2022年1月12日発売
売れないお笑い芸人・保美と孤独な老人・賢造が漫才デビュー。常識外れな賢造のボケと保美のツッコミが高齢化社会も生きづらさも吹っ飛ばす!笑いと涙の痛快芸人小説誕生。
『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説 『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と 『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。 『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。 『メルヴィルに挨拶するために』は『白鯨』の仏語訳をリュシアン・ジャックとともに 完成したジオノが、その序文として書いた作品である。自著の出版交渉のために訪れたロンドンの出版社はメルヴィルの条件すべてを了承した。旅の道中、二週間、メルヴィルは行き当たりばったりに歩き回るのだか、途中、偶然にもアデリーナ・ホワイトという女性と出会い、両者は互いに相手に対し、不可思議とも形容できる精神的な友情を覚える。その精神感応に満ちた神秘的な時を過ごすも、またすぐに別れることとなったメルヴィルは『白鯨』を、彼女のために全身全霊を込めて書くのだった。しかしアデリーナがその作品を読むことはついになかったのである。 作品中の作家メルヴィルのなかに、人見知りの激しい人間でありながら、機が熟すると文学に没入するというジオノ自身の性格が投入されているのである。この作品はジオノの最高傑作の一つでもある。 『逃亡者』では、主人公の画家が、それまで所属していた社会から、経緯は一切不明ではあるものの逃亡することとなり、祖国フランスからも脱出しスイスに潜入することとなる。逃亡者としての主人公を、ある地方長官が保護することとなり、生活の場と食糧が提供される。主人公は絵の才能を持ち合わせていた。彼は長官の奥さんを描くことによって感謝の気持を表現するのだった。 小説家にしても画家にしても、芸術家は世俗の富や名声とはほぼ無関係であると考えていたジオノにして作り出されたであろう作品である。事実を単になぞることが体質的にできなかったジオノは、実在の芸術家の伝記を書こうとしても、自分自身の姿をほぼ必然に作家や芸術家に投入してしまうことになるのである。
すべてはあの日、渋谷スクランブル交差点で「芸能人にならない?」とスカウトされたときから始まったーー。 2022年に約10年間のAV女優としての活動に終止符をうち、同時にストリッパーも引退、今後は俳優として活動することを宣言した著者。 この小説には、地方に住んでいた普通の女の子が、人気AV女優まで昇りつめ、そしてまさに今から俳優として旅立っていく、そのすべてが描かれています。 一人の若い女性が、ときに世間の偏見に傷つき七転八倒しながら、それでも光を求めて立ち上がり、けっして歩みを止めずに前進し続ける姿に、ファンはもちろん、多くの人が心を揺さぶられることでしょう。