2019年7月5日発売
平安の昔、石や虫など自然と通じ合う力を持った風穴たちが、女院八条院様と長閑に暮らしておりました。以来850年余。国の規制が強まり監視ドローン飛び交う空のもと、カザアナの女性に出会ったあの日から、中学生・里宇とその家族のささやかな冒険がはじまったのです。異能の庭師たちとタフに生きる家族が監視社会化の進む閉塞した時代に風穴を空ける!心弾むエンターテインメント。
大坂夏の陣で豊臣家が滅亡してから四年後の元和五(一六一九)年、福島正則が無断で居城・広島城を修築したというしらせを聞き、二代将軍徳川秀忠は激怒する。秀忠は江戸にいた正則を幽閉、福島家の改易を決断した。国元の福島家臣団は反抗の姿勢をしめす。「天下大乱の火種を消すべし!」。福島家謀反の影響が他藩に及ぶことを恐れた秀忠の大号令により、八千余におよぶ城請取の軍勢が広島に向かう。やがて城の守りを固める福島家中の強者たちと一触即発となるがー。いまだ戦国の残り火がくすぶりつづける徳川幕府黎明期に起こった福島家改易の真実に迫る、書き下ろし長編時代小説。
日本初の女子留学生としてアメリカに11年滞在し、帰国後は日本の女子教育に身を捧げた津田梅子。彼女が日本で何を見て何を思い、行動したのか。彼女が創設した津田塾大学で発見された膨大な量の手紙を紐解きながら、その生涯を追いかける。
ゲーム仲間達と別れ、ひとり異世界に降り立ったルーク。ランクフルトの街で初めて組んだパーティ『風の団』を抜けた彼は、ダンジョンを有し冒険者で賑わう迷宮都市エレムを目指すことに。地道にレベル上げに勤しむことにしたルークだったがーここでも神聖魔法が大活躍!?回復能力に特化しないヒーラーの異世界のんびり旅はつづきます。
ゴーダ達の奮闘空しく、史上最大の人魔大戦は開始された。数十万の軍勢が魔族領宵の国へと進攻するが、そこは最強たちの領域。魔族最強“魔剣のゴーダ”治める東方“イヅの城塞”。生還不可、永遠に喰らい合い続ける魔物たちの楽園・南方“暴蝕の森”。数千年不落の化け物達が人類へ牙を剥く!そして、ゴーダは逆転のため、シェルミア奪還を開始する!
モンスターども……遊びは終わりだ! 宿敵・草薙京との決戦の果てにーー八神庵は異世界に転移していた。その地で出会った女騎士・アルテナをなりゆきで救った庵は彼女の勧めで武芸大会に出場するが、それはエサーガ公国を舞台にした冒険と激闘の始まりに過ぎなかったーー。KOFの人気キャラクター・八神庵の紫炎が異世界を焼き尽くす、禁断のファンタジー小説!
スマホ越しのロマンスに身を焦がす女子大生、ひそかに復讐を企てるバースデーガール、理想の伴侶を探し求める王女、ハンサムな上司に噛みつきたいOL、魔術であらゆるパワーを身につけようとする女…わたしたちの欲望の先に待ち受けるダークでファニーな真実をえぐりだす、破格の新星の短篇集。ネットでバズった超話題作収録!
学生時代に恋に落ち結婚した研究者の妻レイチェルと、幸せな日々を送っていたエイダン。アンドロイド開発に携わる妻は多忙ながらも、夫と一人娘クロエを愛し家族を大切にしてきた。しかし彼女はある日突然病に倒れ亡くなってしまう。喪失感から立ち直れずにいる二人の前に現れたのは、生前のレイチェルが持てる力の全てを投じて開発した自分に瓜二つの人間型ロボット「iレイチェル」だった。死を予感した者が伝えたかった家族への思い。それを託されたアンドロイドは、遺された者との「対話的交流」を試みる。心を静かに揺さぶられるAIと人間の愛の物語。
江戸町奉行所が飼っていた元隠密廻り同心「南町の虎」こと、伊坂八郎兵衛は、廻国中に行き着いた加賀金沢で、武家の妻女から、「夫の利き腕を折ってほしい」と頼まれた。冨田流小太刀を遣う夫の上川兵馬を、御前試合に勝たせるわけにはいかないという。涙ながらに訴える志乃に、心ならずも兵馬の右肘を外してやった八郎兵衛だったが、なんと戻り道で闇討ちされー。半死半生で真相を探ってみれば、兵馬の妻はすでに死んでいるうえ、御前試合には莫大な金が動いており、腐れ藩士が謀略まで企てていると知れて…。立身流の剛剣が唸りを上げる、剣豪放浪記第二弾。
映画の脚本家になることを夢見ていたぼくは、駅前通りの本屋さんで『ハリウッドで脚本家になるための近道マップ』を立ち読みしていた。本に没頭していると、急に肩を叩かれ、ぼくは飛び上がった。恐る恐る振り返ると、そこにいたのは同じクラスなのに一度も口をきいたことのない女の子だった。女子のヒエラルキーでも頂点にいるその子がぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。「伝記?誰の?」「わたしの」と彼女は言った。『いま、会いにゆきます』以来、4作累計255万部を超える市川拓司×小学館作品に新たに加わる清新な青春長編。
神戸の老舗、富久丸百貨店芦屋川店で外商員として働く鮫島静緒(37)。日本一の高級住宅地・芦屋をふくむ阪神間のセレブたちに、お買い物をしていただくのが彼女の仕事だ。ノルマは月1500万円!パティスリーでの経験と人脈を活かして奔走する静緒だったが、外商部はいずれも一筋縄ではいかないお客様がたばかり。その上、本物のセレブ出身男子が同僚として配属されてきてー。竹内結子主演でドラマ化された話題作。『トッカン 特別国税徴収官』など、大ヒット作を次々生み出す神戸在住の著者による究極のハイクラスエンタメ、待望の文庫化!
結婚予定の彼氏と大好きな仕事を同時に失った藤堂朱音は、傷心を抱えて地元・仙台へ戻ってきた。ところが実家はもぬけの殻。両親は揃って長期の海外旅行に出かけたと知り、朱音は途方に暮れる。そこへ救いの手を差しのべたのは、幼なじみで少し意地悪な金ケ崎玲二。朱音の祖父母宅をリフォームしてカフェを始めるそうで、彼自身、不可思議な現象に悩む人を救う「拝み屋」でもあるという。カフェ巡縁堂は「憑かれた」者のための駆け込み寺だと玲二は豪語する。その胡散臭さに内心どん引きの朱音だが、なぜか助手として彼の仕事を手伝うことに…?
休暇を過ごすために現世にやってきた地獄の大王閻魔様。大央炎真と名乗り、秘書の小野篁と吉祥寺で暮らしはじめるが、迷える死者を成仏させたり、悪い生者を成敗したり、大家の地蔵菩薩にこき使われたりと、ちっとも癒されない毎日を送っている。ある日、知り合いの少年から「幽霊のような黒い犬」を見たと教えられた炎真。さらに遺体に噛み傷がある殺人事件が起きてー?思い出の味を再現できずに嘆く漫画家の話、奇妙な屋敷に入り込んでしまった図書館の読み聞かせ係の一夜など五話を収録した、地獄行き事件解決録。シリーズ第三弾登場!
この本を読んではいけないー奇妙な警告文の挟まれた古書がオカルト雑誌の編集部に持ち込まれた。古書の持ち主だった兄が数カ月前に失踪し、現在も行方不明だと竹里あやめは訴える。フリーライターの八坂駿がその本を読み進めるに従い、周囲で不気味な出来事が続く。いたずら?狂言?それとも…。八坂はペアを組むカメラマンの篠宮、依頼人のあやめとともに、古書の謎を追う。