2019年7月4日発売
1919年、英国統治下のカルカッタ。スコットランド・ヤードの敏腕警部ウィンダムは、第一次大戦従軍を経て妻を失い、倦み疲れてインド帝国警察に赴任した。右も左もわからぬ土地で頼みの網は、理想に燃える若く優秀なインド人の新米部長刑事バネルジー。二人は英国人政府高官が何者かに惨殺された事件を捜査する。背後には暴動寸前の現地の憤懣と暗躍する諜報機関の影が…東洋の星と謳われた交易都市を舞台に、複雑な政情を孕む奥深い謎と立場を超えた友情が展開する、英国推理作家協会賞受賞の傑作歴史ミステリ。
ローランドレ偵察隊のうち、クリフトン・キャラモンとレオ・デュルクのペアは、クモ生物のガルウォ種族とコンタクトしたさい、重要な情報を手に入れていた。“ヒールンクスのプラネタリウム”というキイワードだ。それがなんであれ、そこに行けばローランドレについてなにかわかるはず。そう考えたキャラモンとデュルクは、ガルウォの指揮官アルネマル・レンクスとその部下とともに、プラネタリウムをめざして出発した!
いまあなたの手にあるのは、単なる本ではない、それは革命だー奇才ハーラン・エリスンが、英米SF界の変革を試みた、原書で全23万9000語におよぶ書き下ろしアンソロジー。本書はヒューゴー&ネビュラ両賞受賞のライバー「骨のダイスを転がそう」をはじめ、ロドマン、ディック、ニーヴン、ヘンズリー、アンダースン、バンチ、クロス、エムシュウィラー、ナイトによる計10人11篇を収録した3分冊の第2巻。
島原産の黒糖を燃料にしたキャンディロケットの打ち上げに成功した駆たちは、もっと遠く、宇宙のかなたまで届くロケットを打ち上げたいと思うようになる。そんな駆たちの思惑は島に波乱を呼びながらも、里親や日本宇宙機関職員など、頑なだった周りの大人たちの心を動かしていき…。はたして、島のみんなの想いを乗せたロケットは飛び立つのか?絆と情熱に満ちた青春宇宙小説、いよいよリフトオフ!
テキサス州ダラス市警麻薬捜査課のタフな赤毛の刑事ベティ。彼女が追うメキシコ系麻薬カルテルの重要参考人が殺された。口封じなのか、カルテル同士の抗争なのか。捜査線上に浮かぶのは、元警察官のゴロツキやアジア系ギャング。さらには南軍に心酔する武装集団まで現れた。増える犠牲者、混乱する捜査…やがて彼女が直面する国境地帯の犯罪の真相とは?過去と現在の傷を乗り越えてゆくベティの闘いを描いた犯罪小説。
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。
『ニューサウスウェールズ中西部の消えゆく町々』という本を執筆中の「ぼく」。取材のためにとある町を訪れ、スーパーマーケットで商品陳列係をしながら住人に話を聞いていく。寂れたバーで淡々と働くウェイトレスや乗客のいない循環バスの運転手、誰も聴かないコミュニティラジオで送り主不明の音楽テープを流し続けるDJらと交流するうち、いつの間にか「ぼく」は町の閉塞感になじみ、本の執筆をやめようとしていた。そんなある日、突如として地面に大穴が空き、町は文字通り消滅し始める…カフカ、カルヴィーノ、安部公房の系譜を継ぐ、滑稽で不気味な黙示録。
母親と呼ばれることを厭うエキセントリックな少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘。全く性格の違う4人に共通するのは「母親のようにはなりたくない」ということ。自分の中の「少女」と大人の狭間で葛藤する女性達を瑞々しく描き出した傑作長編。
不運に愛される美しいお嬢様・テンコ、義理人情に厚い不良娘のユーリ、“歩く全国平均値”ことミサキの、超凸凹女子高生トリオが、毎度厄介な事件に巻き込まれ、おだやかな町・葉崎をかき乱す!学園内外で起こる物騒な事件と、三人娘の奇妙な友情が詰まった青春ミステリ。書下ろし掌編「潮風にさよなら」を特別収録した新装版!
時は、大正8年。秦野財閥の四男・孝四郎は、父の命令であるものを得るため、謎の少女・白比丘尼と共に、孤島で行われるオークションに参加することとなる。“千年探偵”と呼ばれる彼女は白い髪に葡萄茶式部姿で、自らを「人魚の肉を食べた不老の身」と言い、童女のようなあどけなさと老練な賢者の如き鋭さを併せ持つ、麗しき奇人でー。人魚伝説の残る孤島で起きる連続殺人事件の謎に挑む、怪奇ミステリー!
高校二年生の土井修治が綴った手記。そこに描かれるのは、七月十七日から七月八日に時間が巻き戻っているという信じがたい現象だった。果たしてこの現象は、都市伝説として囁かれる“まほうつかい”が引き起こしたものなのだろうか。ループの原因は、学校一の美少女・渡辺百香が校舎の階段から転落死したことにあると考えた土井は、なぜ彼女が死ぬことになったのか調べ始めるが…。
動物診療所を営む獣医・遠野太一の幼馴染で、ペットショップを経営する小塚恭平が、自宅マンションでラッセルクサリヘビに噛まれて死んだ。ワシントン条約で取引を規制されている毒蛇が、なぜこんなところに?死に際に恭平から電話を受けて現場に駆けつけた太一は、恭平の妹で今は東京税関で働いている利香とともに、その謎を解き明かそうとするが、周囲に不穏な出来事が忍び寄り…。
通夜のため実家に帰った八尋竜一は、久遠という少女に「おじさんの思い出を教えて」と請われたー。小学生のとき「サルスベリの木の下には死体が埋まっている」という噂をきっかけに、江戸時代から続く探偵事務所の十五代目・渡良瀬良平と行動を共にするようになった竜一。中学に入ると転校生の北川雪子も加わり、三人で様々な事件に挑んでいく。そして、話を聞き終えた久遠が語る真相とは?
元ナンバーワンホストの皇聖夜こと上杉三太は、コネで小学校教諭に転職し、一年生の担任になった。キラキラネームの子ども達に囲まれて学校生活をスタートした三太だったが、奇妙な事件が舞い込む。近隣で動植物が傷つけられる事件が多発。犯行がエスカレートしていくなか、容疑者として三太のクラスの児童・公人が挙がる。三太は探りを入れるが、そこには思わぬ真相と感動が待ち受ける!