2019年10月24日発売
橘佑二は、結婚の挨拶のために婚約者・乙瑠の故郷である九州山中の村を訪れていたが、そこで異様な儀式を目撃してしまう。実は村には生まれ変わりの伝承があり、皆がその神を崇拝しているというのだ。佑二は言い知れぬ恐怖を覚えたが、乙瑠の出産でやむを得ず村を再訪する。だが生まれた子供は神の器として囚われてしまい…。佑二は家族を取り戻せるのか!?一気読み必至の第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作。
警視庁捜査一課の北条早苗刑事は日下刑事と、友人で旅行代理店に勤める野田花世殺害事件を追う。花世は飯田線旅行の企画で知り合ったアイヌの青年・金子太郎と交際していた。十津川は飯田線三河一宮駅に近い出雲神話の神を祀る砥鹿神社の絵馬、さらに花世のマンションからK.Kを名乗る人物の暗号による脅迫状を見つける。事件と出雲神話の関連は?十津川は、金子の復讐への暴走をとめ、異常な犯人を逮捕できるか!?
サンズイ(汚職)事案担当の警視庁捜査二課刑事・園崎省吾は、ある大物政治家のあっせん収賄容疑を追及していた。鍵を握る秘書の大久保は、過去に準強制わいせつやストーカー規制法違反を疑われた札付きだった。司法取引を持ちかけられ、大久保と待ち合わせた園崎は、すっぽかされた上、同時刻に妻と息子が何者かに轢き逃げされた。園崎は大久保の関与を疑うが、逆に自らが重要参考人として呼び出され…。警察のなかにも敵がいた。園崎の孤独な戦いが始まったー!
マフィアの首領だった父と家族を殺され、日本に逃れたガルシア。死んだと囁かれる一方で、シチリアではガルシア帰国の噂は絶えない。怨敵のマイケルは、いまや政財界を表と裏から牛耳る大実業家だ。眼前でレイプされる最愛の妹を救えなかった元総合格闘家でフリージャーナリスト・長瀬は、シチリアで二人の因縁に巻き込まれる。そして氷の瞳を持つ女暗殺者・サリヤに遭遇。「ガルシアとマイケル、二人を殺す」-彼女は言う。だが、その前に立ちはだかるのは、マイケルの守護神で十八歳、最強の天才暗殺者ディアボロだった。ガルシアvs.マイケル、壮大なる復讐劇、決着!
1944年満州。馬賊の城塞に、関東軍の偵察機が突っ込んでくる。冷徹な首領、黄尚炎たちは、パイロットが絶世の美女であることに驚く。その女、吉永紅子は、子供たちを救出したいがために、荒くれ男たちのいるこの谷へ女一人で飛び込んできたという。尚炎は、この女は肝が据わっているのではなく、馬鹿なのだと呆れる。関東軍特務機関の黒磯国芳少佐は、吉永紅子が嫌いだ。甘粕正彦に可愛がられ、やりたい放題する紅子を憎いとさえ思っている。無茶で破天荒な女に翻弄される、馬賊の頭領と関東軍将校。一方、甘粕が隠匿する金塊を狙う輩たち。騙し騙され欲望が渦巻く、サスペンスフルな冒険譚。
バー“森へ抜ける道”を舞台に、繰り広げられる酒呑みトーク、懐かしいテレビや映画やタレントの話。東西の童話や昔話、お酒の蘊蓄に、未解決の謎めいた殺人事件の話。そして、桜川さんの鮮やかな推理。…これ全部、登場人物のひとりが書いた小説だったとしたら、どうしましょう?シリーズ完結直前、大団円は迎えられるのでしょうか!?大河ドラマに朝の連続テレビ小説にトレンディドラマと名推理。いつもどおりのようで、少し違う気がする第8弾!
社会学部一人気のない“上庭ゼミ”に入った松岡えみるは、上庭先生の学生相談室の補佐をすることに。サークル内の友人関係に悩んでいるえみるは、学生たちの人間関係の悩みに親身に耳を傾ける。上庭先生は評判とは違い社会学の知識をもって思いもよらぬ解釈をみせ、えみるはすっかり社会学の虜になるがー?!コミュ障で根暗な社会心理学講師と、おひとよしで責任感の強い女子大生コンビによる、人生相談室、開幕!
函館で有名な岩倉家の美人三姉妹の三女が行方不明になった。海岸で見つかった遺留品のそばに、血糊のついた鷹のブロンズ像。凶器と思われたこの置き物は、姉妹の家にあったものだった。祖父は家にある芭蕉の短冊額のことを思い出す。一つ家に 遊女も寝たり 萩と月。旅に病んで 夢は枯野を 駆け廻る。鷹ひとつ 見つけてうれし 伊良湖崎。米買ひに 雪の袋や 投頭巾。俳句に見立てた殺人事件なのか?三女の遺体が見つかっても、犯人の手掛かりは得られないまま、事件は新たな展開をみせるー。三女が行方不明になったときから、謎は始まった。
かつて“おたく”を命名し、“新人類の旗手”と呼ばれた。人気アイドルや国民的カメラマンらと、時代を並走した。フリーライター・中野秋夫。もうすぐ還暦で、自らの残り時間も見えてきた。人生の「秋」に差し掛かり、思い出すのは、昭和/平成の「青春」時代のことだ。自殺してしまった伝説のアイドル、“新人類”と呼ばれたあの時代、国民的美少女と迷デザイナー、入水した保守論壇のドン、そして、“おたく”誕生秘話ー。東京に生きる、クリエイター、若者、アイドル、浮遊人種…それぞれの青春、それぞれの人生を丹念に紡いだ渾身の私小説。
周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車に乗っていた五歳の少女は、外に出て…次の瞬間消えていた。吹雪の山で少女は死んでしまったものと思われ、三年の月日が過ぎた。だが両親はあきらめきれず、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに最後の望みを託した。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなかで、“子ども見つけ屋”ナオミの闘いがはじまる。
種川市の移動図書館「本バスめぐりん」。乗り込むのは六十五歳の新人運転手テルさんと図書館司書ウメちゃん、年の差四十のでこぼこコンビだ。返却本に挟まれた忘れ物や、秘密を抱えた利用者など、巡回先でふたりを待ち受けるのは、いくつもの不思議な謎?!書店員や編集者を主人公に「本の現場」を描いてきた著者による新たな舞台は、図書館バス!ハートフル・ミステリ短編集。
人類が住めなくなった地球を逃れ、新天地の惑星カナンを目指す世代宇宙船“ノア”は、旅の347年目に入っていた。数万人以上の乗員が特殊な“能力”を活用し平穏な生活を営む艦内で、異常事態が続発していたーひき肉のようになった死体が次々に見つかるのだ。出産義務を終え仕事に復帰したハナは、捜査官バレンズとともに当局が隠蔽する真相を追う。新鋭が放つ傑作宇宙SF!