2020年9月19日発売
現代台湾文学選、始動。 近代台湾史を貫く民草の悲哀を重層的に捉えた作品だ。勇気と保身、執着と後悔、正義とその代償。何かを得るために何かを失うのが人生なのだとしたら、彼らは誰ひとり間違ってなどいない。 ーー東山彰良(小説家) よどみなく流れる物語に心を打たれる。徐嘉澤は優れたストーリーテラーなのだ。そして知らぬ間に読者は、複雑で入り組んだ台湾の歴史の記憶のなかに引きこまれてゆく。 ーー郝譽翔(作家) 『次の夜明けに』は徐嘉澤の野心作である。台湾の大きな歴史と個人のささやかな欲望を一本の辮子(ピエンツ:お下げ)あるいは鞭子(ピエンツ:鞭)へと巧妙に編み上げて、苦悶の暗黒時代のなかに、ヒューヒューと音をたてながら、一すじ一すじの光明の所在を明らかにしていく。 ーー紀大偉(作家) 台湾の新世代作家の一人、徐嘉澤 本作が本邦初訳 1947年、二二八事件に始まる台湾激動の頃。民主化運動で傷つき、それまでの生き方を変えなければならなくなった家族。新聞記者の夫とともに、時代の波に飲まれないよう、家族のために生き、夫の秘密を守り続けて死んでいった春蘭(チュンラン)。残された二人の息子、平和(ピンホー)と起義(チーイー)は、弁護士と新聞記者として、民主化とは、平和とは何かを追求する。起義の息子、哲浩(ジョーハオ)は、歴史にも政治にも関心がなく、ゲイだと告白することで一歩を踏み出す。三代にわたる家族の確執を軸に、急激に民主化へと進む時代の波に翻弄されながらも愛情を深めていく一家の物語。
VRMMORPG「ドールズ・オーダー」の世界で、強敵ズィークに勝利し、虐げられていた戦闘妖精9号を救出したいろは。新たな主となったいろはの元で9号はナインと名を改め、戦闘妖精ミコトとともに、修行におしゃべりにケンカに(?)励む日々を過ごしていた。そんなとき、いろはは大規模なレイドイベントが実施されることを耳にする。レイドイベントに挑むため、いろははミコトのレベリングを開始。二人は修行先で、とある一体の正体不明のナイトメアと遭遇する。強敵だがぎりぎり勝てない相手ではないと踏んだミコトが、拳で相手を捉えたと確信した瞬間ー敵の凶器がミコトの瞳を貫いてしまう!
剣と魔法で戦う仮想現実“アナザー・フロンティア・オンライン”で、総額50億円の賞金が貰えるクラン戦争が開催された。誰もが優勝を目指す中、とあるプレイヤーのハヤトは所属クランを追放されてしまう。生産職ゆえ戦闘力がなく、ひとり頭を抱えていたがーふと、NPCを仲間にできないかと思いつく。料理、鍛冶、製薬、木工など、あらゆる生産系スキルを駆使して勧誘を開始!結果集まったのは、食いしん坊の駄メイド、シスコンの傭兵、手癖の悪い執事と、どいつも癖のある厄介者ばかり。こんな奴らで大丈夫かよ、と胃を痛めるハヤトをよそに、ここに史上最強(?)の急造チームが誕生!果たして彼らは勝ち進むことができるのか!?熾烈な戦の幕が上がる!訳ありどものVRMMOファンタジー!!
月の欠片が地球に旅をした。そこは、広大久遠の銀河の一点に浮かぶ生命の星。46億年前に生まれ、やっと20万年前、人が大地を歩いていた。23,000分の1(20万年/46億年)の時間で人は、地表を作り変え、文明を築き、宇宙にも少し飛び出した。一方で、貧困も犯罪も戦争も絶えない。核兵器もなくせない。なぜ悪があるのだろう?しかし、人は疑いを振りほどき、生活に追われ、学校に職場に向かう。命が尊いって本当だろうか?なぜ悪があるのだろう?月が、捨て犬のポチが、鶏のタマ子が、熱くしなやかに答えを探ります。