2023年4月6日発売
いずみブックレット9 明石八景いずみブックレット9 明石八景
名所は作法に則って味わうべきであり、人は皆それをわきまえておく必要があるー明石八景は寛文8年(1668)、明石藩主松平信之が領内の名所八つを選び、幕府儒官林鵞峰らに詩文を委嘱したもの。中世の終わりから近世にかけて、日本各地で数多くの「八景」がつくられた。明石八景もまたこのような流行から生まれた作品だが、そこには風景を文学的伝統と結びつけて鑑賞しようとする考え方が潜んでいる。本書では明石八景をうたった漢詩や発句を読み進めながら、当時の人々が風景をどのようにとらえていたか、美意識と定型はいかなる関係にあるのか、といった問題を分かりやすく解説する。ひろく和漢洋の文学を視野におさめつつ、講演形式のやさしい語り口で展開される議論は軽妙暢達。明石の地域史としてのみならず、古典入門としてもおすすめの一冊。
後西遊記後西遊記
それからの『西遊記』。玄奘三蔵法師が天竺から持ち帰った真教は難解で、解釈の誤りから仏教は堕落し、世相は大いに乱れた。時の高僧、大顚、二代目孫悟空の石猿、孫履真、猪八戒の忘れ形見、猪一戒、沙悟浄の弟子、沙弥の四人は、経の真解を求めて再び西天へと旅立つ。この旅路の行方やいかに。神魔小説の醍醐味を十二分に伝え、痛快極まる『西遊記』の続篇。
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