2018年8月23日発売
町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していたが、3年生の最後の県大会、わずかの差で出場を逃してしまう。その後、陸上の強豪校、青海学院高校に入学した圭祐だったが、ある理由から陸上部に入ることを諦め、同じ中学出身の正也から誘われてなんとなく放送部に入部することに。陸上への未練を感じつつも、正也や同級生の咲楽、先輩女子たちの熱意に触れながら、その面白さに目覚めていく。目標はラジオドラマ部門で全国高校放送コンテストに参加することだったが、制作の方向性を巡って部内で対立が勃発してしまう。果たして圭祐は、新たな「夢」を見つけられるかー。
文学史そのものを小説にする「日本文学盛衰史」の次なるテーマは「戦後文学」。誰にも読まれなくなった難物を、ロックンロールやパンク、ラップにのせ、ブログやtwitter、YouTubeまで使って揉みほぐす。そんなある日、タカハシさんは「戦災」に遭う…。前作の興奮をふたたび。
守銭奴の母親。売れっ子イラストレータを自負する姉。そして、超マイナス思考の妹ー個性的な玉瀬家の面々が30年ぶりに一つ屋根の下で暮らすことに。果たしてどんな騒動が起きるのか!?新しい家族小説の傑作誕生!
日本人のカセは、バンコクでケチな西洋人に大麻を売って生計を立てている。恋人は浪費家のホステス。観光客を脅して小遣いをせびる強盗まがいの行為も慣れっこだ。あるとき幼馴染から、タイに来ているので会いたいと連絡が入る。“こっちでもバリバリやってるの?聞いたよ、六本木で豪遊してたって”ああ、そうさ。あそこでヘマをしなければ、おれをコケにした奴らを全員見返してやれたのにー。金もツキも度胸もない、逃げ足だけは速い究極のダメ男が、タイと日本を疾走する!
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになるー。人生100年時代の新「終活」小説!
1662年晩夏のアムステルダム。宝石商ホーヘフェーンがペストで死んだ。しかし遺体が埋葬された翌日、その館の鉄格子がはまった部屋で、ホーヘフェーンに瓜二つの男が意識不明で発見される。画家レンブラントの息子ティトゥスと、記憶を失った男ナンドはひょんなことから事態に巻き込まれ、謎の解明に乗り出すが。17世紀ネーデルラントの濃い闇の中から浮かび上がる真相とは。
四女一男。宇奈月家の面々は、それぞれ家から独立して生活していた。そんな彼女らを激しく動揺させる出来事が起こる。子を持てない末女が母を代理母にしたいというのだ。禁忌とも思われる依頼が、宇奈月家の暗部を抉るきっかけとなる。
海外旅行でインスタにアップする写真で“本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの印を世界に見せるために動画撮影をする夫婦ー。SNSに頼り、翻弄され、救われる私たちの空騒ぎ。
20年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、その通り魔に愛する両親を殺された柏原麻由子。だが、麻由子は当時現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、麻由子による通り魔殺害の記憶は定かでない。はたして復讐は成し遂げられたのかー?
東京・葛西駅前のコインロッカーから女性の左腕が発見された。「ロックスミス(錠前師)」を名乗る犯人はヒントとなるメッセージとロッカーの鍵を残しており、引き続き身体の断片を捜すよう命じる。筋読みに優れた女性刑事・城戸葉月を中心とした警視庁の捜査チームは都内を奔走。一方、エンバーマー(遺体整復師)の折口聡子は「ウツロ」を名乗る人物に監禁されていた。ウツロは手足のない女性の骸の復元を聡子に要求する。一向に姿を現さないロックスミスとウツロの真意は?そして葉月と聡子が迎える衝撃の結末とはー?