2021年6月21日発売
永享六年(一四三四)五月、幽玄の美で室町の世を瞠目させた一人の男が流罪となった。世阿弥元清、七十二歳。咎なくしてなぜ、遠く佐渡へと流されたのか?そして彼の地でどう生き、何を見つけたのか?最晩年に到達した至高の舞いと、秘められた「まことの花」。その謎と、真実に迫る!
U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を依頼する。実は引き受けたマリアたちの胸中にも、それぞれの過去ー若き日に対峙した事件への、苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した、雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そして、過去の後悔から刑事となったマリアと漣がバディを組んだ、“始まりの事件”とは?大人気シリーズ第四弾は、主要キャラクターたちの過去を描いた初の短編集!
ーーみんな誰かを殺したいほど羨ましい。 美しい少女・蛍が線路に身を投じる。 儚く散った彼女の死は後悔と悲劇を生み出していくーー 「女による女のためのR-18文学賞」優秀賞受賞者である著者が、原点に立ち返り、少女たちのこころの中に巣くう澱みを鮮烈な感性で抉り出す。 京都の底辺高校と呼ばれる女子校に通うオタク女子三人、校内でもスクールカースト底辺の扱いを受けてきた。 そんなある日、東京から息を呑むほど美しい少女・蛍が転校してきた。 生物部とは名ばかりのオタク部に三人は集まり、それぞれの趣味に没頭していると、蛍が入部希望と現れ「私もね、オタクなの」と告白する。 次第に友人として絆を深める四人だったが、ある日、蛍が線路に飛び込んで死んでしまう。 真相がわからぬまま、やがて年月が経ち、蛍がのこした悲劇の歪みに絡めとられていくーー 少女の心を繊細に描く名手による初のミステリ作品
大麻取締法違反で起訴され、初監督作品はお蔵入り、四十を前にキャリアを失い派遣仕事で糊口をしのぐ横口健二に舞い込んできたのは、一冊の映画雑誌を手に入れるという謎の「極秘任務」だった。横口は北朝鮮からの“名前のない女”とともに、禁断の世界に足を踏み入れていく。一触即発のリアルな国際情勢を背景にくりひろげられるスリルと“愛”の物語。