2018年5月8日発売
何者かに夫を射殺された元特殊部隊ヘリパイロットのマヤ。二週間後、親友の勧めで二歳の娘の安全のために自宅に設置した隠しカメラに映っていたのは、殺されたはずの夫だった。彼は生きていたのか、それとも誰かの罠か、あるいは戦場の後遺症によるマヤの幻覚か。夫の死に潜む謎を追ううちに、マヤは四か月前に殺害された姉クレアの秘密、さらに十七年前のある事件へとたどり着く…。ハードボイルドなヒロインの生き様、予想を遥かに超える結末。本作に惚れ込んだジュリア・ロバーツ製作・主演で映画化が進む、ベストセラー作家の傑作サスペンス!
桂助は、虫歯によって歯無しになった人々が生きる希望を失ってしまうことに心を痛めていた。品川の宿から骸で見つかった男は千住品三郎といい、桂助が手当てして歯を抜いた患者だった。その品川では同じ頃、ツクヒ(破傷風)で死んだ男が見つかり、その遺体を焼いた男も不審な死をとげていた。続いて、投げ込み寺で見つかった八つの不審死体にも、全員歯が無かった。調べを進める内に、鋼次が何者かに連れて行かれ、そこに記憶を失った志保が現れる!一連の事件の背後には、歯無しになった人々の苦しみにつけ込んだ、某藩の恐るべき計画があったー。シリーズ終盤となる、第十五弾!
母と兄とさつきで営む万葉堂。体調を崩して寝込んだ母・登勢の容体が回復しないのを心配したさつきは、蘭方医に診てもらおうと伝手を探す。ある時、偶然居合わせた若殿と呼ばれる侍が紹介状を書いてくれたおかげで、大槻玄沢に母を診てもらうことができた。その侍は、老中田沼意次嫡男である田沼意知だった。しかし、母は亡くなり、家業立て直しのためにさつきは瓦版の発行を考える。そんな折、意知が殿中で刺殺の報せが入った。殺したのは、さつきにも縁のある人物だった!さつきは、事件の真相に迫れるのか?江戸の“女性記者”を描く、シリーズ第1作!
医大生でファッション誌のスナップページも飾る瓜生昌午、タクシー代わりにヘリを使う若手カリスマ経営者の巽克利、世界中を飛び回るヴァイオリニスト星川広太郎ー三人の共通点はイケメン、そして筋金入りの「鉄道オタク」!日常生活ではすれ違うこともない三人が、千葉・南房総を走るローカル線「いすみ鉄道」に乗り合わせた。鉄道旅を楽しむはずが、幼稚園の遠足、地元の高校で起きた幽霊騒動、BL好きご婦人の介抱、子供たちの失踪と列車に乗るたびに事件に巻き込まれ…。“イケメン×鉄オタ”トリオのドタバタ謎解き鉄道旅の行方はいかに!?
吉永杏珠は、都内で仕事をするおひとりさま女子。でも最近、公私共にトラブル続きで、気付けば不幸のどん底に。そんなある夜、ひとり暮らしの杏珠の部屋に、突如クラッカーの音が鳴り響いた。「おめでとうございまーす!!あなたには天界のキャンペーンで一億人にひとりが当選する、幸せへのヒントを知る権利が与えられましたー!!」ハイテンションで登場したのは、ゴスロリ衣装に身を包んだ妖精ヴィクトリカ(自称三百歳)と、その旦那(!?)でクマのぬいぐるみの妖精クラウド。ふたりは杏珠に、ハッピーになる「引き寄せの法則」を授けると言うのだが…。
大学は卒業したものの就活に失敗して、只今絶賛無職中の白石倭香は23歳。実家住まいで少々肩身の狭い毎日だ。ある日、大好きな祖父の遺品整理のため、便利屋の「こっこ屋」社長・黒木が倭香の自宅にやってきた。ずいぶん可愛い社名だが、由来は別に可愛くもなんともなく、同じ名古屋市内の狐坂に事務所を構えていることから“黒狐”-つまり“こっこ”ということらしい。この黒木の秘密を偶然知ってしまった倭香は、口止めがわりに「こっこ屋」への就職を果たすが…。人外だらけの事務所に、たったひとり人間の身で入ってしまった倭香の勤務状況は!?
料理雑誌の編集者・栗原綾乃には、実は重度の食物アレルギーがある。不本意な配属と食物への恨みをつのらせた綾乃は、ヤケ酒をあおって倒れ、生死の境をさまようことに。そこへ花比売という女神が通りかかり、ある契約を持ちかけてきた。強引な展開に困惑する綾乃だが、一心同体となった花比売のおかげか、アレルギー症状が消えて万万歳。しかし女神に胃袋を支配され、いくら食べてもすぐにお腹がすく。わがままな花比売は「美味しいものでなくてはイヤじゃ」と言うし…。かくして女神様と元アレルギー体質編集者の、グルメ追究二人三脚生活が始まった!
この世に思いを残した人の姿が見えるおいちの前に、血の臭いをまとった男が現われる。商家の若旦那だというこの男は、亡き姉の影に怯えていた。一方、おいちの住む深川界隈で、夜鷹殺しが立て続けに起きる。その猟奇的な手法に衝撃を受けたおいちは、岡っ引の仙五朗と力をあわせ、ある行動に出るのだが…。生き方に悩みながらも、強く生きたいと願う女性を描いて人気の、青春「時代」ミステリー第三弾!
夢も現も紙一重。ならば今宵は覚めぬ夢を。ここは吉原、幻の城ー。花魁道中の最中に矢で狙われたのは、花魁かそれとも客か。得手の三味線を乱した芸者が文に託した真意とは。叶わぬ想いに自害を図った遊女の“想い人”の正体。吉原と島原を表す料理とは一体…。吉原随一の花魁となった華舞が、欲望と嫉妬が渦巻く世界で、不可解な謎を艶やかに解き明かしていく連作短篇時代小説。
新米航空管制官の藤宮つばさは、優秀な管制官だった叔母の真紀子に憧れ、一人前の管制官となるべく日夜奮闘していた。同期の情報官・戸神大地とともに、鳥が原因のエンジントラブルや外国要人専用機の離陸失敗事故など、空港で発生する様々なトラブルを乗り越えていく。つばさは、叔母が口にした「管制官に一番必要なもの」を見出すことができるのか。空港を舞台にしたお仕事ミステリー!
警察庁から郷間班に来た捜査協力の依頼。新宿署の利根警部に暴力団から金銭を受け取っている疑いがあるため、調査してほしいという。利根と接触していた御坂組の黒川は、三日前に刺殺体で発見されており、同時に利根も姿を消していた。果たして利根が犯人なのか。郷間と班員たちは秘密裏に調査を開始するが、越権捜査の末、郷間は謹慎を命じられてしまうー。郷間彩香、最後の事件!?