2020年8月発売
お前は消えるべき人間だ。愛娘を殺されながらも極刑を望まなかった半田龍樹は、妻とも別れ、小さな居酒屋を始めた。一見、平穏に流れる日々-。だが、常連客は知らなかった。龍樹の陰の“制裁”を。卑劣な罪を犯しながらも逃げおおせた者を執拗に追跡し、淡々と運命の引き金を引いていく龍樹。黒い血に塗れた両の手は、やがて思いがけない事態を引き寄せてしまう。人間のダークサイドを容赦なく抉り、読後はなぜか救われる衝撃のデビュー作。
コミカライズ企画進行中!2世界を股にかけた「神様」ライフSTART!
ラムザ王国を滅ぼした冥王シュウと元聖騎士の魔女アイリスは、逃亡の道すがらエリーゼ共和国の首都アルタで暗殺の仕事を受けることに。順調に仕事をこなしていくその矢先、シュウたちを討伐するために「封印の聖騎士」セルスターが都にやってくる。魔力を「封印」するセルスターにはシュウの死魔法すらまったく効かずーだが、それすらも跳ね除けるどころかシュウの更なる覚醒を促すことに…。同時に生前シュウが患っていた奇病の謎も明かされていく。冥王の存在に、病にまつわる6つの「花」-世界のバランスは刻々と崩れはじめる。爽快瞬殺ファンタジー第2弾!
「お前たちの悪縁を国ごと断ってやりましょう!」ブチ切れ純情王妃が忍びやかに悪を制裁!?痛快!国盗りファンタジー!
わたしたちは、もう黙らないーー スーパーフリー事件を題材に、卑劣な加害者と先進国最低レベルのジェンダーギャップ国家、日本の現状を告発する社会派小説。とりわけ遅れている警察・司法制度の不備も鋭く指摘。2019年2月、不慮の事故で急逝した花柳幻舟氏渾身の遺稿を単行本に。権威の構造に体を張って抵抗し続けてきた花柳幻舟氏の、#MeTooに連なるライフワーク。 《目次》 序章 闇が溶けるとき 第1章 スクープ 第2章 十三の警視 第3章 日本の警察機構の限界 第4章 セカンド・レイプ 第5章 刑事の勘 第6章 微 笑 第7章 細い糸 第8章 初動捜査 第9章 点が線に繋がるとき 第10章 強姦罪 第11章 一九九九年五月 第12章 卑しい者たち 終章 けものみち あとがき 解説 花柳幻舟の怒りーー日本における性犯罪法の無力さ
料理は、作られなくなったら死んでしまう。 フリーのSE兼料理研究家として働く留希子の実家は、江戸時代から続く古い家柄で、老舗料理学校「品川料理学園」を経営している。大学こそ親の希望があって栄養学を専攻したが、幼い頃から後継者の道が決まっている雰囲気や、昔からの教則本を使う学園の方針への抵抗が留希子にはあった。卒業後は、製品開発会社にSEとして就職した。しかし、料理をすることは好きだった。SNSでの発信をきっかけに雑誌からも仕事の依頼が来るようになり、料理研究家としての認知度を上げていた。 忙しい女たちを助けたいと、留希子は令和元年になるゴールデンウィークに向けた簡単で美味しい献立レシピの企画を立ち上げた。しかし、あるレシピをめぐり、問題が起きる。留希子にとってはすっかり身についた我が家の味だったが、そこには品川家の大切な歴史が刻まれていた。 一方、昭和二年、品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜のセロリーと格闘していた。 料理学校の歴史をつなぐレシピを巡る、胃も心も温まる家族小説。 【編集担当からのおすすめ情報】 『三人屋』『ランチ酒』『まずはこれ食べて』--旬のおいしい小説作家が、家庭料理のレシピの歴史に挑む意欲作です。
はた迷惑な駄女神、リターンズ!? 30歳無職、山田田助。 駄女神によって人生をめちゃくちゃにされるも、救済措置でチートスキルをもらい、さらには大事な家族もできました。 今日もダンジョンライフを満喫する田助だが、ふと思い立つ。 「異世界みたいな魔法を使ってみたい!」だが、魔法の使い方なんて分かるわけもない。 だったら教えてもらおう、異世界の魔法使いに! 異世界ストアで購入したのは、緑髪が特徴的な奴隷のウェネフ。 そして、諸悪の根源である駄女神シャルハラートが神の世界から落ちてきて!? 一発逆転自由気ままな現代ダンジョンライフ、第二弾!
男は命をかけて闘い、命をかけて愛したー。1998年6月にC★NOVELSとして刊行された本作は全く注目されることもなく絶版。それから14年後、世紀が変わった2012年に大幅改稿を経て文庫化し大ヒット作となり、累計110万部を超える人気シリーズ“もぐら”が誕生した。ほとんど読まれることのなかった主人公・影野竜司の初登場作を、読者の要望に応え復刻。荒々しくも心癒やす読後感!著者特別寄稿「熱量の正体」収録。
第二次世界大戦で勝利したドイツ第三帝国は、カナダで抗戦を続ける英国を追い北米に侵攻。欧州を制圧した強大な軍事力による電撃攻勢と、史上初の反応弾攻撃で合衆国を崩壊させた。ここに、日英同盟対ドイツの第三次世界大戦が勃発! 著者最大のシリーズを合本する愛蔵版。第一巻には本篇1「合衆国侵攻作戦」、本篇2「迫撃の鉄十字」、本篇3「反撃の旭日旗」を収録。
母は、わたしの恥部だったーー 申し分のない夫・聖司と結婚し、〈ふつう〉の幸せになじもうとするも、にわかに体と心は夫を拒み、性の繋がりも歪になっていくーー密かに声を殺して生きた子ども時代の〈傷〉に気づくとき、台湾の祖母、叔母、そして異国に渡った母の一生が心を揺らす。 夫と妻、親と子それぞれの〈過ち〉を見つめる心温まる長編小説
パリでお針子見習いとして働くカミーユ・ドンシューは、ある日、新進画家から「モデルになってほしい」と請われる。彼の名はオスカル=クロード・モネ。やがて二人は愛し合い、運命の荒波に呑まれてゆくーフランス激動の時代に、「印象派」を主導した画家・モネを愛し、支えた、一人の女性の物語。
あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲?アリス、サザン、達郎、オザケン、クイーン、そして、ビートルズ…。恋するラジオに誘われて、時空を超えた音楽の旅が今、始まる!懐かしくも甘酸っぱい、著者初の「音楽私小説」。
小さな子供に何度も後をつけられ気持ち悪い、という通報が松本署にあった。道原伝吉が事情を聞いたところ、その子供は古谷智則五歳と判明。母親古谷未砂子との二人暮らしだが、母親は一週間以上行方がわからないという。やがて諏訪湖畔で自殺を装った他殺体で母親が発見される!しかも親子の自宅から現金一億五千万円が見つかり捜査本部は色めき立った!捜査が進むにつれ、その大金は離婚に際して資産家の夫とその両親から受け取ったものと判明するが…。謎が謎を呼ぶ会心の書下し長篇旅情ミステリー。
自分の声質へのコンプレックスから寡黙になった坂口孝文は、全寮制の中高一貫校・制道院学園に進学した。中等部2年への進級の際、生まれつき緑色の目を持ち、映画監督の清寺時生を養父にもつ茅森良子が転入してくる。目の色による差別が、表向きにはなくなったこの国で、茅森は総理大臣になり真の平等な社会を創ることを目標にしていた。第一歩として、政財界に人材を輩出する名門・制道院で、生徒会長になることを目指す茅森と坂口は同じ図書委員になる。二人は一日かけて三十キロを歩く学校の伝統行事〈拝望会〉の改革と、坂口が運営する秘密地下組織〈清掃員〉の活動を通じて協力関係を深め、互いに惹かれ合っていく。拝望会当日、坂口は茅森から秘密を打ち明けられる。茅森が制道院に転入して図書委員になったのは、昔一度だけ目にした、養父・清寺時生の幻の脚本「イルカの唄」を探すためだったーー。
名作「夏の花」(原題「原子爆弾」)を挟んで、戦争の日々と妻の死、8月6日の被爆、その後……時系列に佳作を編集。 核兵器禁止へ、あの時とあの思いを、戦後75年に今一度たどる。 原民喜はその小説の題を「原子爆弾」とした。 それ以外になかった。 しかし、そのままでは発表できなかった。 ─あれから75年。夏