2022年2月3日発売
僕は美しいひとを食べた僕は美しいひとを食べた
男は美しいひとを食べたー真実の愛ゆえに。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。
輝ける闇の異端児 アルチュールランボー輝ける闇の異端児 アルチュールランボー
遥かなる時空と闇を割いて彼の声がきこえる。 ランボー没後130年を経てなお 著者の心に棲みつづける 魂を揺さぶる熱い思いを綴った小説 『ロッシュ村幻影』を大幅に修正、新たな掌編もプラス。 闇に蹲る彼の沈黙ほど美しい詩はない、と僕は結論付けた。ハラルでの十一年間の闇、そこから発せられた詩ではなく日常の些事を綴った手紙こそ、文学の最高峰の一つであると考えるに至り、そこに僕自身の人生の意義を重ねた。僕は最後にと、彼のゆかりの家、都市、カフェ、ホテルなど順を追って回った。最後にマルセイユの丘に登った。地中海に沈む太陽。激しく墜落していく太陽。アルチュール・ランボーはそれを永遠だと詠った。一切のものは無であり、永遠であるだけだと。(あとがきより)
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