2022年5月31日発売
「あんたは、父親か、教師か、どっちなんだ」穂刈は、クラスで起こるイジメから目を逸らすような、事なかれ主義の中学教師だった。しかし小6の娘がイジメで飛び降り自殺を図り、被害者の親になってしまう。加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く。そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かによってインターネットに書き込まれー。娘がイジメを苦に飛び降りた。中学教師でもある父親は、崩壊する家庭を守るため、学校と闘うことを決意する。俺たちは“被害者”か、“加害者”か。
「戦争の子」と「台北の疎開地」は、今や絶滅危惧種となった戦前の臺灣で生まれた湾生と呼ばれる臺灣引揚者が少年の頃に日本語世代の臺灣少年とともに遊んだ思い出を描く大人向け少年小説。「爆心地の悪戯」では、放射能が70年間残ると言われた長崎の原爆野での少年のある日の幻想風景を描いた掌編小説。他にインドを舞台とする不思議な出来事を描いた小説3編。 【戦争の子】 陸軍病院 デング熱 大詔奉戴日 屏東公園 瑞竹 国民学校の教科 台湾料理 映画「山の娘サヨン」 空襲警報 隘寮渓の砂利採集 竹の飛行機 特攻隊の出撃 真っ白い落下傘 文武町の官舎 敗戦後の臺北 臺灣引揚げー長崎の原爆野 【臺北の疎開地】 トロッコ カルメラ作りかい掘り 赤蛙 おたまじゃくしの水 家出 女の人 臺北大空襲 家鴨と蝸牛 敗戦 それから三十年経ってー疎開地を訪ねる 爆心地の悪戯【二日酔いのインド】 酒がでない結婚式 生娘の小便を飲む首相? 大いに飲み、語り明かす 【太陽の片隅で」、【 隠れ家ホテル】 -臺灣地図ー臺灣関係年表ー
多彩な怪奇譚を手がける翻訳者が精選した名作、傑作、怪作! ブラム・ストーカーに先駆けて発表された吸血鬼小説に焦点を当てる画期的アンソロジー。 伝説の大著『吸血鬼ヴァーニー』抄訳ほか本邦初訳作多数収録。 詳細な各編解説・解題を付す。 ブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』に先駆けて発表された吸血鬼小説に焦点を当てた画期的アンソロジー。バイロン、ジョン・ポリドリによる名作の新訳のほか、ヴィクトリア朝イギリスで書かれ、全232章という長大さで知られる伝説のゴシック小説『吸血鬼ヴァーニー』抄訳など、本邦初紹介の作品を中心に10篇を収録する。
高校生の滝本望は、お蔦さんの愛称でご近所に親しまれる祖母と、神楽坂で暮らしている。その神楽坂では、万引きが多発しているというので商店街全体で警戒していた矢先のこと、和菓子店の主人が逃げる犯人に突き飛ばされて怪我をしてしまった!正義感に駆られる望と友人の洋平は、似顔絵を描いて犯人を捕まえようと思い立つが…。商店街を騒がせた出来事を描く「よろずを引くもの」を始め、書き下ろしを含む全七編を収録。粋と人情、そして美味しい手料理が味わえる大好評シリーズ、待望の最新作!
テレビドラマの生放送中なんと主演女優が殺害される!? 年末ミステリランキング3冠『たかが殺人じゃないか』待望の続編 “ミステリ界のレジェンド"が放つ、鮮烈な本格ミステリ 『仮題・中学殺人事件』(1972)から50周年&卒寿記念出版 生放送中のテレビスタジオで主演女優が殺害された! 自らが手掛けたミュージカル仕立てのドラマ撮影現場での殺人に、駆け出しミステリ作家・風早勝利と、名バイプレイヤー・那珂一平が挑む! 戦前の名古屋を活写した『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』、年末ミステリランキングを席巻した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』に続く、〈昭和ミステリ〉シリーズ第三弾。ミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念出版。
『星の王子さま』75周年記念。『星の王子さま』オリジナルのイラスト&テキストをはじめ、世界的に有名なバンド・デシネ作家32名による『星の王子さま』へのトリビュートイラストを豪華掲載。完全保存版。
田舎の古い精神科専門病院に赴任した若手精神科医の鴇枝啓祐は、同じ病院に勤務する医長の杜臣慧から「声に邪魔されて眠れない」という相談を受け、薬の処方を頼まれる。途切れることのない頭の中の雑音と、自分を呼ぶ何者かの声に悩まされる杜臣。やがて病院では、夜中になると図書室や遊歩道で独りごちる杜臣の噂が立つ…。
「不吉な予感がする。今朝こそ、自分の番だという気がする」 犯した罪の重さに煩悶しながら、神への信仰へ向かう死刑囚と若き精神科医との精神の交流を描く、畢生の代表作! 日本文学大賞受賞。
「さて、恵津子君、悲しいお知らせですが、いよいよお別れの時が来ました。明日がその日だと、けさ、教えられ、なにかとせわしない一日を過しました」 執行の日を迎える死刑囚の内面を余すところなく描く、畢生の代表作! 日本文学大賞受賞。