2019年5月28日発売
痛みがあってこそ回復がある 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられるーーウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。
ラビの村の開発を田原たちに任せた魔王は、冒険者のユキカゼ&ミカンのコンビとともに北へと向かった。目的は、魔法に対抗する武具を探すためだったが、そこで勇者と遭遇する!? 一方、村の開発の方は、マダムを抱き込み周辺諸国を巻き込みながら順調に進んでいくーー「小説家になろう」発、見た目は魔王、中身は一般人の勘違い系ファンタジー第三弾!新装版オリジナルストーリーも!!
クジラの形をした神代の船「トヨクモ」と同化した冒険者キートは、この世界で虐げられている獣人たちの街をトヨクモの背に作ることに。神代知識や技術で多少の手助けをしながらも、獣人たちは自分たちの手で新たな文明を築いていく。そんな「トヨクモ」の前に突如現れた、大陸と見まごうほどの空飛ぶ島。キートは「空島」への上陸を決意するー。
晴輝がカゲミツと「ちかほ」へ遠征している間、火蓮と朱音による小競り合いが勃発。決闘が始まるが、気付くと一緒にダンジョンに潜ることになっていた。潜った先で、二人はとんでもない魔物と出会い、滅茶苦茶にされてしまう。そんななか、ランカーである美人剣士・時雨が現れてー。新たな仲間もやはりクセのあるやつでした…。ますますエスカレートする、第六回ネット小説大賞受賞の大人気冒険ファンタジー第三弾!
アルバイトを掛け持ちしながらひとり暮らしを続けてきた井川幹太、27歳。気楽なアパート暮らしのはずが、引っ越してきた「戸田さん」と望まぬ付き合いがはじまる。夫婦喧嘩から育児まで、あけっぴろげな隣人から頼りにされていく幹太。やがて幹太は自分のなかで押し殺してきたひとつの「願い」に気づいていくー。誰にも頼らず、ひとりで生きられればいいと思っていた青年が、新たな一歩を踏み出すまでを描いた、胸熱くなる青春小説。
無気力に日々を生きている高校生の春子は、線路に落ちそうになった人を庇って命を落としてしまう。死後の世界で出会ったのは死神・薊。なんと春子は彼の手違いで殺されてしまったのだ。だが、生きることに執着のない春子。彼女はそのまま、この世に彷徨う死者を成仏させる死神の仕事を手伝うこととなり…。様々な死者の想いに触れた春子を待ち受ける運命とはー。感動のラストは圧巻!読後、きっとあなたの明日が生きる希望で満ち溢れる。「エブリスタ×スターツ出版文庫大賞」部門賞受賞作!
他人の感情に敏感で、言葉の中の嘘が見えてしまう女子高生・向葵は、そんな“ふつうじゃない”自分に悩んでいた。ある日、1枚の絵をみるために訪れた美術館でひとりの青年に出会う。向葵とは対照的に、彼は他人の気持ちを汲み取れないと言う。「ふつうになりたい」-正反対なのに同じ悩みを持つふたり。この出会いが、運命を変えていくー。ふつうとは何か。苦しみの中で答えを探し続ける姿に、そして訪れる奇跡のラストに心揺さぶられ、気がつけば…涙。
本当は君を、心から愛したいのに…。高2の蘭花は自閉症で心を読みづらい弟・稔を持ち、周囲の目に悩む。そんなある日、彼に特別な力があると気づく。悲しみの色、恋する色…相手の気持ちが頭上に咲く“花の色”で見える稔は、ちゃんと“誰かを想う優しい心”を持っていたー。混じり気のない彼の心に触れ、蘭花は決意する。「もう逃げない。稔を守る」しかしその直後、彼は行方不明に…。物語のラスト、タイトルの意味が明かされる瞬間、張り裂けんばかりの蘭花の叫びが心を掴んで離さない!!
東京で就活に失敗し、地元の京都に呼び戻された衣都。そこで待っていたのは、老舗呉服屋の跡取りで8歳年上の幼なじみ・志貴との政略結婚だった!衣都は反発するが、いきなり1年間のお試し同居が始まる。4年ぶりの再会にもかかわらず、愛情深い志貴との暮らしは穏やかで心地よく、次第に衣都の心も解きほぐれていく。同時に呉服屋の仕事にも夢を見い出し、ここ京都に自分の居場所を見つけるが、やがて“政略結婚”の裏にある思いもよらない事実が明らかになって…!?一途な愛が織りなす、切なくも優しい物語。
「すまん、アレク。お前のことを考えるとだな」スキル発現率“ゼロ”の冒険者アレクが、またしても冒険者ギルドをクビになった瞬間だった。アレクは「一流の冒険者になる」という夢を諦め、生まれ故郷の村に帰り、幼馴染の少女・ナージャと結婚する。ナージャとの甘い新婚生活を満喫するが、平和な日々は長く続かない。アレクたちが住む村に魔物の軍団が襲来してきたのだ。アレクは村人と共に魔物を迎え撃つが、魔物の攻撃は勢いを増し、防御網は徐々に破られてゆく。そんな中、ナージャを守ったアレクは魔物の攻撃を受け、気を失ってしまう。だがそれは、アレクの隠された力を発現させることになるのだった。「小説家になろう」発、とどまることを知らない無双英雄譚が遂に登場!