小説むすび | 2019年8月5日発売

2019年8月5日発売

君が異端だった頃君が異端だった頃

出版社

集英社

発売日

2019年8月5日 発売

恥多き君の人生に、花束を! 「誰にでも少年時代はあるが、誰もがそれに呪われている。」3月生まれの幼年期から、めくるめく修業時代を経て、『優しいサヨクのための嬉遊曲』での鮮烈なデビューへとーー。「オレは必ず小説家になり、空回りと空騒ぎに終始した恥ずべき高校時代を全て書き換えてやる」と誓った高校時代。「英語とロシア語両方できれば、世界の美女の半分に自分の思いを伝えられる」とロシア語漬けの大学時代。ソビエト留学中に知り合った男性に、小説を持ち込むことを勧められ、『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー後、芥川賞候補になるも、その後5回も落選するとは想像もしなかった。そして、酒の席で知り合った文豪たちーー埴谷雄高、大岡昇平、安部公房、後藤明生、古井由吉、中上健次たちーーは、君に伝統を保守する正統なんか目指さずに異端のままでいよ、と教えられた。そしてその間に繰り広げられた、妻がある身の最低男による華麗なる遍歴と、不埒な煩悶に翻弄される日々……。デビューから36年を経た著者が赤裸々に物語る、自伝的青春「私」小説! 【著者略歴】 島田雅彦(しまだ・まさひこ) 1963年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。在学中の83年に『優しいサヨクのための嬉遊曲』でデビュー。84年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、92年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞、08年『カオスの娘』で芸術選奨文部科学大臣賞、16年『虚人の星』で毎日出版文化賞を受賞。主な著書に『徒然王子』『悪貨』『英雄はそこにいる』『傾国子女』『ニッチを探して』『暗黒寓話集』『カタストロフ・マニア』『人類最年長』など多数。現在、法政大学国際文化学部教授。

【POD】レディバード -解離性同一性障害を越えてー【POD】レディバード -解離性同一性障害を越えてー

出版社

玄武書房

発売日

2019年8月5日 発売

解離性同一性障害をテーマにした「小説」と「随筆」の二部構成です。 この小説の最大の魅力は、長年、著者本人が『解離性同一性障害』という症状を抱えて生きてきたということでしょう。 どんなに優秀なインタビュアーが取材をしたとしても、同じような症状を持つ人たちの苦悩を“完全に”共有できることは不可能です。 しかし、この書籍では著者本人が解離性同一性障害という症状を抱えながら生きていくなかで、培ってきた“生き方”や“人生観”をリアルに感じることが出来ます。 小説部に関しては、解離性同一性障害という悩みを解決したり、それを和らげたりするストーリーではありません。 解離性同一性障害と共存する夏子の“普通の女の子”としての生き方(姿)を見てもらいたいと思います。 複雑に心が揺れる恋愛小説。 解離性同一性障害を抱えながら生きていく夏子の不思議な魅力に引き寄せられていく伊住と、その恋人の亜紀、同僚である玉田の恋愛ストーリーが描かれています。 伊住は夏子との出会いによって「解離性同一性障害」という言葉を知ることになります。 決して、その症状に興味を持ったわけではなく、ひとりの女性として受け入れていく伊住の紳士的な部分と矛盾(葛藤)がリアルに感じられます。 おそらく、読者の皆さまでも「解離性同一性障害」という言葉を初めて耳にする方もいるかと思います。 解離性同一性障害、一般的に知られている言葉としては『多重人格』と言われたら、イメージできる人も多いかもしれません。 一人のなかに複数の人格を持ち、何かしらのキッカケで別人格が現れる(人格交代)症状を持つ人たちが存在します。 随筆部に関しては、解離性同一性障害と共存してきた著者本人がご自身の体験をもとに表現しております。 もちろん、一括りに「解離性同一性障害」と言っても、その症状は様々で、一概にこのような症状だとは言い切れない部分が多くあります。 その点で言えば、著者の経験と全く同じだという人は少ないかもしれません。 しかし、“似たような”体験や悩みを持つ人にとっては「自分だけではない」という安心感を感じていただけると思います。 著者より「幸いにも、この本が、同じような症状と向き合うその人らしいやり方の発見に繋がるヒントに、一つでもなれるとしましたら、私自身の心からの喜びに他なりません」

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