2018年11月20日発売
亡き母と同じ、教師の道に進むため、 教員採用試験に向けて入念な準備をしてきた碧。 だが、試験の直前に思わぬ体調不良に襲われ、緊急入院! 幸い、大事には至らなかったものの、試験を受けることはできなかった。 碧はなんとか前を向き、就職活動に励もうとするがーー。 一方、「ゆきうさぎ」は零一という新しい料理人を迎え、メニューにも変化が。 また、長い間胸に秘めてきた想いを伝え合い、 ついに碧と付き合うことになった店主の大樹は、 彼女を励ましてやりたいと考えていて……? 秋が深まる中、「ゆきうさぎ」の常連客たちにも転機が訪れる。 人生は悲喜こもごも。 だけどおいしいご飯はきっとあなたの支えになる。 小料理屋が舞台のハートウォーミングストーリー、第7巻!
大学生の駿がアルバイトをしているのは、「トワイライト」というオカルト雑誌の編集部。ある日、編集長の鈴木原が娘の写真の隅に、二メートル近いひょろりとした黒い人影が写り込んでいることに気付いた。真相究明と取材を兼ねて幼稚園を訪れるという鈴木原に、駿もカメラ係として付き添うことになったのだが…?(『衝撃! 都市伝説の怪人』) 「トワイライト」編集部に、UFO目撃情報が寄せられた! 取材に赴いた編集者の橘麻衣子と駿は、そこで因縁の霊能力者・薔薇王院ジャンと遭遇し、怪しげな降霊会に参加することになり?(『怪奇! 死を映す魔の鏡』) お盆になり実家に帰省した駿は、不吉な夢をみた。ほどなくして、ひと足先に帰省していた千夏が姿を消してしまった。そして東京では、麻衣子に取材されていた薔薇王院ジャンが突如「神の怒りが若人たちに降りかかっている!」と言い出して!?(『名残の夏』) まったりオカルト小説、完結!
「私たちは十五歳で、一緒に死ぬ約束をした……」 「キスをしても、抱きしめあっても、わたしたちはやっぱりバケモノだった…!」 容姿端麗、成績優秀、ピアノも上手…と、どこをとっても非の打ちどころのない月島桜子。そして誰もが振り向く美少年でサッカー部、成績も学年上位の周防紫生。いわゆる普通の女子で、クラスの女子の一軍グループから外されまいと必死の土田知香。野球部出身でクラスのムードメーカー的存在の門倉翔平。 この4人には秘密があった。それは鏡に写った自分にツノが生えはじめていること…。4人は誰にも言えず、それぞれひた隠しにしていたが、ある日転校してきた水瀬和葉に見破られる。そして4人は和葉に呼ばれ体育館建設予定地に集められて…!? 傷ついた15歳たちの、戦いが始まる!青春幻怪鬼譚!
鵜崎真尋、25歳。実は早世した有名女優の娘なのだが、わざと地味メイクを施し、母親そっくりの顔を変えて生きてきた。 母とは違って引っ込み思案でおとなしい性格のため、なるべく目立たないようにしたかったのだ。 都内に父のいる自宅があるものの、一人暮らしをしたくて横浜の大学に進学し、そのまま就職した。 だがその会社をある事情で辞めてしまい、横浜で職探しをしていた真尋に、声をかけてきたのは人材派遣会社の社長を名乗る人物。 破格の報酬のその仕事とは、挙式直前に逃げた花嫁の身代わりとして、式に出てほしいというもので……!?
「きゅる、と小さく腹が鳴る。葵は口の中の三つのキャンディをゆっくりと舌の上で転がした。」美少女たちの、無垢な悪意の饗宴…! 私だけの秘密、教えてあげる…! 旧財閥で、日本有数のセレブ一族の家に生まれた葵は、大好きな3人の女友達を誘って、避暑地に遊びに来ていた。容姿、ステータス、どれをとっても申し分なく、それぞれが宝石のように目映く美しい女子たち……結衣はモデルをしており人形のように完璧な顔立ちとスタイルだし、莉子は高校生の頃に文学賞をとり華やかに文壇デビューした美少女小説家、ひまりは全国大会で入賞経験が何度もある美しすぎるスプリンター。4人がプールサイドにいると、周りの視線がうっとうしいくらいにまとわりついてくる。避暑地の夜の帳が下りて、完全な闇に包まれた4人の美少女たちは怪談話ならぬ、「誰にも打ち明けていない秘密の話」を順番に打ち明けることとなった。そこで打ち明けられた4人の秘密とは…!? 不幸と悪意が彩るサイコ・ホラー!
昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、急速に塾は成長していくが…。第14回本屋大賞で2位となり、中央公論文芸賞を受賞した心揺さぶる大河小説、ついに文庫化。
イベント会社代表の真田幸弘は、数年前に函館で出会った若い女性・比紗也に東京で再会する。彼女は幼い息子を抱えるシングルマザーになっていた。真田は、美しく捉えどころのない比紗也に強く惹かれていく。一方、若き神父・如月歓は比紗也と知り合い、語り合ううち、様々な問題を抱える彼女を救おうと決意する。だが、彼女は男たちが容易に気づくことのできない深い絶望を抱えていてー。新・直木賞作家が描く、愛と救済の物語。魂に響く傑作長編小説。
少年時代と青春時代はいつもとめどない宿酔であったー。太平洋戦争中の暗く切ない、そして戦後の活力みなぎる時代に私の青春があった。中学一年で父を亡くし、戦後はさまざまな職業に就きながら人生への希望や不安を抱えて過ごしていた。自らの過去を見つめ、魂の彷徨や青春に宿るさまざまな陰影を鮮やかに描いた傑作。今なお根強い人気を誇る開高健。文壇での立ち位置を決定づけた自伝的小説。
大工の半吉は、出入りのお店から印半纏を誂えてもらうほど、腕の立つ職人。半纏をくれた三河屋の煤払いをした夜、見知らぬ男から五十両預かる。翌日、三河屋の主人に五十両盗んだ疑いをかけられ、謝れば許すといわれるが、身に憶えのない半吉は…。一方、質屋の万屋に五十両借りたい武士が現れる。大金を巡って複雑に絡んだ謎を解こうと探索に乗り出す藤十郎。江戸の痛快人情捕物帳。書き下ろし。
祖父と愛犬を続けて亡くし、ショックで学校を休んでいる中学生の樹。入るのを禁じられている土蔵の扉が開いているのに気付き足を踏み入れると、中には祖父の鉱物コレクションがあり、そして不思議な雰囲気の少年がいた。雫と名乗る彼と打ち解け、少し元気になった樹は、祖父の遺した鉱物の魅力に惹かれるようになり…。少年の繊細な心に鉱物の美しさを重ね合わせた、ファンタジックな物語。
実業家・堂林の所有馬が次々と故障。競馬記者の小林が疑惑を追う中、堂林の馬ジェメロがデビューを迎える。小林が魅了されるほどの素質馬だが、惨敗した上に故障も判明。そんな折、先輩記者の沢村が謎の死を遂げ、小林自身も危険を感じるようになる。競馬界で何が起こっているのか。誰を信じればよいのか。北の大地で小林が見た真実とは!?現実を超えるリアリズム、21世紀の競馬ミステリー。競馬業界随一の書き手が書き下ろし!
大坂・堂島で紙油問屋を営んでいた上田秋成は、一帯を襲った火事ですべてを失い、幼なじみの雨月が結ぶ庵のもとに寄寓して、衣食を共にするようになった。ところがこの雨月、人間の言葉で憎まれ口を叩く「遊戯」と呼ばれる兎を筆頭に、「妖し」を惹きつける不思議な力を持っており、二人と一匹の前に、つぎつぎと不可解な事象が振りかかるがーー。 江戸時代中期の読本『雨月物語』に材を取った、不穏で幻想的な連作短編集。
「好きなもののある私たちは、強いはずよ」ラジオ化&重版続々の大人気シリーズ、遂に完結! これまで、苦しんできた人達を救ってきた「マカン・マラン」の店主・シャール。今回、シャールを訊ねてきたのは謎の美青年。彼の決意や未来の話を聞く中で、シャールはこの夜食カフェを始めたきっかけを思い出すーー。
D・H・ロレンス最後の短篇小説集『馬に乗って立ち去った女 その他』から、作家が生涯追求した「本物の人間」、「人間本来の姿」が鮮やかに立ち現れる五作品をセレクトし、新たに訳した。 【収録作品】 太陽 国境沿いの地域 最後に笑う者 愛に淫して 麗しき夫人