2018年9月28日発売
1年の契約結婚が終われば消える、 まぼろしのシンデレラーー ソリティアは病母と学生の妹を抱え、亡き父の店を切り盛りしている。 ある日、家賃が引き上げられると知り、彼女は愕然とする。 店の2階に住んでいるため、家賃を払えなくなるということは、 家族もろとも路頭に迷うことを意味していた。 ソリティアはロンドンの一等地に立つ不動産会社へ向かうと、 世界を股にかけて活躍する大富豪実業家のゼイビアを前に、 どうか値上げをもう少し待ってくださいと必死に訴えたーー お宅の掃除でも、オフィスのお茶くみでも、なんでもしますから、と。 だが非情にも、ゼイビアはすべて間に合っていると一蹴したあと、 なおも懇願する彼女に言い放った。「今僕が必要としているのは、妻だ」 父の思い出がつまった店を守るためなら、何も厭わないと心に誓う苦労人のソリティア。一方、世界の美女と浮き名を流すゼイビアは、大伯母の遺言により、一族の館を相続するための条件として即席の妻を探しており、その期限が残り6週間と迫っていたのでした……。
美しき公爵が詠む愛の詩に、 酔いしれていたかった……。 信じていた人に裏切られてひどく傷ついた大学講師のアビーは、 仕事をしばらく休んで、ヨーロッパで心身を癒やすことにした。 歴史的な詩人のリサーチを兼ねたその旅はしかし、 彼女の心をかつてなく大きく揺さぶることになる。 滞在する予定の風光明媚な地所から迎えに現れた男性ラウルを見て、 そのあまりの美しさに、アビーは思わず息をのんだ。 ずっと妄想の中で思い描いてきた、まさに理想の男性像そのもの。 さらに、ラウルの祖父がアビーの探している詩集を所有しているからと、 フランスにある彼の家に招待され、彼女は天にも昇る心地になったーー まさか彼が公爵で、しきたりを重んじる家族から冷遇されるとも知らず。 それぞれ心に傷を抱えた3人のヒロインが、ヨーロッパを旅するなかで運命の人と出会う、3部作〈大富豪の青い鳥〉。第1話の本作は、フランス公爵との身分違いの恋物語です。ロマンティックな舞台にご注目ください!
惨めな娘は途方に暮れたーー 彼の瞳がまぶしすぎて。 ロンドン社交界の息苦しさに耐えかねたハリエットが 早朝の公園で秘密の朝駆けを楽しんでいると、 不意に暴れ馬が現れて乗り手の男性が振り落とされた。 泥酔した様子のその男性は、心配してかがみ込んだハリエットを あろうことか娼婦と誤解し、巧みなキスとともに組み敷いた。 ハリエットは驚いて逃げ去ったが、舞踏会の夜に彼と再会する。 男性の正体は麗しの子爵、ベコンソール卿ジャック・ヘスケスだった。 彼にダンスを申し込まれ、友人たちに紹介されて戸惑いながらも、 生まれて初めて人目に留まったハリエットは喜びを覚えていた。 ジャックが彼女を賭の対象にしているなどとは夢にも思わずに。 超人気作家A・バロウズの3連作、米読者絶賛の〈神々の悪戯〉シリーズ第1話をお届けします! 愛に臆病なふたりが織りなす不器用な恋の行く末は……? 気になる脇役、無慈悲な“ゼウス”の恋物語が描かれる第2話は豪華記念号です。
両親が相次いで亡くなり、クリスティアーヌはただひとり、スコットランドの小さな町で迫害を受けていた。伯父の計らいでイングランドの孤島の伯爵家に嫁ぐことになったが、そこでも彼女は、島民から悪意に満ちた目を向けられる。このつらい境遇もしかたのないことなのかもしれない。スコットランドとイングランドの血を半分ずつ受け継いだ身だから。両国の争いが終わった今なお、双方から目の敵にされてしまう。クリスティアーヌの居場所は、もはやどこにもなかった。島の領主で伯爵のアダムも、島民と同じく、私を花嫁と認めないだろう。悪漢から守ってくれた彼に、私は心を奪われてしまったというのに…。
想いはすれ違い、幸福は手からこぼれ落ちる。 わたしたちはもう終わりなの? 大富豪の夫メイソンとの子供に恵まれなかったスカーレットは、 養子縁組で迎えた赤ん坊まで心変わりをした実母に奪われ、 失意のどん底に突き落とされた。夫婦仲も徐々に険悪になり、 ついにメイソンは「別の男と幸せになってくれ」と言い捨て、 家を出ていってしまった。離婚も時間の問題だった。 そんなとき、死の床にある義弟から幼い一人娘の養育を託される。 弟を安心させたいというメイソンの願いを聞き、 スカーレットは彼と幼子を我が家へ迎え入れる決意をした。 二人の情熱は再び燃えあがり、彼女は幸福に酔いしれた── “メイソンを信じてもいいの?”という心の声に耳を塞いで。 巧みなストーリー展開と個性豊かなキャラクター描写で人気の作家、アンドレア・ローレンスが描く、夫婦の愛と再生の物語をお楽しみください。壊れかけた二人の絆を、1歳になったばかりのルナがどう結びつけていくのか……? ご注目ください。
名門の英国紳士が望むのは赤ん坊だけ。 わたしとの絆は求めていない。 「この子はあなたの子よ……」アリスは再会したチャールズに告げた。 ベビーバギーにいる黒髪で青い瞳の赤ん坊は彼にそっくりだ。 チャールズは英国の上流階級出身で、世界中の女性が憧れる有名な男性。 去年アリスは仕事の会議でアメリカを訪れていたチャールズと出会い、 “きみと二人きりになりたい”と言ってくれた彼に純潔を捧げたが、 ほどなく妊娠に気づき、自分の愚かさを痛感したのだった。 出産後、アリスは心に決めるーーこの子はわたしが独りで育てる、と。 それでも、チャールズに何も知らせないのは不公平だと思い、 今アメリカを再訪している彼に連絡を取って真実を明かしたのだ。 彼がこの地に滞在して赤ん坊を自分のものにしようとするとは予期もせず。 期待の新作家ミシェル・メイジャーがディザイアから、ついに日本デビュー! 2017年にRITA賞を受賞した筆才を、胸が切なくなる再会物語でお確かめください。本作は名門フォーチュン家の華麗な恋模様を描く〈富豪一族〉シリーズとも繋がりがあります。
リセインは恋人のザックとともに、華やかなパーティに出席した。敏腕弁護士のザックは力強いオーラを放つ大富豪で、彼と一緒にいるだけで身も心も満たされる。だからこそ、ザックを狙って近づいてくる女性は数知れず、その夜も黒髪の美女アレグラが、あからさまに誘いをかけていた。こんな場面に遭遇するたび、リセインは不安にさいなまれるのだった。わたしはザックの恋人。でも、彼は結婚については触れもしない…。半月後、彼の子を身ごもったと気づいて喜びに包まれたまさに同じ日、紙面に躍る衝撃の見出しに、リセインは目を疑ったーなんとザックが、アレグラと婚約してしまったのだ!
ヘレンはこの3年半、親友デリアが密かに産んだ赤ん坊の面倒を見ている。親友からの連絡が途絶えて1カ月、不安が頭をもたげ始めたとき、デリアの大富豪の兄ー巨万の富を誇るギリシア人銀行家、レオン・アリスティデスが現れた。妹の訃報と遺言をたずさえて。そして、妹の遺児を二人で育てるためヘレンに結婚をもちかけてきた。ヘレンは事故で両親を失い、後遺症のせいで妊娠は望めない。レオンとの結婚に同意しなければ、たった一人の家族とも呼べる赤ん坊のニコラスを取り上げられてしまうのだ。やむなく承諾したヘレンはしかし、レオンの魅力に抗えず純潔を捧げたあと、彼の冷たい企みを知って…。
ロザリーは、ポルトガル沖の島ヴォース・ド・マールへやってきた。島の領主ドゥアルテ・アルド公爵の娘の家庭教師として、小宮殿と呼ばれる屋敷に住み込みで働くためだ。初めて会った公爵は見上げるほど背が高く威圧的で、聞けば、6年前に悲劇的な事故で妻を亡くしたという。ロザリーは、彼の謎めいた黒い瞳に見つめられるのが苦手だった。なぜか落ち着かない気分になり、つい生意気なことを言ってしまうのだ。馴染みのない感情をもてあまし、ロザリーはひとりピアノを弾いた。夕闇の中、公爵がじっと耳を傾けていることに気づいたとき、彼が言った。「誰か、愛する男を思って弾いていたのだろう?」
父親を亡くし、天涯孤独の身となった18歳のハンナを裕福な、 父の友人アレックスが引き取るというが、村人はいい顔をしない。 というのも、昔破れた恋を引きずり、彼が未だ独身だからだ。 ハンナはアレックスに仄かな憧れを抱いていたのだけれど……。 ある夜、村の男がハンナを車に乗せ、強引に体を奪おうとする 忌まわしい事件が起こる。なんとか逃れはしたものの、 それがアレックスの逆鱗にふれた。怯えるハンナに彼は、 「君に必要なのは父親じゃない、夫だ」と言い、口づけたのだ。 あなたの心はほかにあるのに? ハンナの胸は締めつけられる。
セリーナに従姉は、娘は夫の子ではないと告白して死んだ。 従姉の別居中の夫は、怜悧な美貌の実業家カルロ・ヴァレッティ。 カルロの悪い噂ばかりを吹き込まれていたセリーナは 信用できず、迎えに来た彼に娘を返さないと宣言するのだった。 だが言葉巧みに誘惑され、抗いがたい魅力に引き込まれ……。 セリーナはやがて、カルロに抱かれてしまう。甘い感傷とともに。 しかし、目覚めた翌朝、カルロは冷然と言い放ったのだ。 「僕の娘はどこにいる?」とーー 自分を誘惑した理由を知って、セリーナは瞬時に青ざめた。
うら若きソフィーは、清掃や内職をしながら身を粉にして働き、亡き姉が遺した幼い娘を育てていた。ある日、姉の亡夫の兄、アントニオ・ロチャ侯爵が訪ねてくる。姉の遺児ー自分の姪の存在を知り、一族に迎えたいというのだ。帝王のように傲慢な侯爵とは、姉の結婚式で出会ったきりだ。引け目を感じる16歳のソフィーを一方的に誘惑したのに、ふしだらな女と罵って、突然ごみのように捨てた。それなのにいま、苦々しげな顔で、彼女に結婚を申し出たのだ。ただし夫の浮気に口出ししないという、屈辱的な条件で。
シュザンヌが16歳のとき、大富豪だった父が亡くなった。父は再婚した若き後妻に骨抜きにされ、財産も底をついていた。それから3年、いまやつましく暮らすシュザンヌは、次なる獲物を探す継母に連れられ、高級ホテルに宿をとることに。そこで待ち受けていたのは、麗しのイタリア伯爵チェーザレ。シュザンヌはときめくが、しょせん叶わぬ恋だ。ところが、部屋に戻ると伯爵の姿が。さしものシュザンヌも混乱するが、さらに継母が、この娘には男を連れ込む悪い癖があると伯爵に吹き込みー当然、彼は蔑みの目でシュザンヌを見た。
オナーはその日、見上げるほど豪奢なマローン家の門をくぐった。 かつて誘拐されたマローン財閥の令嬢と判明し、 26年ぶりに帰ってきたのだ。代理人トレースとともに。 だが、オナーを高慢な親族たちが歓迎するわけもなく、 あまつさえ財産目当ての偽物と拒絶した。 冷え冷えとした屋敷のなかで、味方はトレースだけだったが、 彼の出張中、オナーは暗闇のエレベーターに閉じ込められる。 闇を引き裂き、「このあま」と吐き捨てるような声が響きーー そして落下してゆくなか、思い浮かぶのはトレースの黒い瞳……。