2021年10月12日発売
大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場。戦下の昭和十八年、陸軍軍人の娘・中久世美禰子は婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁いだ。だが夫・多一郎は軍医として出征し、美禰子は新婚早々、一癖も二癖もある大鞠家の人々と同居することになる。やがて彼女は一族を襲う惨劇に巻きこまれ…大阪大空襲前夜に起きる怪異と驚愕の連続を描き、正統派本格推理の歴史に新たな頁を加える傑作長編ミステリ!
■「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。■『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈る、〈エリ沢泉〉シリーズ最新作。■第21回本格ミステリ大賞全選評、一挙掲載。■第31回鮎川哲也賞&第18回ミステリーズ!新人賞選評、ならびに第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」掲載ほか。 ■目次■ 『紙魚の手帖』創刊にあたって 【創刊記念特別エッセイ】 投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉 戸川安宣 【受賞作決定!】 第31回鮎川哲也賞 選評 辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩 第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信 【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】 三人書房 柳川 一 ●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚 【第21回本格ミステリ大賞全選評】 第21回本格ミステリ大賞受賞作決定! 第21回本格ミステリ大賞選考経過 受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三 選評 小説部門 選評 評論・研究部門 【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】 白が揺れた 櫻田智也 ●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作! (※「エリ」は「魚」偏に「入」) 【読切】 ゼロ 加納朋子 ●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ! スフレとタジン 近藤史恵 ●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。 フォトジェニック 秋永真琴 ●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。 108の妻 石川宗生 ●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。 セリアス 乾石智子 ●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは…… 魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳 ●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす 【INTERVIEW 期待の新人】 千田理緒 『五色の殺人者』 大島清昭 『影踏亭の怪談』 【BOOKREVIEW】 [文芸全般] 瀧井朝世 [国内ミステリ] 宇田川拓也 [翻訳ミステリ] 村上貴史 [SF] 渡邊利道 [ファンタジイ] 三村美衣 『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン 執筆者紹介 編集後記・次号予告
叔父の奸計により誘拐された主人公。船の難破に遭って生き延びるも、暗殺事件に巻き込まれ逃亡を余儀なくされる。その結末は!? 18世紀英国史を背景とする作家の最高傑作!
「家族」とはなにか?その系図に刻まれた欲望と不条理。飛び散る血しぶき、耳をつんざく悲鳴、謎かけを込めて“展示”される死体ー。犬神家を襲った怪奇な連続殺人事件の背景には、何があったのか?物語を読み解くカギは「戸籍」にあり。血で血を洗った一族の系譜を丁寧にたどりながら、社会に根強く残る「血」や「家」の秩序と価値観を炙り出し、近代日本の陰に光をあてる。