2018年発売
神田にある老舗菓子舗惠比壽屋の裏手に建つ剣術道場の前に旅装の浪人が現れた。ひときわ目立つ上背と長大な得物を担ぐ姿に、周囲の者が警戒し番屋へ連れていくが、男は十年前に武者修行に出た道場の一人息子の間野生馬だと名乗る。思わぬ人物の突然の帰還と変貌ぶりに偽者の疑いをかけた惠比壽屋の娘お君は、男を追い払おうと画策するのだがー。心優しき巨躯の剣士「迷い熊」参上!著者渾身の痛快人情活劇シリーズ第一弾!!
小笠原官兵衛は高千五百石の直参旗本。嫡男として過保護に育てられたが、剣術と「鳥寄せ」の腕前は一級品だ。そんな官兵衛に「小納戸役」の話が舞い込んできた。担当は「御犬番」。将軍家治公に献上された巨大な犬「仁王丸」を飼い馴らす、というお役目だという。剣の師匠から「犬のよき主となれ」との教えを受けた官兵衛は、勇気を振り絞り、暴れ犬をしつけようと悪戦苦闘する。笑いあり涙ありの、お犬時代小説新シリーズ始動!
人気はあれど金はない揚羽座が満を持して挑んだ『石川五右衛門』の舞台初日。弟子の剣豪、堅四郎のしくじりにも動ぜず熱演する看板役者の恋之介だったが、突如殴り込んできたやくざ者と乱闘になり、無念の休座に追い込まれてしまう。なんとか修理代を稼ごうと女客相手の怪しげな見世「おひげ茶屋」で働き出した恋之介らに、不気味な影が忍び寄る。書き下ろしシリーズ第三弾!
幕末の大坂を襲った大地震。島流しの見張りにあたっていた西町奉行所同心の鳳大吾は津波に呑まれ、罪人四人を逃がしてしまう。奉行所では七日以内に罪人全員を見つけなければ切腹という裁きが下された。謎解きの相棒である梓巫女見習い・お駒に助けを借りようにも、行方が分からない。手がかりを求めて大吾は町を駆けめぐる。
首都ワシントン、6月。テロ対策特殊部隊GOチームの通信部で働くジーナは戸惑いを隠せなかった。世界各地で危険な任務を遂行する精鋭チームに突如、転属を命じられたのだ。戦闘経験は勿論、今までろくに体を鍛えたことすらないというのに…。翌日から始まった地獄のような訓練に必死で食らいつくジーナの前に現れたのはチームの屈強な男7人。なかでもひときわ長身で危険な雰囲気の男、リーダーのリーヴァイは冷たく言い放った。「おれたちは、きみにいてほしくない」その言葉が、くじけそうだったジーナの心に火をつけたー。
夜のお出かけ、苦いビールに甘いキス。 初めてはいつもあなたとだったーーシリーズ第2弾! 「両親の目の届かないところで、夜のお出かけがしてみたい」今回の警護対象 であるファロンの依頼に、ジャスティスは驚いた。顔つきこそあどけないもの の、彼女は官能的なボディラインを持つ24歳。深窓の令嬢だからといって、過 保護にも程があるーー困惑しつつも、そのワイルドな風貌を買われたジャステ ィスは、箱入り娘の社会見学にボディーガードとして同行することにる。あら ゆる“初体験”を無邪気に喜ぶ姿を見るうち、いつしか義務感を超えた感情が 芽生えるが、ファロンが言い出せない、“秘密の願いごと”には気づかず……。
彼女の靄を引き裂き、最初の光となったのはーー 13世紀、霧のノルマンに展開する容赦なき無慈悲な運命の渦……。 修道院に閉じ込められ、長らく世間と隔絶していたノルマン貴族の娘メアリア ン。だが彼女はその、花をもあざむく美貌のせいで、兄の計略により、好色な 老人公爵に妻として今まさに献上されようとしていた。このままでは非情な兄 に利用され、操り人形になるだけ……。思いつめたメアリアンは、その夜、幽 閉されていた部屋を抜けだす。ところが、あと一歩のところで、男性の居丈高 な声が響き渡ったのだ。「君は誰だ?」顔を蒼白にして震えながら振り返ると、 あろうことか兄の客人、氏族長の子息アデアが眼光鋭く立ちはだかっていた。
3年前、父が作った多額の借金を肩代わりしてもらう見返りに、マクシーはやむなく祖父ほども年の離れた富豪の愛人となった。実は見せかけだけなのに、周囲からは白い目で見られる日々…。老富豪が病に倒れた今、妻に返済を求められたマクシーに、彼らの甥であるアンゲロスから悪魔のささやきがもたらされる。代理返済しておいたと告げ、欲望の瞳で代償を求めてきたのだ!金のために身を売る女と蔑まれた屈辱に震えながら、夫となる人にしか身は捧げないとマクシーが断ると、彼は言った。「結婚しよう。但し、公の場で妻と認めることはできないが」
シアトルでコーヒーショップを経営するホープ・ジョーダンは 娘を結婚させたがる母親のしつこさに辟易していた。 ホープは仕事にのめりこんでいて、恋愛などは二の次。 ある日、そんな娘を心配した母がくじを買った。 当たればなんと、世の女性の憧れであるサン・ロレンツォ国王子、 プリンス・ステファノとのデート権がもらえるという。 抽選会の夜、会場で母が倒れたと、ホープのもとに電話が入る。 かけつけたホープは母のベッドの横に立つステファノの姿を見た。 信じられないことに、くじに当たってしまったのだ!
もうひとつの戦後の世界。1996年、日本は南北に分断されていた。世界の半分を覆う共産国家群「ユニオン」は「エゾ」を支配下に置き、島の中央にとほうもなく高い、純白の塔を建造しつつあった。その頃、青森県の津軽半島に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は異国の大地にそびえる塔にあこがれ、飛行機で国境の津軽海峡を越え、塔まで飛んで行く計画を立てていた。しかし、浩紀が口を滑らせたせいで、クラスメイトの沢渡佐由理にばれてしまう。さいわいサユリはその飛行機、ヴェラシーラに強い関心を持ち、計画の共犯者になってくれる。浩紀たちと佐由理は、「ヴェラシーラが完成したらサユリを塔まで連れていく」と約束を交わす。ヴェラシーラが完成に近づくにつれ三人の仲も深まるが、サユリはある日、突然、浩紀たちの前から姿を消してしまうーー。その約束も果たせぬまま……
絶対的な服従か、運命に抗うかーー 愛する者を守るため、男は孤高の闘いに挑む! “自由”の代償に殺し屋となったメイソン。新たな任務は雇い主を刑務所へと導いた検察側の証人を暗殺すること。堅牢な証人保護プログラム下にある人物を殺すのは至難の業だ。任務の最中、負傷した彼は瀕死の状態で恋人の家へ転がり込むが、それは愛する者を危機に晒す真の恐怖の始まりだった。怒りとともに彼は自身の運命を脱する決意をする。選択を誤れば、待つのは死。極限状態で生きる男を描く、ハードボイルド・ミステリ!
中学二年の秋、転校生の歩はクラスメートの秋本に呼び出され、突然の告白を受ける。「おれとつきおうてくれ!」だがしかし、おまえもぼくもれっきとした男だろう! 驚愕のあと嫌悪する歩に、秋本は漫才コンビの話だと言って熱烈アプローチ。全身全霊で断る歩だったが、一方的に秋本のペースに呑まれ折しも秋の文化祭、劇『ロミオとジュリエット』を漫才でやる羽目に……。なんでそんなにぼくに構うんだよ、ぼくなんてこんなにつまらない人間なのに…。歩は前の学校で不登校になり、諍いになった両親の気分を変えようと姉が父をドライブに連れ出して事故死してしまった。遺された母と二人、母の実家近くに引越してきたが、歩の時間は止まっていた。しかし、秋本と出会ってから自分の時計の針が動き出すのを感じていた……。繊細かつユーモラスに描いた青春小説シリーズ第一弾。 おつきあい、発光少女 笑う人、笑わない人 悲劇のロミジュリ ふつうでないこと 未熟な革命 これからのロミジュリ The MANZAI △関係 雨の公園 ゲロゲロ事件 対策本部 情けなさとかっこよさ
漫才劇『ロミオとジュリエット』は学校内外で人気となった。秋本はコンビ続行を熱望し「ロミジュリ」をサポートする仲間との結束も深まる。仲間内で歩が恋した、秋本の幼馴染メグは幼いころから彼が好きで、なぜか猛烈に歩のことをライバル視してくる。複雑な三角関係に悩む歩。やがて受験や卒業シーズンを迎え、みんな一緒に高校に行くのだと信じていた歩たちだったが…。笑いと涙で爽やかに描いた、少年たちの物語。
恋人にふられ、やりがいのない仕事に追われていた潤は、夏祭りで気まぐれにすくった琉金にリュウと名をつけた。その夜、部屋に赤い衣をまとった謎の美女が現れ、潤に問いかける。「どこだ」。どうやら金魚の化身らしい彼女は誰かを捜しているようだが、肝心な記憶を失い途方に暮れていた。突然始まった奇妙な同居生活に、潤はだんだん幸せを感じるように。しかし彼女にはある秘密があった。 温かくて切ない、ひと夏の運命の物語。
「わたしの最大の罪は、男たちが動かしている世界にあって自由で自立した女だったということ」--。 1917年10月15日、パリ。第一次大戦下のフランスで、謎に包まれた一人の女性、マタ・ハリが、二重スパイの罪で銃殺刑となった。彼女は本当にスパイだったのか。 世界的ベストセラー作家が、多くの史料にあたりながら、その美貌と妖艶な踊りで多くの男たちを虜にした女性の、悲しくも激しい数奇な人生を描いた話題作。 【もくじ】 プロローグ 第 一 部 第 二 部 第 三 部 エピローグ 著者あとがき 訳者あとがき
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている。 (「奥庭より」) 古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」) ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。 あれも、いない人?(「雨の鈴」) 田舎町の古い家に引っ越した真菜香は、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。 (「異形のひと」) ほか、「潮満ちの井戸」「檻の外」。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに存分に腕をふるった、極上のエンターテインメント小説。 宮部みゆき氏、道尾秀介氏、中村義洋氏絶賛の、涙と恐怖と感動の、極上のエンターテインメント。
皇帝パルパティーン、またの名をダース・シディアスによる支配が始まる47標準年まえ。シス卿ダース・プレイガスは不死を可能とする方法の研究に取り憑かれていた。師を殺したあと、弟子を探し求めていたプレイガスは、惑星ナブーで17歳の学生パルパティーンと出会う。邪悪なパルパティーンに魅了されたプレイガスは、言葉巧みに彼を誘導し、弟子にとる。彼らは共和国を倒し、ジェダイを滅ぼす計画を進めていく。
パルパティーンを政治の表舞台で活躍させ、自身はダマスク・ホールディングスの社長して莫大な財力を築き、政治と経済を自在に動かすプレイガス。彼はジェダイ・マスターのドゥークーとサイフォ=ディアスに目をつけ、計画のコマとして利用しようと考える。不死のかなめ、ミディ=クロリアンを操る実験にも何度か成功し、生命も銀河も、すべての支配が目前にあると思っていたプレイガスだったが…。
中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この世界は描かれたのか。同じ探索者で大人のパクさんと謎を追う中、3人は10年前に現実の世界で起きた失踪事件が関係していることを知る。現実を生きるあなたに贈る、宮部みゆき渾身の冒険小説!