謎に満ちた事故死を遂げてしまう。八雲はその死を巡る秘密を抱いたまま、ふたりの遺児・小夏を引き取る。小夏は、成長し、やがて天衣無縫な八雲の弟子・与太郎とともに、両親の死の真相に迫る。
武田晴信(後の武田信玄)は芦田氏の龍神岳城を武田の陣営としようと画策していた。甲斐から諏訪に出るには龍神岳城を通らなければならないのであった。山の者「七ツ家」と武田の最凶暗殺殺人集団「かまきり」との死闘をが始まった。
子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。「夫婦」という形式への違和を軽妙洒脱に描いた表題作が第154回芥川賞受賞! 自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。 専業主婦を主人公に、他人同士が一つになる「夫婦」という形式の魔力と違和を、軽妙なユーモアと毒を込めて描く表題作で芥川賞受賞!他に「藁の夫」など短編3篇を収録。子供もなく職にも就かず、安楽な結婚生活を送る専業主婦の私は、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気付く。「俺は家では何も考えたくない男だ。」と宣言する夫は大量の揚げものづくりに熱中し、いつの間にか夫婦の輪郭が混じりあって…。自由奔放な想像力で日常を異化する傑作短編集。
信平の領地、岩神村に非常事態が連続する。青々とした稲が枯れ、代官は毒を盛られ、米盗みの疑いで村民が捕らえられる。隣村を預かる旗本が詫びの印として求めたのは、信平の隠居か鷹司家秘蔵の陶器だった。やむを得ず公儀に内密で領地へ赴く信平を更なる試練が襲う。「公家武者シリーズ」面白さ倍増の第四弾。
名もなき者の物語を生涯書き続けた山本周五郎。戦国の覇者、織田信長と徳川家康、その家臣たちの物語を通し、見える天下人の姿とは。信長に勧められた縁談を断った家臣の一途な生き様を描く名作「曾我平九郎」、武田の駿河侵攻に家康の先手組として砦を死守した男たちと悲恋を描く「御馬印拝借」など名作八編。
県、肝入りの第三セクターが引き起こした欠陥住宅詐欺問題で、混乱の渦中にある秋田政界。浅見光彦は、県政刷新のため副知事に抜擢された才媛・望月世津子の秘書として、現地に赴く。相次ぐ事件関係者の不審死と、世津子に届いた告発状の関連を探る浅見の前に、警察幹部や政治家の重圧の壁が立ちはだかる。
やっと出会えたはずの高級官僚の男は、新幹線爆破テロの発生直後から様子がおかしくなる。怪しんだ彼女が警察に通報すると、待っていたのは自分自身の逮捕だった。木内一裕10作目は、完全エンターテインメント大作! やっと出会えたはずの高級官僚の男は、新幹線爆破テロの発生直後から様子がおかしくなる。怪しんだ彼女が警察に通報すると、待っていたのは自分自身の逮捕だった。「君の言うことは、もう誰も信じない」木内一裕10作目は、完全エンターテインメント大作!
野望と陰謀が交錯する満州の人工都市新京。この映画の都は「幻影城市」と呼ばれた。若き脚本家志望の英一は日本を追われ、満州映画協会の扉を叩く。理事長甘粕正彦、七三一部隊長の石井四郎、無政府主義者、抗日スパイら怪人が闊歩する中、不可思議な事件が続発するー。『楽園の蝶』を改題、改稿した決定版。