2020年7月18日発売
難民問題が深刻化する近未来の日本。受け入れ派と排斥派が対立するなか、教育施設から脱走した難民集団『モグラ』によるテロ行為が頻発していた。警視庁公安五課の東郷は、一カ月後に控えたG20でドイツ首相の暗殺が企てられているという情報を掴む。暗殺計画の首謀者・村瀬は暗殺者を雇ったというが、年齢、国籍、性別、すべて謎に包まれていた。その頃、資金繰りに苦しむ会社経営者・香椎のもとに一本の電話が入る。香椎が元自衛官で、ソマリアで傭兵として暗躍していた過去を知っていた相手は、ある提案を持ちかける。東郷、香椎、謎の暗殺者ーそれぞれの思惑が交錯し、死闘が始まった!!生と死を裁くヴァルキリーは誰に微笑むのか。衝撃のサスペンス。書下し。
1937年の東京。隅田川で拾われた男が病院に運ばれてくる。身元不明の男は記憶を失っていたが、なぜかこれからやってくる戦禍の時代を知っているかのようだった。「遭難者」。とある北の国。猛吹雪の夜、図書館に一人の少年が取り残された。暖房もない極寒の館内。そこに突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めたー。「図書館の子」。時とたたかい、時に翻弄される者たちを描く全六編。
医大の解剖学実習で組まれたのは、異例ともいえる女性4人だけの班だった。城之内泰子教授の指導の下、優秀な成績で卒業した彼女たちは、真摯に医療の道を歩む。医学部不正入試と過酷な医療現場。5人の女性医師がつむぐ涙と希望。-そして秘められた意外な真実。デビュー作『サイレント・ブレス』で話題の現役医師が描く切実な人間ドラマ。
イタリアの美術館から盗まれたクリムトの絵画「婦人の肖像」が発見される。その絵を入手したのは評判の悪い美術商・吉崎為一郎だ。資金洗浄で生き延びてきた吉崎のバックには美術集団「朱鷺の会」がいる。有名実業家・清水谷貴実社長が、そのクリムトを30億で買うらしいと業界が騒いでいる。そんな中、明治初期に日本美術を精力的に集めたフェノロサのコレクションが密かに買い戻されていて、そこには一級品の北斎の肉筆画が存在しているという。どうやら件の朱鷺の会がその隠し財産を継承しているのではと噂されるが…。突然日本に現れた「クリムト」。美術愛好家たちを奮い立たせる幻のコレクション「北斎」。『大絵画展』『フェルメールの憂鬱』に続く、絵画ミステリー第3弾!!
警視庁捜査一課の青山陽介は、不可解な殺人事件の捜査で関わるようになった検事の稲城に、ある刑事失踪の調査を命じられる。向かったのは、事故死や病死と判断された人物の関係者の失踪が連続する武蔵野東署。美しき検案医・夏目塔子が関係するのか。そして稲城も失踪し、謎は深まっていく。青山は、同級生の“不安椅子探偵”小鳥冬馬に助けを求め、それらの背後にある大きな力の存在を知るー。新進気鋭作家が放つ、新感覚“警察ミステリー”!
5年前に起きた連続殺人・傷害致死事件。美貌の作家として注目され始めた柚木しおりは、その一連の事件の関係者だった。彼女の作品を読んだことをきっかけに、舟見警部補は以前事件の解決を導いた青年、ジャン・ピエールに、再び捜査協力を依頼。関連があるのかどうかも分からなかった3つの事件について、当時の記録を辿り始める。