2018年3月8日発売
彼らは走り続ける。機械は動き続ける。電子化の波が押し寄せ、斜陽産業と言われようとも、この世に本がある限り。印刷会社の営業・浦本は就職説明会で言う。「印刷会社はメーカーです」営業、工場作業員、DTPオペレーター、デザイナー、電子書籍製作チーム。構想三年、印刷会社全面協力のもと、奥付に載らない本造りの裏方たちを描く、安藤祐介会心のお仕事小説。 大反響5刷! あなたたちがいるから本が読めるーー。 作家が物語を紡ぐ。編集者が編み、印刷営業が伴走する。完成した作品はオペレーターにレイアウトされ、版に刷られ、紙に転写される。製本所が紙の束を綴じ、"本"となって書店に搬入され、ようやく、私たちに届く。廃れゆく業界で、自分に一体何ができるのか。印刷会社の営業・浦本は、本の「可能性」を信じ続けることで苦難を乗り越えていく。奥付に載らない、裏方たちの活躍と葛藤を描く、感動長編。 【『本のエンドロール』ができるまで】の動画公開中! https://www.youtube.com/watch?v=586VXDPwowQ 印刷・製本等業界で働く人々から大絶賛! 本ができた感動は携わった人の思いが読者に届けられたときに得られるもの。ひとりでも多くの本好きに読んでほしい本だと確信しています。【印刷営業 男】 組版って、バランスよく、美しく並べて、読みやすい状態にすること、PCやスマホで文字を打つときは気にしないですよね。この本を読むときに少し気にしてもらえたら嬉しいです。【DTP組版 女】 「本」に関わる全ての人の姿を見せてやろうというタイトルに偽り無しの本でした。この中の一つに関わってるのだと思うと不思議な感じです。【印刷機オペレーター 男】 組版、校正、印刷、製本担当者は職人です! 組版の奥深さ、校正の大切さ、職人のこだわりをお楽しみください!【生産管理部 男】 世間的に出版不況と騒がれる我が業界の縁の下を、インキ臭く描いた、異色の小説が生まれました。ヤバい本を生み出すドラマは、きっと湿し水をあなたに与えてくれます。出版社と読者の真ん中で、日夜汗まみれパウダーまみれな僕達には、いつだって刷らなければならない本がある。閉塞感の強い時代に、ちょうしよく、空気を入れたい。仕事を探す若者に、仕事に疲れたつくり手たちに、僕ら現場からオススメします。【印刷営業 男】 小口側の扇のような丸みを見てやってください……。そこに私の奥義があります。【製本工場勤務 男】 実は1枚1枚、均一な印刷される前の白紙用紙を作って届けるのにもドラマがあります!! 用紙会社の思いも届け!!【用紙代理店 男】 第一章 『スロウスタート』 --早く刷れ! 第二章 『長篠の風』 --美しく刷れ! 第三章『ペーパーバック・ライター』-- 安く刷れ! 第四章『サイバー・ドラッグ』 --電子も作れ! 第五章『本の宝箱』 --本を造れ!
30代半ば、カフェで副店長をしているメイ。彼氏も好きな人もいないが、それなりに充実した日々を送っている。でも、結婚や出産、仕事の昇進試験から目を逸らしつづけてはいけないのもわかっていて…。人生の基本問題は解けても応用問題が解けないメイを、恋が大きく変えていく!ときめく気持ちを取り戻す恋愛小説。
「貴様に絵を頼みたい」。織田信長からの依頼は、計百枚にも及ぶ安土城障壁画だった。信長の機嫌を少しでも損ねたら、自分の首が飛び、家が絶えかねない。狩野派の行く末を案じ逡巡する永徳だったが、すべてを捨てて安土に向かうことを決意する。一世一代の大仕事。己の魂を筆にのせた迫真の絵は、覇王を納得させることができたのか? 天才絵師の孤独な闘いを描いた、絵師小説の決定版!
「美しさ」は、これほどまでに人を狂わすのか。 たかむら画廊の青年専務・篁(たかむら)一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留していた。妊婦としての生活に鬱々(うつうつ)とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗画廊で、一枚の絵に心を奪われる。強い磁力を放つその絵の作者は、まだ無名の若き女性画家だったのだが……。彼女の才能と「美」に翻弄される人々の隆盛と凋落を艶やかに描く、著者新境地の衝撃作。 解説:大森望