2018年2月21日発売
同性愛者であることを隠して日々を過ごす男子高校生・安藤純は、同級生の女子・三浦紗枝がいわゆる腐女子であることを知り、彼女と急接近する。しかし、純にはネットで知り合った中年男性のパートナーがいて……。そんな交わらないふたりを応援する友、反発を覚える者……様々な立場の人たちに囲まれた日々の中でふたりが導き出した「最適解」とは? 異性を愛し、子を成し、家庭を築きたい。普通の幸せを手に入れたい……世間の「ふつう」と、自分の本当にほしいものの絶望的なギャップに対峙する若者たちの姿を描く、究極の青春小説。
「深刻に、ぼくはくだらない話を書く必要に迫られていた」--雑誌『トランジスタ技術』を“圧縮”する謎競技をめぐる「トランジスタ技術の圧縮」、〈ヴァン・ダインの二十則〉が支配する世界で殺人を企てる男の話「法則」など著者自ら選んだ16編を収録。吉川英治文学新人賞・三島由紀夫賞受賞、直木・芥川両賞候補など活躍めざましい俊英の正体を目撃せよ。
手話通訳士の荒井は拠点を東京から埼玉に移し、聾者の起こした強盗や傷害事件の通訳をする生活の中、恋人の娘の緘黙症の同級生に手話を教えることになった。同級生の少年は手話を積極的に憶えていくが、突然殺人事件を目撃したと話し始めた。NPOに出入りする男が何者かに殺害された事件は、少年の自宅から目と鼻の先だった。果たして緘黙症の少年の証言は有効なのか? 手話通訳士の優しさと、家族との葛藤を描いたミステリ連作集。書評サイトで話題を集めた『デフ・ヴォイス 法廷の通訳士』に連なる、感動の第二弾。
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
玉妖の相棒を目覚めさせる方法を知る唯一の人物、難波俊之の行方を探し“はざま”を巡っていた彩音は、男たちが異界妖を檻に追い込み、こちらの世界に連れ込んでいる光景を目にする。妖はこの世界では実体をもたないはずだが。折しも都では異界妖の出現が増え、存在を隠そうとする政府を悩ませていた。俊之探しを続ける彩音は、いつの間にか遷都を巡る陰謀に巻きこまれる羽目に。石に宿る精霊、玉妖と駆妖師の絆を描くシリーズ第三弾。
画期的エネルギー源“ライン”の発見により、人類は銀河系全域に進出した。ただし原理も正体も謎のラインを扱えるのは、選ばれた“ラインズマン”だけ。イアンは優れたラインズマンだが、ラインと歌で意思疎通できると信じているため、周囲にバカにされている。だがそんな彼が、皇女に強引に連れ出され、近づくものすべてを消滅させる謎のエイリアン船の調査に向かうことに……。『歌う船』×『戦士志願』の傑作スペースオペラ!
近づくものすべてを消滅させる謎のエイリアン船。その調査を通じて能力を研ぎ澄ましたイアンは、誰も知らないラインと歌の秘密に迫ってゆく。だが、対立する人類の二大勢力はエイリアン船の帰属を巡り、開戦の瀬戸際に。イアンの最大の理解者である皇女の身にも危機が迫る。さらに、船と同時期に出現していたエネルギー球体“合流点”の秘密も絡んで事態は急展開。イアンはラインの謎を解き明かし、戦争勃発を阻止できるのか?
十年の時を経て、ふたりの想いは交錯するーー。珠玉の恋愛小説。 小学生時代にいじめられていた経験のある優菜は、自分のような子どもを減らしたいという想いで小学校教諭となった。 しかし赴任早々、自分をいじめていた酒屋の息子、志郎と再会する。 優菜はなるべく関わらないようにするのだが、学校の職業体験の授業で志郎の店にも協力してもらうことになってしまう。 それをきっかけにふたりの関係は徐々に変化していくのだったーー。 ひとりの女性の葛藤と成長を描いた、珠玉のラブストーリー。 第1回お仕事小説コン入選作を、書籍化にあたり改題、大幅に加筆修正した傑作。 読後、どこか懐かしいような甘酸っぱい気持ちになります。
突然、神隠しに遭い「神様の料理番」となった、りん。美しい神様・御先様に「美味い」と言わせるべく、電子レンジも冷蔵庫もない世界で毎日奮闘している。そんな中、全国の神様が出雲に集まる「神在月の宴」に料理番としてついていくことに。着いて早々大量のご飯を炊かされ、へとへとになるが、加えて男神様と女神様の喧嘩が勃発!それをおさめるため、りんはある提案をするー。心もお腹も満たされる神様グルメ奇譚、第二弾。