2019年11月18日発売
〜あらすじ〜 突然、父親が倒れ帰省した望月恵介が手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』(苺栽培の教本)。音信不通の間に、野菜農家である父親は多額の設備投資をし、苺栽培を始めていたのだ! 後を継ぐことを迫る母親。しかし、恵介は東京の生活、グラフィックデザイナーとしての夢を捨てられない。何より農業なんてかっこ悪い。 37歳。人生の岐路に立たされた恵介は、試しに父親のハウスに生った苺を囓る。 「あ。何これ。うまい。」 採れたての苺はいままで食べた苺のなかで一番甘くて、おいしかった。 父親の苺に心を動かされ、恵介はしばらく実家を手伝うことを決意する。 ところが、今度は東京にいる妻・美月との間にスキマができ始め……。 甘〜い苺づくりに夢をかける望月農園の“甘くな〜い”お仕事小説!
社会と隔絶した「ボミューニュ」の集落で 孤立して暮らす人びと…… 彼らの索漠とした生活は、平穏な暮らしへと変わって 行きうるものでもあった…… 本作は「牧神三部作(第1作『丘』、第3作『二番草』)」 の第2作である。 人びとは、主人公のハーモニカの演奏により 住人相互のコミュニケーションが取り戻され、 ふたたび人間らしい暮らしを楽しめるようになった。 人間社会の外にあるような世界の驚異を扱うのが 「牧神三部作」の特徴である。 主人公アルバンが奏でるハーモニカの限りなく雄弁な音楽に、 この世のものと思えない、それがあらわれている。
49歳のマッサージ師・尾崎周一郎は、妻と離婚し、独り身の境遇。ある日、思い立ってあてのない一人旅に出ると、ふらり乗った列車で優美な三十路の女と知り合う。彼女の名は村井由希子。北陸の漁村で民宿を営んでおり、誘われた周一郎は、彼女の民宿へ向かう。そして宿も土地も気に入り、しばらく逗留することに。滞在中、由希子に惹かれていく周一郎だが、手は出せない。一方で、漁師の妻や海女たちから誘惑され、めくるめく体験を味わい、さらに由希子の秘密を聞かされて…!?日本海の荒波が打ち寄せる小さな港町を舞台に描く、旅情エロスの逸品!