2018年10月6日発売
息子を授かった町方同心・不破龍之進は、仲間の反対を覚悟しつつある決断をする。一方、貴重な絵の具を盗まれた伊与太は、家族にも知らせず江戸を離れー髪結いの伊三次と深川芸者・お文の恋から始まった大傑作シリーズ、感動の最終巻。子供を育み、年をとる。こうして人の世は続いてゆく。(『擬宝珠のある橋』収録)
元公安捜査官でシングルマザーの律子は、出かけたまま帰ってこない息子を担任教師の美晴と探しに行くが、そこで発見したのは、韓国の要人が襲撃された痕跡だった。隠密作戦中の韓国特殊部隊に息子が拉致されたー。警察に期待できないと判断した律子は、息子を救うため、美晴とともに決死の追撃を開始する。
「あたためますか?」「アイスあっためてどうすんの!」。俺はコンビニバイトの傍らネタを作り続ける。漫才でいつか天下を取るんだ!…相方はまだいないがー芸人を夢見るフリーターを描く表題作ほか、何者かになろうと挑み続ける、不器用で諦めの悪い八人の短篇集。愛すべき彼らが動き出す、著者書き下ろし「あと描き」を特別収録。
皆川七海は、仕事をクビになり、SNSで手に入れた結婚も浮気の濡れ衣を着せられた。行き場をなくした七海は、月に百万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。主のいない屋敷にいたのは、破天荒で自由なもう一人のメイド、里中真白。ある日、真白はウェディングドレスを着たいと言い出すが…。現代の嘘と希望と愛の物語。
旅行代理店を経営する男が、ある晩仕事帰りに待ち伏せされ、二人組の男に暴行を受けた。物盗りの犯行ではない。怒鳴り散らす癖のある男は自分に恨みがある者の犯行ではと疑うが…(「怒鳴り癖」)。危機は、日常の延長に思いもよらぬ姿で忽然と現れるー。人生の「迷路」に迷い込んだ6人の男たちを描く短篇集。
中学生の珠子の前に、とつぜん現れた祖父・謙三はなんと刑務所帰りだった。侠気あふれるグランパは、町の人たちから慕われ、珠子の周囲の問題を次々に解決していく。しかし、グランパの秘密を知った珠子と、彼女を慕う紀子に大事件が襲いかかるー。読売文学賞を受賞した傑作ジュブナイル、待望の新装版!
「鬼平」復活!逢坂剛は「平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる若き平蔵の苦悩を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は「耳袋秘帖」鬼平版。門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫る。本家も自選短篇で特別参加。
連作ではなく、単発でしか描けない世界があるー9人の人気女性作家が、それぞれの持ち味を存分に発揮し、今大変注目を集めている「捨てる」をテーマに豪華競作!女性作家ならではの視点で、人の心の襞をすくいとり丁寧に紡がれた9篇は、いずれも傑作ぞろい。さまざまな女たちの想いが交錯する珠玉の短編小説アンソロジー。収録作「ババ抜き」日本推理作家協会賞受賞!
不動産営業マンの太田は、念願の土地を売ってもらうために倉橋老人の家を訪れた。しかし倉橋が殺されているのを発見。そして思わず逃げ出してしまったために、指名手配をされてしまう。殺人現場となった家へやって来た今野淳一と真弓の夫婦は、地下に宝石や現金が隠されているのを見つける。どうやら倉橋は淳一の同業者である泥棒のようだった。小心者の太田が犯行をするわけがないと考えた淳一は、犯人をおびき出すためにある仕掛けをするが…。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ最新刊!
商店街からの依頼で、街で迷惑・暴力を働く奴らを懲らしめているタツヤ。ある日、奴らに襲われていた美少年ミナミを助けた。名門校に通うミナミと街の自警団として生きるタツヤでは、育ちや環境も違うが、二人は互いに惹かれ会う。しかし、突然ミナミが失踪する。行方を捜すと、彼は新興宗教の教祖の弟だった。おまけに兄と妹が企む怪しげな計画の犠牲に…。耽美SFの鬼才の10年ぶりの新作。
贈収賄事件を追っていた城東署の強行犯捜査係長・葛木邦彦と、警察庁のキャリア組である邦彦の息子・俊史の父子。しかしあと一歩のところで黒幕の国会議員が射殺され、真相は闇に葬り去られてしまう。警察に政治家から様々な圧力がかかるなか、城東署管内で轢き逃げ事件が起こる。目撃者の証言により、事件はすぐに解決するはずだったが、容疑者が大物衆議院議員の息子と判明。捜査はまたもや警察VS.政治の様相を呈してきて…。