2019年7月5日発売
紀州雑賀、太田左近の娘・蛍は、射撃術の研鑽に生涯をかける女。秀吉に太田城を水攻めで落とされ、父母姉妹と一族を失った。秀吉への復讐を誓い、新開発の鋼輪銃を手に戦場を駆ける。徹底的に豊家に敵対する蛍は、義なき朝鮮出兵に抗うため半島に渡り義勇兵として日本軍と戦うことに…。そして関ヶ原での因縁の対決の行方は!?戦国を鮮烈に駆け抜けた女鉄砲撃ち再び。
突然縁談を白紙に戻されたおりよ。相手は小間物屋「近江屋」の跡取り息子。それでもおりよと父は近江屋へつまみ細工の簪を納め続けていた。おりよは悔しさを押し殺し、手に残る感覚を頼りに仕事に没頭する。どうしてあたしだけ?そもそも視力を失ったのは、あの花火のせいだったー(「闇に咲く」)。三河、甲斐、長崎、長岡、江戸を舞台に、花火が織りなす人間模様を描いた珠玉の時代小説。
旗本と町人が下谷車坂町で斬殺された。旗本は一太刀のもとに斬られ、町人は短刀で刺されていた。異なる得物は下手人が複数いると暗示していた。銀次は探索に乗り出す。死んだ二人は博奕好きで、浅草界隈の賭場に出入りしていた。旗本は賭場を「怖い赤鬼のいるところ」と話していたらしい。数日後、浅草の岡っ引きが斬り殺された。「赤鬼」を追って聞き込みの最中だったという。
理不尽な要求をする客と無茶な仕事を押しつける酷い上司に我慢が出来ず、五年勤めた会社に辞表を突きつけたミノリ。この先、どうしようかと思案していたときに入り込んだ神社で「巫女募集」の貼り紙を見つけ、飛びついた。同じ頃、キャバクラ勤めの生活に不安を抱えていた李花は、神主に一目惚れし、「巫女募集」に応募する。ミノリと李花、二人が直面する参拝者たちの様々な事情とは…。
野島芳生は社会心理学科の准教授今井由里子の研究室へ見学に行くため、東央大学渋谷キャンパスを歩いていた。すると人だかりが出来ていて、何事かと事情を聞いてみると女子トイレが盗撮されたらしい。容疑者は猿顔を真っ赤にしながら無実を叫んでいる。研究室に着くと、先程の猿顔は富岡といい、ここの学生だとわかる。状況と事情を聴いただけで、由里子は富岡の無実を証明するという…。
勘定所勤めながら不得手の算術に四苦八苦し、家付き嫁の佐和の尻に敷かれる辛い日々を送る笠井半蔵。登城中の勘定奉行を刺客の襲撃から救ったことで、幕閣の影の警固を命じられた。勘定所への出仕は猶予され、影の御用に励むよう勘定奉行より命が下されるが、半蔵は家業をおろそかにすることに悩むのだった。そんなとき、警護先の矢部定謙が何者かに拉致されたのだ!好評シリーズ第二弾。