2018年6月発売
『岸辺露伴は動かない』初の短編小説集! 杜王町在住の漫画家・岸辺露伴。漫画のためにリアリティを追求する彼が遭遇する奇妙な事件とは!? UJ付録の4編+書き下ろしの、5つのストーリーを収録!
それは人体に寄生し、人間を狂暴な怪物へと変えてしまう。この宇宙からの敵に対抗すべく、全世界から選び抜かれ鍛え上げられた殺しの専門家たち、それが国際秘密機関“ゾンビー・ハンター”だった。大事故から奇跡的に回復した天才レーサーの田村俊夫は、再起に必要な大金と引き換えに、この秘密組織に身を投じる。任務はただひとつ、ゾンビーに寄生された人間を暗殺することだったが…。“ウルフガイ”『幻魔大戦』と並ぶ代表作の合本版。
刑事のエリザベスは、少女監禁犯を拷問の上で射殺したとして、激しい批判にさらされていた。州警察が内部調査に乗り出すが、彼女には真実を明かせない理由があった。同じ頃、元警官のエイドリアンが刑務所から仮釈放された。ある女を殺した罪をみずから認め、服役していたのだ。しかし同僚だったエリザベスは尊敬する彼の潔白を信じていた。エイドリアンは嘘の証言をしたのか?刑務所の外には、彼を待ち受ける銃口が…。
エイドリアンの出所後間もなく、女性の絞殺体が発見された。しかも、かつて彼が殺人を犯したとされる同じ教会の同じ祭壇でだ。これは連続殺人なのか?疑惑の目がエイドリアンに集まる。エリザベスは停職中ながら、彼の無実を証明すべく無謀な捜査を進めるが…。様々な秘密を抱えた女と男の道はやがてひとつに繋がり、邪悪な真実が明かされる!アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)二冠作家が放つ、渾身の傑作!
スイスの町で、ドイツ語教室に通いはじめたアメリカ人のアナ。教室や町に満ちるよくわからない言葉と、彼女に誘いをかけてくるわかりやすい男たち。わからない言葉を盾にして、かたくなに秘密と憂鬱を抱えこむアナは、嘘をついて男たちと情事を重ねるが…。詩人作家が独特の文章で孤独をつづった文芸長篇。
突如、月が七つに分裂した!原因は不明だったが、その月のかけらがやがて指数関数的に衝突を繰り返し、二年後には無数の隕石となって地球に落ちると判明する。その結果、数千年続く灼熱地獄“ハード・レイン”が起こり、地球上のすべてが不毛の地となるだろう、と。人類という種を残すため人々は宇宙に活路を求め、各国政府が協調して、国際宇宙ステーションを核とした「宇宙の箱舟」をつくることになるが…。新作が次々とベストセラーリスト入りする、アメリカ・エンターテインメント界を代表する作家ニール・スティーヴンスンの、人類の未来を俯瞰する破滅パニック大作、開幕!
強かに、狡猾に、ときに残酷に。覇権定まらぬ戦国の世を生き抜く者たちー甲斐・武田家重臣の家に生まれながらも、訳あって牢人となった植原次郎左衛門とその息子・三十郎。数奇な運命により、ふたりは庄屋の娘であった亡き母の故郷の村で暮らすことになる。だかそこでは、武士・解死人・庄屋の縁者という三つの身分に翻弄されながらの暮らしが待っていた…期待の実力派、書下し長編歴史小説。
匠の技巧が発揮された傑作短篇集 「猫と鼠」猫が鼠を台所で追いかけている。鼠はフロアランプを避けるべく二つに分裂し、猫は壁に激突、アコーディオンのように体がひだひだに折りたたまれ、そこから音楽が流れでる。猫は鼠との追いかけっこ、知恵比べで絶対に勝てないと分かっていながら、鼠を捕まえたい欲求がつのるばかり……鼠が赤いハンカチで猫の体を拭きとり、鼠も自らを拭きとりはじめ……。 アニメ『トムとジェリー』の楽しいドタバタを想起させるが、こうしてミルハウザーの手にかかると、息もつかせぬ速い展開と、細部にわたる滑稽かつ残酷な描写に翻弄されてしまう。とうていありえない状況にもかかわらず、「ミルハウザーの世界」に一気に読者を引き込む描写は、さらに凄みを増している。 ほかにも、周囲から無視しつづけられた少女の体が文字通り消える「屋根裏部屋」、バベルの塔をめぐるパロディ「塔」、森の向こうにある町への憧憬「もうひとつの町」、エジソンの助手による偽の日記「ウェストオレンジの魔術師」など。「オープニング漫画」、「消滅芸」、「ありえない建築」、「異端の歴史」の4部構成で、13篇を収録。
台湾の鬼才が紡ぐ、人生を癒す終活小説 大河巨篇『鬼殺し』で好評を博した、台湾の若手実力派作家、甘耀明の最新作。台中を舞台に、身寄りのない老人など社会的弱者に着目し、主な登場人物は全員女性という新境地となる長篇小説である。 主人公の「私」は、大規模な幼稚園に勤める二十代の女性保育士。ある年の夏、十数年音信不通だった祖母が、私に会いにやってきた。末期の肺がんに冒された祖母は、気がかりだった孫娘に、死ぬ前に会う責任があると思い、自らが営む小型の共同ホームの老女たち五名と老犬一匹と共に私の家に姿を現した。ちょうどその時、私は自宅で幼稚園の園長の息子にレイプされ、祖母は唯一の目撃者となる。私の心は傷つき、園長の息子を告訴し、幼稚園を退職、祖母を含めた共同ホームの老女たちと行動を共にするようになる。祖母の終活に寄り添いながらひと夏を過ごした私は自己回復していく……。 女性問題、独居老人、同性愛など、現代の台湾社会が抱える問題を捉えつつ、著者のまなざしは、社会的弱者の心を温めて“生”をいろどる“記憶”に注がれる。それが厳しい現実を生き抜く支えになるというメッセージをユーモア溢れるタッチで描いた傑作。解説・高樹のぶ子
沢渡留理は亡き父親から引き継いだ会社“沢渡家具”を守ろうと必死だった。そのためには、志を異にする兄・要次と、その愛人でもある秘書の福田麻衣子を排除するしかない。留理は綿密に計画を練り、痴情のもつれを装ってふたりを殺した。偽装工作は完璧だったはずなのに、翌朝、家政婦から、家に強盗が入り、その強盗に兄が殺されたようだという連絡を受ける。いったい何が…。想定外の出来事に混乱しつつ現場に戻った留理は、子供のように捜査に没頭している長身の女刑事と出会った。その女は、花房京子と名乗ったー。
現象学者の凪田緒ノ帆は、半年前に自宅の火災で恋人を失った。まる焦げで発見されたその死体が持っていたスマホのロック画面には、下着姿の謎の女性の画像が残されていた。突然、緒ノ帆の前に現れた美青年・露木は“予現者”を自称し、「僕が予現したあなたの恋人以外の直近三件の火災事故では、いずれも被害者の男性のスマホにこの女性の画像がありました」といい、事件と女性の関係を一緒に調べようと誘う。さらに、謎の女性の画像を手がかりに、メグミという名前と、彼女を探す消防士・海老野ホムラが見つかる。三人は、露木の“予現”する火災とメグミの手がかりを追う旅をはじめたー。
死者10人を出した簡易宿泊所放火事件。警察官・寺島が入手したノートの「1970」「H・J」の意味とはー。45年の歳月を経て、2つの事件が結びつく時、過去に囚われた男たちの最後の戦いが始まる。現代史の“闇”に迫る怒濤の公安小説。
「小説家になろう」発! 佐崎一路の最新作!! “悪役令嬢”をこっそり救え! 盆暗王子の暴挙を阻止するべく駆けまわるのは、ヨイショが得意な取巻きA!?(実は最強) 「もう我慢ならん、アドリエンヌとの婚約を破棄する!」 「我らは殿下のご決断を支持します!」 取巻き筆頭として、いつものように王子追従(ヨイショ)に励むロランは、貴族学園の転校生クリステルに懸想し、婚約者アドリエンヌを悪女とののしる王子に、突然、強烈な違和感を抱く。あれ? この状況、国としてかなりマズくない!? 半年後に計画された王子の婚約破棄宣言を阻止するため、義妹のルネやメイドのエレナとともに、時に〈神剣の勇者〉としての力を使いながら、罠にはまる“悪役令嬢”を救うロラン。一方、王子と取巻きたちから崇められるクリステルには、誰にも言えない事情があった……!? 汚名を着せられる悪役令嬢をこっそり救うのは、伝説の勇者! そして世界の秘密が解き明かされる!?