2020年8月21日発売
料理は、作られなくなったら死んでしまう。 フリーのSE兼料理研究家として働く留希子の実家は、江戸時代から続く古い家柄で、老舗料理学校「品川料理学園」を経営している。大学こそ親の希望があって栄養学を専攻したが、幼い頃から後継者の道が決まっている雰囲気や、昔からの教則本を使う学園の方針への抵抗が留希子にはあった。卒業後は、製品開発会社にSEとして就職した。しかし、料理をすることは好きだった。SNSでの発信をきっかけに雑誌からも仕事の依頼が来るようになり、料理研究家としての認知度を上げていた。 忙しい女たちを助けたいと、留希子は令和元年になるゴールデンウィークに向けた簡単で美味しい献立レシピの企画を立ち上げた。しかし、あるレシピをめぐり、問題が起きる。留希子にとってはすっかり身についた我が家の味だったが、そこには品川家の大切な歴史が刻まれていた。 一方、昭和二年、品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜のセロリーと格闘していた。 料理学校の歴史をつなぐレシピを巡る、胃も心も温まる家族小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 『三人屋』『ランチ酒』『まずはこれ食べて』--旬のおいしい小説作家が、家庭料理のレシピの歴史に挑む意欲作です。
30歳無職、山田田助。駄女神によって人生をめちゃくちゃにされるも、救済措置でチートスキルをもらい、さらには大事な家族もできました。今日もダンジョンライフを満喫する田助だが、ふと思い立つ。「異世界みたいな魔法を使ってみたい!」だが、魔法の使い方なんて分かるわけもない。だったら教えてもらおう、異世界の魔法使いに!異世界ストアで購入したのは、緑髪が特徴的な奴隷のウェネフ。そして、諸悪の根源である駄女神シャルハラートが神の世界から落ちてきて!?一発逆転自由気ままな現代ダンジョンライフ、第二弾!
男は命をかけて闘い、命をかけて愛したー。1998年6月にC★NOVELSとして刊行された本作は全く注目されることもなく絶版。それから14年後、世紀が変わった2012年に大幅改稿を経て文庫化し大ヒット作となり、累計110万部を超える人気シリーズ“もぐら”が誕生した。ほとんど読まれることのなかった主人公・影野竜司の初登場作を、読者の要望に応え復刻。荒々しくも心癒やす読後感!著者特別寄稿「熱量の正体」収録。
ママがずっとわたしの恥部だったー「もしも、あたしが日本人ならと思う」就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ“大切なもの”をふみにじられていくーことばを超えて届くのは、愛しいさえずり。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする。心の声をとり戻す長篇小説。
パリでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼の名はオスカル=クロード・モネ。やがて二人は愛し合い、運命の荒波に呑まれてゆくーフランス激動の時代に、「印象派」を主導した画家・モネを愛し、支えた、一人の女性の物語。
あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲?アリス、サザン、達郎、オザケン、クイーン、そして、ビートルズ…。恋するラジオに誘われて、時空を超えた音楽の旅が今、始まる!懐かしくも甘酸っぱい、著者初の「音楽私小説」。