2018年発売
徹夜続きのナルトが帰宅すると、ヒマワリがおもちゃのチラシを手にしたまま玄関で倒れていて…!? 親世代の活躍を描く親子がテーマの短編集!
1975年。東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で少女の死体が発見された。事件の捜査を命じられた刑事警察の女性班長カーリン・ミュラー中尉は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく。冷戦時代の東ドイツを舞台にし、高く評価された歴史ミステリの傑作登場!
工藤雅彦は高校生に襲われていた。母親の治療費として準備した三百万円を狙った犯行だった。気を失った工藤は、翌日、報道で自分が高校生を殺したことになっていることを知る。匿ってくれた小暮俊助という謎の男は、工藤の罪を揉み消す代わりにある提案をする。そのためには過酷なトレーニングにパスしろというのだが…。工藤の肉体に封印された殺し屋の遺伝子が、今、目覚める!
バスの転落事故で一人だけ生き残った男が、今度は袋くじの特賞に大当たり。そんな強運、あり!?(奇跡の男) 小さな飲み屋「糀屋」の客が死に、なぜか警察に被害者の香典が送られてきて……(狐の香典)。“卯の花健康法”や“健脳法”など、珍妙なことばかり思いつくナチ先生が殺された。雪に残された足跡が唯一の手掛かり?(ナチ式健脳法)など、ユーモラスで奇想天外な極上ミステリ短編集。(解説:福井健太)
葵慎之助がかつて住職を務めた浅草唯念寺では、宝暦の大飢饉で奥州から命からがら逃げてきた流民を保護していた。慎之助が炊き出しの場を訪ねると、派手な格好の若い女たちが流民に粥を配っていた。その時、銃声が鳴り響き、椀を抱えた流民が即死。炊き出しの場ではこのような狙撃が頻発しているという。その鉄砲の腕前に、慎之助はある心当たりがあったー。人気シリーズ、完結篇!
上方の味を江戸に広めたいという大坂の廻船問屋「浪花屋」の主で行方知れずの父の意志を継ぐ、兄妹の次平とおさや、料理人の新吉の三人が切り盛りする料理屋「なには屋」。客が東西の味付けの違いに馴染まず苦戦するが、常連の助言で、軌道にのり始めた。そんな矢先、予想外の話が「なには屋」に舞い込む。悪い噂のある豪商「和泉屋」が、見世を閉め、自分の家の厨に入らないかと言うのだ。
紀州雑賀は宮郷の太田左近の末娘・蛍は、鉄砲に魅せられ、撃術の研鑽に生涯をかける。雑賀衆は、すぐれた射手を輩出する鉄砲撃ち集団だ。武田の三河侵攻に対し織田信長が鉄砲三千挺を揃えたと聞いた蛍は、左近に無断で実見 に赴く。三州長篠で三段射撃戦法により、最強の武田騎馬隊が粉砕される様子を目の当たりにした! 信長、家康を助け、秀吉、雑賀孫一と対立。戦国を駆け抜けた稀代の女鉄砲撃ち蛍はじめ四姉妹の活躍を描く歴史時代長篇。
歴史的大惨事となった脱線衝突事故から十年。このところ不可解な事件が相次いでいた。女性がカラスに襲われ失明。白昼の凄惨な殺人。不思議な能力(念動力)を持つ小学生・信悟の優しかった女先生も突然豹変し、彼を執拗に付けまわすようになった。いったい何が起きているのか。背後には太古から地球にいた謎の生命体のたくらみが。信悟は圧倒的力を持つ生命体にいかに立ち向かうか。昭和の下町を舞台に描く、直木賞作家渾身のノスタルジックホラー。
そもそもの発端は十年前の悲惨な鉄道事故にあった。夥しい死傷者の看護をしていた信悟の母の不思議な体験。こと切れたはずの少年が突如よみがえり発した言葉。「われはえいごうなり!」。その時胎内にいた信悟に宿った不思議な力。それに目をつけて執拗に追い回してくる水島先生。そして遂に正体を現す「無限のビィ」。圧倒的な力のビィに大切な友達や知り合いを奪われどん底状態の信悟少年。勇気を振り絞って立ち向かった先に待つ驚愕と哀切の結末!
近所に憧れの老作家・坂下宙ぅ吉が引っ越してきた。私は宙ぅ吉のデビュー作「三つ編み腋毛」を再読する。そして少しでも彼に近付きたいという思いを強くしてーー「イナセ一戸建」のほか、文庫版特別書下しとして、作中に登場する坂下宙ぅ吉のデビュー作「三つ編み腋毛」(抄)を収録した全七篇。淫靡な芳香を放つ狂気を描く、幻の短編集が待望の文庫化。
師走も半ば、京都鷹ヶ峰の藤林御薬園では煤払いが行われ、懸人の元岡真葛は古くなった生薬を焼き捨てていた。慌ただしい呼び声に役宅へ駆けつけると義兄の藤林匡が怒りを滲ませている。亡母の実家、棚倉家の家令が真葛に往診を頼みにきたという。棚倉家の主、静晟は娘の恋仲を許さず、孫である真葛を引き取りもしなかったはずだが…(表題作)。人の悩みをときほぐす若き女薬師の活躍。
【あらすじ】 体罰を行い島に転勤させられた、かつての熱血教師“ぐうたら”先生。のどかな田舎の学校に着任したと思いきや、狭い島の中で行われていたのは、陰惨ないじめだった。 教師と真っ向から対立する有力者の娘。授業ボイコット。モンスターペアレント。 島そのものを変えなければ正しい教育はできないという校長の説得や同僚とともに、“ぐうたら”先生はかつての自分を取り戻していくーー。 解説は『夜回り先生』水谷修氏! 多くの教師、教職を目指す人たち、何より今苦しんでいる生徒たちに読んでほしい。 「柏木先生のように、身近に信用できる先生が、大人がきっといる」そう心を開いてくれるきっかけになってほしい。
最強のヒットマン、これが最後の大仕事。 有能な若きインターン、ジョン・ラーゴ。 その正体は、企業のトップを狩る凄腕の殺し屋! クールな筆致とダークなユーモア、あふれる映画愛に彩られた 奇想天外な傑作クライム・スリラー! 暴走する才能に刮目せよ。 おれはジョン・ラーゴ。もちろん本名ではない。 ヒューマン・リソース社のエース工作員だ。 うちは表向き人材派遣の会社だが、裏では 派遣インターンによる要人の暗殺を請け負っている。 おれは子供のころから暗殺者として鍛えられ、 ずっとここで働いてきた。だがもうすぐ25歳で引退だ。 だからおれは新入り諸君のために、最後の任務を詳述して 暗殺の心得を伝授したいと思う…。 教則本の体裁で描かれる、血と硝煙と裏切りに彩られた キッチュでオフビートなアサシン・スリラー。 鬼才衝撃のデビュー作! 「主人公ジョン・ラーゴは、さながらオフィスで働く『デクスター』だ」 ーーミルウォーキー・ジャーナル
すべてに反抗して閃光のように世を去った呪われた天才が戦後まもなくアメリカ人を偽装して執筆、ベストセラーとなったが発禁処分をうけたデビュー作が切れ味のいい新訳で復活。黒人であるがために殺された弟の復讐を誓った白い肌の黒人である「俺」は田舎町の白人社会に溶け込んでその機会を狙い、ついに白人娘二人を「叩きのめそう」としたが…差別への憤怒を結晶させたノワールの傑作。