2019年4月18日発売
愚かで愛おしい人類の歴史を見守る不死の「伯爵」と少女リラ。彼らの旅路に巻き込まれた兵士は、やがて世界を変える夢を見るーー『破滅の王』の著者が壮大なスケールでおくる歴史ファンタジー!
孔明は泣いたが、馬謖の首は斬れなかった。誰もが息を呑んだその理由とはー名軍師のがんばりが並行宇宙論へ飛躍していく表題作のほか、異種族の共存する世界でドラゴンカーセックスをテーマに繰り広げられる感動ファンタジイ「竜とダイヤモンド」、アルキメデス×太宰治な書き下ろし「走れメデス」など、『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』の著者が贈る、笑えて泣けて度肝を抜かれる奇想SFエンタメ全5篇!
24歳のピップは、学生ローンを抱え、仕事もぱっとせず、恋愛も失敗ばかり。彼女はひょんなことから、あるNGO組織のインターンシップに参加することになるが、それは名前も素性も知らない父への道につながっていた。全米図書賞作家による波瀾万丈な成長譚!
三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性が押しつけられる困難と差別に立ち向かっていること。ある者は娘の教育のため、ある者は仲間の生活のため、ある者は自身の夢のために理不尽と闘う。絶大な共感と感動を集めた話題作!
地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館苑ー“アフロディーテ”。そこには、全世界のありとあらゆる美術品、動植物が収められている。音楽・舞台・文芸担当の“ミューズ”、絵画・工芸担当の“アテナ”、そして、動・植物担当の“デメテル”-女神の名を冠した各専門部署では、データベース・コンピュータに頭脳を直接接続させた学芸員たちが、収蔵品の分析鑑定・分類保存をとおして、“美”の追究に勤しんでいた。そんな博物館惑星に赴任したばかりの新人自警団員・兵藤健は、同じく新人で、総合管轄部署“アポロン”配属の尚美・シャハムらとともに、インタラクティブ・アートの展示管理や、強欲な画商などにまつわるさまざまな事件に対処することになるがーダニエル・キイス推薦の名作『永遠の森ー博物館惑星』、19年ぶりの続篇。
近未来アメリカ、すべての女性は一日100語以上喋ることを禁じられた。その中で怒りを抱えながら夫と子供たちと暮らす認知言語学者のジーンの生活に、ある日転機が訪れる。声を、愛を、創造を奪われた女たちを描く、いまこの時代に読むべきディストピア物語。
平成という時代があった。1989年1月8日に始まり2019年4月30日に終わった。およそ30年4か月に及ぶ時代が始まる日に生まれ、終わる日に死んだ一人の男がいた。名は青、母親は彼をブルーと呼んだ。平成15年12月、青梅で教員一家5人の刺殺事件が発生する。藤崎たち警察は、次女の篠原夏希(31)がほかの4人を惨殺した後、薬物摂取の心臓発作で亡くなったと推察した。夏希は高校時代から不登校となり、16年間引きこもっていたという。実はこの事件には重大な事実「凶器に夏希以外の指紋」があり、第三者がいたことがわかっている。事件はその後、夏希の驚愕の真実が明らかとなることで行き詰まっていく。平成31年4月、あと少しで平成が終わる時、多摩ニュータウン団地の空き室で血まみれの男女の死体が発見される。離婚して刑事にカムバックした奥貫綾乃が捜査に加わる。殺されていた二人には子供がいて、彼らはネットカフェ難民だったことがわかるーー。平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした殺人事件。平成が終わる直前に起きた殺人事件。それらが平成という時代の中でつながっていく。平成が終わる今だからこそ、平成30年間の社会や文化の変化を描きながら、児童虐待、子どもの貧困、無戸籍児、モンスターマザーと、現代社会の問題に迫る、クライムノベルの決定版。
農林水産省で防疫に従事する酒井恭平は、上司から“サトゥルヌス・リーチ”という未知の寄生虫が日本に入ってくるかもしれない、と聞かされる。対策のためアメリカから招聘したという専門家、ジャカランダ・マクアダムスを迎えに行った酒井は、ジャカランダがネコ科の動物を連れた、まだ大学生の美女だったことに驚く。戸惑いつつも霞が関に戻った酒井たちを待っていたのは、農林水産省の上層部と、警視庁警備部の人間だった。いったい、何が始まろうとしているのか…?
城石明音は先天性の心疾患を患っていた。8歳の時に病状が悪化し、両親は渡米しての心臓移植手術を決断する。しかし、そのためには1億5千万円という莫大な費用が必要だった。懸命の募金活動の末、募金額は目標額を超え、明音はチャーター機でアメリカに渡った。幸いドナーも見つかり、手術も無事に成功し、明音は一命を取り留めた。誰もが明音の生を祝福しているかのようだった。このときまではー。募金活動と心臓移植手術によって命を救われた少女・城石明音の半生を、教師、同級生、夫など周囲の人間の目を通して描いた、骨太の人間ドラマ!!
怪人二十面相、焼け焦げた帝都を暗躍す!1945年8月15日、日本敗戦。明智小五郎は応召して不在。「二十面相ふたたび現る」の報に、小林少年がひとり、立ちあがる!昭和を代表するダーク・ヒーロー、巨匠の筆に乗り、平成の終わりを駆け抜ける。痛快無類の冒険探偵小説!
集中豪雨で崩壊、全滅した山村にただ一人生き残った男を、テレビカメラとレポーターが、貪るようにしゃぶりつくす。遺族の感情を逆撫でし、ネタにしようと群がるハイエナたちに、男は怒りが弾け、暴れ回る。怒りの引き金を引いた女性アナウンサーは業界を去り、男は彼女もまたマスコミの犠牲者であったことに気づく。その二人が場末の食堂で再会したのは、運命だったのか、それともー。強烈な皮肉と諧謔が、日本に世界に猛威を振るっている「第四の暴力」マスコミに深く鋭く突き刺さる!日頃抱いているギョーカイへの疑問と怒りが痛快に爆発する問題作、激辛の味付けで登場!!